見出し画像

クルンクルンの世界12

結局オロチを鎮めたのはザンジロウの手柄だった。ここまでのチカラを持っていたことにコジロウすら気づいてはいなかったのだ。むしろザンジロウが何者かがこれからのこの物語を大きく影響することを予感させていた。
オロチは長を見つけたかのようにザンジロウを乗せて宙を舞っていた。
"ザンジロウよ。オロチと共に外界に飛び立とうぞ!"
コジロウはオロチの背につかまり言った。
"アーアー"
ザンジロウがオロチに言うとオロチは母親のラーネルのところに降りてきた。
"おお、ザンジロウ。こんなに立派になって。母は分かっておったぞ。やはりお前は竜族の子じゃ。父コジロウと共に旅立つのが理なのよ!"
"待って!ラーネル。ザンジロウをこのまま行かせてしまうのか?こんな赤子を!"
アネールは言った。
"アネール。我が国クルネールは代々こうして赤子をクルーグルに預けて安泰を勝ち取ってきたの。あなたにもこんな時がくれば必ず分かってくれるわ!さようならザンジロウ。大きな男になって武勲を挙げてゆきなさい"
ラーネルの言葉からは悲しげな瞳とは裏腹に力強くザンジロウに響かせた。
オロチはそのままコジロウとザンジロウを乗せてクルーグル城に向かって行った。
オロチの飛行は常にうねりながら飛んでいるものの、ザンジロウの乗っている所をかばうかのように静かに飛んでいた。
"ザンジロウ。オロチを鎮めたからと言ってこの世の中にはもっと激しく巨大な敵がいるのだ!しかし、その戦いはシンプルなのだ。今回はたまたま我等二人の数字がオロチを上回ったに過ぎないのだ。これから修行に明け暮れるがしっかりついてくるのだぞ"
ザンジロウはその言葉に応えるかのように叫んでいた。

#小説
#クルンクルンの世界

西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!