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クルンクルンの世界13

所変わって、ここはクルーグル城の中。
"陛下、申し上げます。只今家来からの申しづてによりますと、コジロウがオロチを手中に入れてこちらに向かってきているとの情報を得ております"
ムサシがヒデミツ卿に申し立てた。
"なにっ!あのオロチを鎮めたと申すか!しかも自分のモノとして扱うとはどういうつもりじゃ!"
"あのバケモノをコジロウ一人で鎮めたとは思えません。きっと秘策があってのことでしょう"
"いや、まてまて。あのオロチを手中にしたのだ!この城へ攻め込んできてもおかしくあるまい。直ちに城内に警備を張り、厳戒態勢をとるのた!よいなムサシ!これは勅命ぞ"
ヒデミツは怯えているように見えた。ムサシはいったんその間から離れて階下へ向かった。
"コジロウがどうしたというのだ?オロチを味方につけたからといって、あやつがこの城を攻め落とすなど、陛下もどうかしている。さて、どうするか・・・"
ムサシはサムライたちを集めて事情を説明した。そして直ちに城内に厳戒態勢が敷かれた。
ただし、そこには下手にオロチとコジロウを敵対しないことだけ胆に命じさせムサシの指示を待たせた。
"ふむふむ。よいぞ!これで容易には城内に侵入できまいて"
ヒデミツ卿がブツブツ言っていた。
それからコジロウたちを乗せたオロチが姿を現した。まだ遠くだが、ゆっくりうねりながらこっちに向かってきていた。
"ややっ!あれは!"
警護のサムライが目を見張った。それはコジロウと共にいたザンジロウが宝玉の剣を振り回し、あたかも巨大なオロチを自在に飛ばしていたからだ。
ムサシは一人城外に出てオロチと相対した。
"おお、兄者よ。只今戻ったぞ。これでザンジロウがNo.3じゃな"
"待て!コジロウ。このままオロチを城内に入れる訳にはいかんぞっ!この場にオロチを待機させ、お主は城主ヒデミツ卿に判断を仰ぐのだ"
"ふむ。兄者の言うことも、もっともだ。ザンジロウ、ここにオロチと残っていてもらえるか?"
ザンジロウは宝玉の剣を振りながらオロチを地面に降ろしてコジロウだけ城内に行き残った。
#小説
#クルンクルンの世界

西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!