今年一年間、組織に入って人事っぽいお仕事をやってみた振り返り(おじさんに求められる仕事の役割の時代変化)
そろそろ一年が終わりますね。
みなさまおつかれさまです。
今年1年間のお仕事に関して、新しかったことは、
創業して8年の、キャリア相談のできるバー「とこなつ家」のオーナーを退任し、
代わりに、渋谷の平均年齢27歳のITベンチャー Branding Engineerさんに毎週通ってお仕事させて頂いたことです。創業7年目、社員数は150人越え、売り上げは28憶円。
事業は、HRテック系など5種の事業。
「ITエンジニアの育成学校」や「フリーランサーの独立支援業」
をやっているミドルベンチャーです。
その中で僕がなにをやっていたか?
というと完全にフリー。
会社業績(特に人材紹介部門の事業開発)を向上させるためにCHDOという名詞(チーフ人助けおじさん)
を頂き、「人を助けて回る」というミッションでした。
雇用形態は業務委託 時給で働く平社員(アルバイト社員?)です。
主に担当させて頂いた業務は2つです。
1 社員さん(メンバー社員~ミドルマネジメント層)がパフォーマンスを向上するための壁打ちのお相手
2 全社の経営課題(営業利益)を意識しながら自由に動かせて頂く能動的なリクルーター
社長からは、一切の細かい指示命令はナシ。
成果が出ているときも、出ていないときも
「やっさん、お願いします」
とだけ言って仕事を任せて頂きました。
最終的な僕の評価は、所属部門の年次の業績と
全社の業績に紐づく形になると思います。
信じて任せて頂いた社長さんの器の大きさ、胆力にはとてもとても感謝をしています。
2のリクルーター系の仕事は事業会社の採用。
まあ〜慣れているといえば慣れている10年選手のお仕事なので、事業のカギになる急所ポジションの採用だけを少しばかり担当させて頂いたのですが、
ご入社された方々のご入社後の壁打ちのお相手も兼務させて頂くので、
1 社員さん(平社員~ミドルマネジメント層)の壁打ちのお相手
が一番大きなウェートを占めました。
言ったら、営業系職種の若手〜中堅社員さんの育成担当 のお仕事ではあるのですが、
会社員時代の元々の職責、得意ジャンルである
事業開発系の攻め寄りのCHRO(管理系の労務の法律とか、守りのほうは僕はあまり知らない)
っぽい動きも同時に(自主的にw)必要に応じて少しづつ担当させて頂いた1年間と思います。
フリーランサー9年目、自分の中で大切にしていた進化は、
「プロレスラーを卒業する」
これは、僕が銀座で創業以来、毎月見守って頂いている人事の世界の大先輩の顧問さん(40代から50代の人事部長さんたち)にこのお仕事を受けさせていただく際に
相談させて頂き、頂いたアドバイスを自分なりに咀嚼した言葉です。
業務委託での直接のプレイングや、MGRを担当するパワープレイの事業開発の働き方(いわゆる責任者代行の仕事)は今まで幾度かやってきました。
「コンサル業」という名前がついていても、このスタイルは労働時間を増やせば比例して成果も出るので、無限にタスク量が増えていきます。
僕の性格や能力を良く知る顧問さん3人が口をそろえておっしゃった「僕がドツボにハマって失敗するパターン」のお言葉でしたので相当意識はして取り組みました。
ピンチのリングに乗り込んで、ラリアットをかまして暴れて火事場を収拾して逆転勝利する事業責任者。
体を張るプロレスラーの働き方です。
これは、12年も前、初めて部下を持たせて頂いた時から続けてきました。
体を張れば人はついてくるし、感謝されるし、自己効力感もある。
男気があってカッコいい気もするじゃないっすか。
だからついついやっちゃう。体に染みついている。
それが2018年までの僕の働き方。
2019年、BE社でのお仕事ではプロレスラーは封印。
プロレスの「セコンド」や「プロモーター」になる
即ち、事業責任者さんやMGRさん、営業リーダーさんたちのコーチのお仕事。
自分はでしゃばりすぎず、あくまで主役は現場の一人一人。
人に伴走して寄り添い、支援をさせて頂くスタイルに変えたということです。
これは
採用MGR代行業務(RPO)や営業MGR代行、マーケ代行
などに携わっているフリーランサーさんへのご参考になるお話かもしれません。
採用MGRや営業MGRの代行⇒人事MGRや営業MGR育成の代行
に仕事のレイヤーを変えてキャリアを移行していく挑戦です。
じゃないと、40代以降で食える気がしない
自分より優秀な年下の方々から歓迎されるビジネスパーソンとしての役割を担えない
という僕個人のキャリアの危機感でもあります。
社員さん(平社員~ミドルマネジメント層)の壁打ちのお相手
やってみてわかってきたこと(自然と変化していったこと)は
・マイクロマネジメントでスキルを教える⇒お茶しながら思考法を教える
に変化しました。
特に「決まった正解のない課題」
に対して取り組んでいる職種、職責の方々に対しては、
こっちのスタイルのほうがパフォーマンスが出るということです。
世界共通の構造的な変化 BYちきりんさんhttps://chikirin.hatenablog.com/entry/2019/12/25/%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AE%E5%A4%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8A%E7%9B%AE%E3%81%8C%E6%9D%A5%E3%81%A6%E3%81%BE%E3%81%99?fbclid=IwAR1X9miiRT1E2yddPjTWVZhRYW1t6bKFhrCqRJhZD5uhMnHTY7CbOmvvgiI
「言われたこと=指示されたことをやる」時代から
「何をやるべきか?」自分で考える必要がある時代
を読んで「まさに。。。」僕が感じたことを表現して頂いているので引用させて頂きます。
これは、組織をお預かりする管理職に求められる役割の変化でもあると思っていて、
・指示命令をする 時代から(旧来の管理職像)
・何をやるべきか? 自分で考える手助けをする(これからの管理職像)
に代わってきていますね。
部隊を率いてけん引するプロレスラー系の管理職代行業務って前者で、
部隊のメンバーの成長に伴走して寄り添わせて頂き、思考力の強化に貢献する育成業務って後者
が必要なののかも?
