子育て・発達の基礎の基礎

 5歳・2歳の娘の母として、教育や子育てについて、本を読んだり人に聞いたりしてきましたが、このたび「子育て支援員」の研修を受けることにしました。
 いま、基礎研修が終わったところ。なんとなく本で読んだり人に聞いていたことを、再確認する機会になりました。

 備忘録として、提出したレポートの内容をこちらに載せておきます。

〇初回学んだのはこんなこと〇
 ピーテル・ブリューゲル作「子どもの遊戯」には、様々な子どもの遊びが表現されている。かつて、遊びと生活は一緒であり、子どもは遊び=生活の中でまなびそだっていた。遊び=生活の中で学ぶということは、地域の中で学び育つということであった。子どもは地域社会全体、生活全体で育てられてきたのである。
 しかし、現代では、時間、空間、仲間の「サンマ=3間」がなくなっていると言われ、かつてのように、遊びの中、地域の中で学ぶことが難しくなっている。地域で子どもを育てることがなくなった結果、家庭のみが子育てを担わなければならなくなってしまった。その結果、家庭、とくに母親の子育ての負担が大きくなっているのである。
 日本では、女性の就労率が、20台―30代で低い「M字カーブ」を描いている。少子化、とくに合計出生率の低下は現代日本の大きな課題であるが、低い出生率の背景には、子育てと仕事の両立が困難であることが大きな要因となっている。出生率を向上させるためには、女性にばかり子育ての負担を求めるのではなく、保育施設の充実、地域全体での子育てなど、社会全体で子どもを育てていく仕組みを作っていく必要がある。なお、児童福祉法に定められた保育士の役割には、子どものケアだけではなく保護者の支援(ソーシャルワーク)が含まれている。
 かつては三歳児神話(こどもは3歳まで母親が育てるべき)がまかりとおっていたが、現在では科学的に否定されている。こどもにしっかりと保育者が応答していけば、愛着形成は十分になされるのである。愛着の形成は、自分への信頼・自己肯定感を育み、非認知能力を養う土台となるものである。
 近年、非認知能力(数字で測れない力)の重要性が認識されてきている。平成30年の各指針・要綱の大改訂でも、生きる力や非認知能力の育成が念頭に置かれている。非認知能力の育成には、幼少時の自然体験が大きく影響する。自然体験の効果には、本来持っている感性の発揮、感性や気づく力、自然の生活から学ぶ知恵、問題解決の力を育むなどが挙げられる。国でも自然保育の勉強会が立ち上げられているなど、注目が集まってきている。「森のようちえん」などの自然保育も進んでいるが、一般の保育施設においても、体験の重視、子どもの気づきを見守るなど、非認知能力を伸ばしていく方向の保育がこれからは求められていくであろう。
 子どもの発達を知ることは保育の上で重要である。子どもの発達を説明した理論には、ピアジェの認知機能の発達段階、エリクソンのライフスタイルモデルがある。H30年改訂の保育指針には、年齢ごとのおおむねの発達についての記述はなくなったが、おおよその理解をしておくことは必要である。保育では、「ここまでできるから、これだけ手伝ったら発達が促される」という発達の最接近領域を踏まえた関わりが大事である。子どもの行動にはすべて意味があると考え、むやみに叱らない、支持しない、見守ることが肝要だ。
 幼児教育は、土台をつくるものと考えるべきである。それは非認知能力を育んでいくということだ。H30改定の保育所保育指針では、乳児保育に3つの視点(①身体的発達、②社会的発達(人とのかかわり)、③精神的発達(物との関わり))を提示している。また、幼児教育・保育において育むべき3つの資質・能力として、①知識・技能の習得、②思考力・議論・表現する力の習得、③学びに向かう力の習得があり、これらと対応している。
 保育士は、児童福祉法に定められた資格である。児童福祉法が制定されたのは1947年、第二次世界大戦が終戦となったばかりの時期であった。子どもの権利条約や児童憲章等にも謳われてているように、こどもも一人の人格のある人間である。かけがいのない存在である子どもたちを慈しみ、守り育てていくのが現代の大人である我々の責務である。

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