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「本を囲んだ語り部屋」2024/6/30ジャスティン・ソネンバーグ、エリカ・ソネンバーグ 『腸科学』

日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋」
6/30はジャスティン・ソネンバーグ、エリカ・ソネンバーグ の『腸科学』を取り上げました!!

先進国では近年、喘息・アレルギー・自己免疫疾患の患者数が増加しているといい、著者はその原因として現代人のマイクロバイオータ(私たちのからだを取り巻く微生物の総称)に変化が起きていると指摘しています。地球上には多くの微生物が存在しており人間の身体にも多く存在しています。なかでも多くの微生物が集中して棲みついているのが消化器系であり、「第二の脳」とも呼ばれる腸に大きな影響を与えていると言います。

語り部屋ではマイクロバイオータというなかなか聞きなじみの少ない言葉について語り合いました。この本では腸内のマイクロバイオータは人間の食生活の変化にすばやく順応するといい、頻繁に口にする食物と相性のよい菌種は増加する一方で、そうではない菌種は最悪の場合絶滅してしまうことになると書かれていました。まさに生態系が自分の腸内には広がっており、その生態系に日々影響を与えているのは自分の行動であることを振り返りました。「今日食べたものが明日の自分をつくる」という言葉を聞いたことがあります。毎日自分の体内に取り入れているものが、その生態系にどんな影響を与えているかを考える良い機会となりました。

しかしこの忙しい毎日の中で、どんな食事がその生態系にとって良いものになるのかは難しいとも語り合いました。モデレータ仲間からは「自分の地域で採れたものは自分の身体によい」という言葉を紹介してもらい、この日本に住んでる自分にとって良い食事のあり方を考えることができました。日本に古くから伝わる発酵食品などはまさにこの地域で採れた食品なのだと思います。毎日の食事を「地域」というキーワードで考えるとどんなものが良いのかわかるような感覚になりました。その上では、自分の身体の声をしっかりと聴くことも大事ですね。うつぶせになって呼吸をすると背中やお腹の動きを感じることができるという話も紹介してもらいました。身体の声をしっかりと聴きながら、身体がどんなものを欲しているか理解していく姿勢が大事なように思いました。

またプラスにしていくこととマイナスにならないようにしていくことのバランスについても面白く語り合いました。食事についてもいろいろな情報を得る中で急に取りすぎてしまうということもありますね。しかし生態系ということを考えると、急激な変化は良いものであってもバランスを崩すきかっけになるように思いました。前回取り上げた自律神経も瞬間瞬間バランスを取り続けているという話がありましたが、常にバランスを考えながら身体と接していくことが大事なように思いました。

本書では腸に住む微生物が体調や気分に与える影響は想像以上に大きいと書かれていました。自分の身体の中に広がる生態系への理解を深めながら健やかに過ごしていきたいですね。


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