って直感的に感じ取って試行錯誤を繰り返しました。
人材紹介業の会社の会議って「どう成約をして数字を上げる?
になりがちなのですが、
メンバーさんたちへは、こういうそもそも論の
問いかけやトピックスの提示が増えていきました。
所属先の人材紹介事業部(Tech Stars)では、、、
「君はなぜこの会社で働くことを選んだんだっけ?」
「我々の事業が、社会に存在する意味、って何だっけ?」
「それって3Cで競合優位性を考えて言語化すると? 」
「じゃあ、マーケットの中でウチの事業がある意味のある事業コンセプトとランチェスター戦略を
お客様の立場からの視点で考えてみよっか?」
「それを実装するためにもっとも効果的な業務プロセスを設計してみよっか」
「それにかかるコストを試算してみよう」
「その仕事に取り組んだ結果、
君自身のキャリアにはどういうプラスの可能性が広がっていくかなぁ?」
良い会議、意味のある会議 をしています。
事業のコンセプト を、メンバー全員が一緒に自分で考える。ベンチャーの醍醐味です。
働くコンセプト、自分のキャリアビジョンを、
メンバー全員が各々自分で考える。
これからの時代のキャリアで一番大切なこと。
僕が新卒で育った頃のクラシックな営業会社のスタイル「数字の詰め会」「人格の否定」のようなパワーマネジメント的な圧力は全くありません。
※当時はそれが成果を出す最善の手法だっのだとは思う!
ただし、これからは「タスク処理能力を伸ばすトレーニング」はどんどん通用しなくなっていくし、聡明な平成生まれの部下たちから嫌われて、彼らのポテンシャルとモチベーションを引き出せていないおっさん世代たちは大抵ココで躓いているのであろう。
オフィス時代に即したタスク遂行能力のトレーニングではなく、
思考の時代に即した「自分で考える力」強化に力点を変える。
とても大きな学びでした。
全社横串で他部門の若手の営業系の中間管理職の方々や役員さんからは
・市場を先読みするマーケット感覚は一体どうやって磨いているのですか?
・情報源のチャネルは何を使っていますか?
・社数を取る、シェアを取る?
・売上を取る?利益率の向上?
こんなご質問を多く頂きました。
実践型のマーケティングと経営学の思考法。
実務スキルではなく、もっとファンダメンタルな「考え方」の部分です。
みんな優秀なので、正しいとおぼしき解には辿り着いています!が、おっさんに一度ぶつけて確認をしたいのかもしれません。
論点を整理して背中を押す仕事ですね。
人事さんからは、
・新卒採用 中途採用をする意味の定義
・社員の育成にあたって、管理職のレイヤーごとに受け持つ責任の範囲の切り分け
・役職ごとに担当する育成の切り分け、期待の設計
テクニカルスキル
ポータブルスキル
社会人としてのマインド
経営的な視座と事業が存在する社会的意義
25歳の人事さんからはこんなテーマの質問を頂くわけです。
視座が高く、むちゃくちゃ優秀でビビりました。
現役真っ盛りの新卒採用人事の彼とお話ができるのは本当に学びが多いです。
とまあ、
なかなか歯ごたえのあるトピックスが並びまして、、、人にまつわること、事業にまつわること全方位に人助け相談ミッションの範囲は広がります。
なかなかたいへんだった(笑)
たった5時間の出勤での会議といくつかの1on1だけで毎日疲れ果てます。
言うからには責任が伴いますからね。
ハズした時に、力技で責任を取るプロレスは自分で禁止にしたから実力行使のフォローもできない。言葉に対して全責任を負う。
これらのお話のご相談相手として価値があるおっさん
としてご期待を頂き、優秀な平成生まれの方々からのご相談のお相手に選んでいただけるようになってきたことが、2019年の進歩
なのかもしれないって思っています。
尚、僕を雇って頂いたクライアントさんへの「結果」に関する報告ですが、、、
指示命令型⇒何をすべきか考える手助け型
に転換すると、
「即効性」はなかなか出しにくいことも実感しました。
・担当する人材紹介部門の売上向上に関して
⇒未達成 ほぼ横ばい
・新規開拓して売上を出せた社数2社
・他部署で競合の大企業と事業提携1社
⇒若干のプロレス技で申し訳程度の埋め合わせw
コンサルタントとして、イマイチ。
プロ経営者型のコンサルタントとしてはアウトですね。
長いスパンで見て頂けないクライアントさんであれば、
僕はクビだと思います。
一方で、成果でたかも?という指標は、
・担当する部門の離職率に関して
⇒ゼロ!
