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Vol.12試合前の食事はどうしてますか?

みなさんは、試合前の食事はどのようなことを意識していますか?試合前日に揚げ物を食べないとか、バランスよく食べるとか、人それぞれ違ったこだわりがあると思います。サッカー選手にも、食事にこだわる人も多くいます。長友選手が、脂質を中心に摂取して、運動時に脂質代謝を主にする体、「ケトン体」を目指していたのは有名な話ですね。
ケトン体については、俊太郎が今度詳しく書いてくれると思います。また、脂質代謝については、Vol.3で少し書いているので、見てみてください。

今回は、ケトン体とは反対の、カーボ(グリコーゲン)ローディングを紹介します。ケトン体は、脂質中心の食事をしますが、カーボローディングは、名前の通り、炭水化物を中心にした食事です。ですが、ただ炭水化物を摂る訳ではありません。試合に向けて、炭水化物の量を調整していく食事法になります。詳しく見ていきましょう。

参考文献

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm1949/45/4/45_4_461/_pdf/-char/ja

○エネルギーの材料

人間は、主に、糖質(グルコース、グリコーゲン)と脂質をエネルギーに動いています。そして、運動強度によって、その消費量の比率が違います。中強度の運動、有酸素運動は、脂質と糖質が、大体1:1の割合でエネルギーに変えられていますが、筋トレ、高強度運動は、ほとんど糖質がエネルギーに変えられます。なので、糖質を取らないと、爆発的なパワー発揮はできない訳です。高強度のスポーツをする人にとって、糖質はとても大切なものであります。

○体内の糖質

まず糖質は、水に溶けやすい性質があり、脂肪のように大量に体内にストックしておくことができません。論文には、450〜500gほどしかストックできないと書いてありました。体内の糖質は、グリコーゲンとして、肝臓、そして、筋肉に蓄えられます。通常は、少ししか蓄えていませんが、グリコーゲンローディングによって、より多くのグリコーゲンが蓄えられるのではないかということです。グリコーゲンが少しでも多ければ、パワーに変わりやすいので、大きな力発揮が期待できます。

○グリコーゲンローディングのやり方

試合1週間前~4日前は、通常のエネルギー比率の食事を摂りましょう。目安としては、糖質50~60%, たんぱく質10~15%, 脂質25~30%です。このとき、疲労困憊するほどの強度の運動は行わないようにしましょう。
3日前~当日には高糖質食を摂りましょう。食事全体の糖質を70~80%の比率にします。
これは、ネットに載っていたものです。

しかし、論文では、食事法については、ネットと同じですが、少し違った結果が出ています。

試合5日前からの筋グリコーゲンの量を見たとき、試合の4.5日前に一度、疲労困憊になるまでトレーニングをします。そして、一度筋グリコーゲンをほぼ0にします。そのあと、高炭水化物の食事を摂ることで、より多くのグリコーゲンを筋肉に蓄えられることが分かりました。

さらに、試合7日前から見た場合、試合6日前に疲労困憊まで追い込み、その後、試合の4日前までタンパク質と脂肪の割合を多くした食事をし、試合3日前から、炭水化物中心の食事にすると、一番筋グリコーゲンが蓄えられたという結果が分かりました。

○グリコーゲンローディングのメリット・デメリット

メリットは、先にも述べたように、体内に多くのグリコーゲンを貯蓄することによって、より長い時間、パワー発揮ができることです。特にサッカー、ラグビー、バスケなど、有酸素かつパワー発揮が求められる競技において、有効かと思います。

デメリットは、グリコーゲンとして蓄える時に、水と一緒に蓄えられることとなる。そのため、体重が増加しやすいです。また、血中ミオグロビン濃度が増加して、腎臓の働きを妨げる恐れがあること、心臓病に似た心電図異常や胸痛、競技力にマイナスに働く代謝面での変化などの副作用も報告されているそうです。いきなり試合前にやってみるのは、危なそうです。個人差があるので、事前に、自分の体にあったやり方かを試しておく必要があります。

デメリットを克服するためには、炭水化物の量を調整すればいいと思います。70〜80%炭水化物にするのが正しいやり方ですが、普段より多めにとるくらいでも、効果はあると思います。実際に自分でも試合日に向けて、徐々に炭水化物量を増やしていっただけで、パフォーマンスが向上した感覚がありました。

○試合直前の食事

試合直前にも、グリコーゲンを摂るようにします。例えば、試合3時間前ならおにぎり、2時間前ならバナナや、オレンジジュース、1時間前は、ウイダーなど、糖質が高いものを、それぞれ消化時間を考えて、最後の追い込みとして、糖質をとります。ちなみに僕は、試合前にチョコレートを食べるようにしています。チョコは、糖質が高く、とても美味しいので必ず食べます。脂質も入っているので、食べすぎは注意です。その点、大福、あんぱんなどは、低脂質なので、優秀なおやつですね!

みなさんもぜひ、糖質の観点から、試合に向けて、コンディション調整をしてみてはいかがでしょうか??

#グリコーゲン #コンディション#運動生理学#糖質


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