バイト先に来る「うーん」な客3選

 某テイクアウト専門から揚げ店に大学一年の夏から働き始めてちょうど一年になる。割と強気の値段設定のせいか、ヤンキーとかホームレスみたいな客は来ないいい感じの客層なのだが、ごくごくまれに「うーん」なお客が来る。今日はそのなかでも特に「うーん」な客を三例紹介したい。


①3分ぐらい迷って結局何も買わずに帰る客

 うちの店は商品をショーケース内に入れている。駅前にある不二家とかのケーキ屋さんと同じ業務形態なのだ。だから店に入って十秒もかからず何が売っているか分かる。細かく値段をみて迷うにしても、まあ一分もあれば事足りる。にもかかわらず、ずーーーっとショーケースを見ながら迷っている客がたまにいる。客の注文を聞いて店員が商品を取るシステム上、客が店内に来たら店員はショーケース前で待機していなければならない。それなのにずーーーっと迷ってられると明日の仕込みや片付けなんかがいつまでたってもできない。そんだけ迷って買ってくれるならまだいいのだけど、買わないで買えるやからがいる。
 そういうやつが帰った後は「この時間なんだったの!?」と口パクで言っている。マスク社会でよかった。

②自分語りジジイ

 うちの店ではお弁当も売っていてたまに外国の料理をモチーフにした弁当を売ることがある。その時はオーストラリアモチーフの弁当を売っていたのだが(そもそもオーストラリアの弁当ってなんだよって話だが)、そこにそいつは現れた。そのジジイは財布をごそごそしながら「俺も昔オーストラリアいったことあってよ、案外しょぼかったぜ」というようなことをベラベラしゃべるのだ。
 だからなんなんだよー!知らん奴がオーストラリア行った感想どうでもよい。しかもなんだよしょぼかったって。何のマウントにもなってないから。どうせ日本とオーストラリアの建物とか比べたんだろうけど、すごいのは日本の建物を建てた人であってお前ではないからな。
 でもなかなか売れなかったオーストラリア弁当を4個も買ってたから許しちゃう。ジジイありがとう。

③汚い小銭ばらまきおじさん

 こいつは論外。「うーん」どころの騒ぎじゃない。300円ぐらいの会計に十円玉と一円玉で払いやがったんだこいつは。レジのトレーにばらまくように。しかもそれが画像の小銭に白い粉の塊がくっついたような小銭なんだ。

これより汚い小銭

 もういやがらせとしか思えない。小麦粉を入れたボウルに濡らした小銭を入れて、そのままベランダで天日干しでもしたんじゃないかってレベルで汚い。なんだあいつ。実はパティシエなのか?だとしたらキッチンに小銭置いておくなよ。それになんかスーツもヨレヨレだったし。なんだあいつ。あとそいつは絶対に「大きいサイズのレジ袋」とだけ言ってくる。うちの店がレジ袋無料なのをいいことにわざわざ買う量に見合わないサイズのレジ袋を要求してくる。なんだあいつ。しかもおつりとレシートを渡すと、おつりだけ受け取ってレシートはその辺に捨てて帰る。いらないなら一言言えや。なんで「大きいサイズのレジ袋」は言えるのに「レシートいらないです」は言えないんだよ。なんだあいつ。あと「大きいサイズのレジ袋」ってなんだよ。お前みたいなもんが体言止めすんなよ。「ください」つけろよ。体言止めが許されるのはポエムと日本語の勉強を頑張ってる外国人だけだからな。
 この前そいつが店から出た後、絶対に聞こえない声量で「もう二度と来るなよー」と言ったらほんとに来なくなった。喜びつつもなんだかちょっと寂しい気持ちになった。もうあの「大きいサイズのレジ袋」が聞けなくなるなんて…





 冷静に考えたら全然寂しくもなんともなかった。逆にムカついてきた。来なくなるならもっと前から来なくなれよ。てか最初から来るな。

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