見出し画像

XENO公国 No.143

0143〜クルンクルンの世界(プロローグ)2

マコトは徐々に状況を飲み込めてきていた。もはや支配権はヤギリに渡り、シゲ爺・ミジェラを参謀につけモルガン王国を立て直そうとしているのだ。
"サキ、俺はこれからどうしたらよいのか教えてほしい"
マコトはサキに言った。
"あら。あなたらしくもない。もう兄はいなくなったのです。西国に逃げ出す手筈もなくなりました。あなたを慕う者もあります。故郷に帰るなり、王国を築くなり、あなたなら思いのままですわ。もちろん私もあなたと共にありたい"
サキはマコトに寄り添った。
"そうだな。俺のそもそもの目的は両親を探し出すことだった。それが宙ぶらりんになってこんなになってしまった。もう一度両親を探し出し、この世界のどこかに王国を築いてみよう"
マコトは決意を固めた。それからドアがノックされた。
"マコト様、マナカ様御一行がいらしてます。開けてよろしいでしょうか?"
五英傑のダルクの声だった。
"通せ"
マナカとマヒルが現れた。
"すまないがダルク、サキ、席を外してくれないか。三人で話しをしたい"
ダルクとサキは部屋から出て行った。
"お前たちすまなかった。俺は大貴族と呼ばれて自分を失っていたようだ。許してほしい"
"いいんだよ。ボクらもだいぶ強くなったんだよ"
マヒルは言った。
"マコト、話があるの"
マナカは今までのことを話した。北の祠の特訓から採掘場の闘いベックと出会いそして両親の居場所をつかんだことまで。
"この子はベック。女の子よ。吹雪ができるのよ。この娘がいなかったら、ここにはたどりつけなかったわ"
ベックはマナカの懐から姿を現しキョロキョロ見回した。
"そうか、苦労したんだな。俺といえば、皇帝に取り込まれ道を外していたんだな。クルンクルンとかの話だが、きけばこのXENO公国とは全く次元の違う世界のようだ。両親を助ける目的はお前たちと一緒だか、もう俺にはサキや配下の者もいる。すまないがお前たちとは別行動で両親を探し出したい"
マコトは言った。
"そうね。もう大貴族だもんね。背負っているものが違うわ。でも連絡も取り合えないの?''
"お前たちに渡したい物がある"
マコトは透明のゼクノライトを取り出した。
"これはヒカルからもらった物だ。どうしても俺に渡したいらしくてな。これを持っていれば想いを通じて簡単な会話ができるぞ"
''これがあれば兄ちゃんと会話できるんだね"
マコトは事前にヒカルからもらったゼクノライトを五等分に分けていた。
"出発は三日後にしてくれないか。周りに説得しなきゃならないからな"
"わかったわ。ヤギリにも話してくるね"
"ヤギリ王だ。周りに警備もある。粗相のないようにな"
"かしこまりました。大貴族マコト卿"
マナカとマヒルは部屋を出た。

#クルンクルンの世界

#小説

西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!