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「本を囲んだ語り部屋」2024/3/24楠木建さん『「好き嫌い」と才能』

日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋」
3/24は楠木建さんの『「好き嫌い」と才能』を取り上げました!

本書はさまざまな分野で道を極めている19名の経営者やプロフェッショナルを相手に、その類まれなる才能をいかに開花させたのかを掘り起こす対談集です。「良し悪し」で評価されがちな仕事の世界に「好き嫌い」の軸を持ち込み、各分野のプロがプロたる理由をつまびらかにしていくアプローチは刺激的です。
flier要約では玉塚元一さん、篠田真貴子さん、杉本哲哉さん、木川眞さんを取り上げられており、それぞれの方の「好き」にまつわるストーリーをいきいきと感じることができました。

語り部屋では冒頭「良し悪し」と「好き嫌い」の違いから語り合いました。楠木さんは『すべては「好き嫌い」から始まる』という本でも「好き嫌い」について触れています。その中では好き嫌いとは「良し悪し」で割り切れないもののことと述べられていました。
本要約の中では篠田真貴子さんが社会的な「良し悪し」の「良し」を全部試しても自分の道が見つからず焦りを感じていたというお話、そして「好き嫌い」を軸にする中で天職にたどり着いたというお話があり、自分の「好き嫌い」とキャリアを振り返るいい機会となりました。

参加者の方からは為末さんの「どこに到達したかよりも、到達するまでのプロセスが楽しめる」ことが大切という言葉も紹介いただき、その流れでモデレータそれぞれの「どういう状況が好きか?」を共有しました。それぞれ共有していく中では、まずは好きを言葉にすることの大切さを感じました。一旦言葉にしてみたうえでその言葉が自分に馴染むかどうかを確認していくことが自分の好きを認識する上では大事なように思いました。

後半では語り部屋でもお馴染みの荒木 博行さんに上がってきていただき、自分の「好き嫌い」の解像度を上げていためのヒントをお話いただきました。
1つは好きなこと嫌いなことをまずは言葉にしていき、そしてその言葉に対して微妙な事例をぶつけて解像度を上げていくアプローチです。例えば「人前に立つことが嫌い」という嫌いがあったとして、それでも人前に出て楽しかった経験はなかったかという点を探っていきます。仮にあったとすれば「人前に出る」という言葉に対する解像度を高めていくことができるといいます。「好き嫌い」は抽象概念であるからこそ、解像度を上げていくための補助線が大事というお話は非常に印象的でした。

また嫌いの輪郭をつかむことというお話も興味深かったです。好きと同じくらい自分の嫌いに向き合って理解できているかどうか。肩書や役割があるからこそ、自分の嫌いを受け止められにくくなるという指摘にはドキッとしました。好きを大事にするのと同じくらい、嫌いを大事にしていくことは自分を理解する上では必要なことですね。楠木さんは自分の嫌いな人の本をひたすら読むというエピソードもきき、自分の好き嫌いにしっかりと向き合うことが自分を知り自分らしい人生を歩むためには非常に大切だと感じました。

今日もたくさんの語り合いを通じてたくさんの刺激がありました。「良し悪し」を手放して「好き嫌い」を軸にキャリアを歩んでいくことの自由さを感じる楽しい語り部屋でした。


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