になりました!ここはむちゃくちゃ嬉しい!
人材紹介業(キャリアアドバイス業)って、
売上の成果/顧客満足度 と 社員の勤務継続年数 に強めな相関関係があって比例する業種
なので、来年は必ず良くなり、再来年は飛躍する手ごたえを感じています。
各々が自分の役割を自分で考えて、楽しみながら全力で仕事に取り組んでいる強い組織に仕上がってきました。
本当に本当に楽しみです。
誰一人、メンバーを置いてきぼりにせず、全員が助け合い、持ち味を生かし、全員がHAPPYになる形で勝ちたいですね。
No one leaves behind (By メルギヴソン 映画ワンスアンドフォーエバー)
僕がこの仕事をお受けさせて頂いて決めていることです。
これは、「プロ経営者」として名前を売っている雇われ社長さんや、コンサルさんの結果で明らかになってきていますが、、、
短期的に強烈に業績を上げてもその後の会社組織が大幅に弱体化しているところを見るに、社員の長期的な育成と高いロイヤリティなしにその会社の明るい未来はない
をいう仮説からも来ています。
人を大切に、丁寧に丁寧に組織と事業をBuildしていかねば30年発展しつづけ、人にシアワセの機会を提供し続けるエクセレントカンパニーにはなりません。たぶん。
荒っぽいやり方ばかり15年間やって、たくさんの人を傷付け、自分も痛い目に遭いつづけ、ようやく学び、気付いてきた気がする。
前述のスキルや思考法のお話はさておき、、、
最後は、フィードバック
(今年一年間、すんごい考えてはいたのだけど)
「私をみんなの仲間に入れて頂いて、1年間が経ったけど、一番良かったことってなんだったかい??
って社員の方々に聞くと、、、口をそろえてご評価して頂けるのは、
「やっさんが来てから、職場の雰囲気がとっても明るく楽しくなりました!!ありがとうございます!!」
結局ソコなんかい!(大笑い)
確かに、僕はバーテンダー。明るく楽しい場を作って、人を元気にさせて頂くのが本業です。職歴通りのパフォーマンスですね(笑)
大したビジネススキルなんて、僕は持ち合わせてませんから! 銀座のバーで顧問さんや、素晴らしいビジネスパーソンさんとお話させて頂く中で、ようっくわかりました。
来年も大いに意識します。
僕は、エンターテイナーである。
20代の平成生まれさんたちにとって、
我々アラフォーの同僚のおじさんに期待する役割って、
結局ソコなのもしれない(明るく楽しい雰囲気の職場づくり)
なんてことを思いながら、
雇い主さんと、出会えた社員の方々全員への感謝を込めて、
明日の渋谷の今年最終出社に向かおうと思います。
指示命令をする 時代から(旧来のおじさん像)
何をやるべきか?自分で考える手助けをする時代(これからのおじさん像)
40歳周辺で未だに自分の仕事のウデに自信満々のプロレスラーをやって暴れていたら
近い将来に社会に居場所がなくなる危険信号。
かもしれません。
それって「オフィスワーク時代」から「思考の時代」への時代の変化に取り残されてる。
思考法を教えるプロレスのセコンド(コーチ) ならば、70歳になっても続けられる仕事なのかもしれない。
漫画「はじめの一歩」に例えると、
鷹村や一歩のような強いボクサーには僕はなれませんでした。
鴨川ジムのトレーナー鴨川会長を目指します。
チャンピオンになるのは大変。
そんなにストイックに毎月350時間働く生活はもうイヤだよ(笑)
優しく穏やかな気持ちで毎日仕事をして、
自分よりもはるかに強く、シアワセな次世代のチャンピオンたちをたくさん世に送り出したいです。
不惑の40歳まであと1年と1ヶ月。
たぶんそれが僕の生きていける道なのかなぁ。。
とか考えながら今年の人事のお仕事を納めさせて頂きます。
末筆にはなりますが、
株式会社 Branding Engineer社のご同僚のみなさま、お取引先の皆様、ご協力を頂いている皆様。
今年度も、1年間、大変お世話になりました。
少し早いですが、年末のご挨拶とさせて頂きます。
2020年、飛躍の年とするべく、ベストを尽くさせて頂きます。
来年は、もっともっと明るく楽しい一年にしましょう!
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