水野泰孝 Global Healthcare Clinic

東京慈恵会医科大学大学院修了。タイ王国マヒドン大学熱帯医学部留学、在ベトナム日本大使館…

水野泰孝 Global Healthcare Clinic

東京慈恵会医科大学大学院修了。タイ王国マヒドン大学熱帯医学部留学、在ベトナム日本大使館医務官、東京医科大学准教授、同大学病院感染制御部長・感染症科長を歴任。専門は熱帯医学、渡航医学、予防接種。日本感染症学会指導医、日本小児科学会指導医、米国熱帯医学会認定医(CTropMed®)。

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これからの新型コロナとの付き合い方ー罹患後症状(コロナ後遺症)の知見ー

 気候が良くなったこともあり、最近はすっかり発熱患者さんも減少し、時々来る発熱患者さんも検査を希望する方がめっきり減った印象です。実際に東京都の定点観測ではインフルエンザは0.35でほぼ収束、COVIDも1.48とかなり少なくなっています。(定点報告疾病 週報告分(保健所別) (tokyo.lg.jp)。ちなみに数か月前に大騒ぎしていた麻疹は想定通りまったく発生はありません・・(昨年に引き続き過熱する麻疹報道をどう解釈するか?|水野泰孝 Global Healthcare C

    • 医療施設へのGoogle口コミのあり方・見極め方・当事者からのプラットフォーマーへの苦言

       ようやく現状を理解していただけたのではないかと強く賛同した記事です。私も当事者の一人ですがクリニックおよび診療所を経営する医師の多くが同じような考えをお持ちなのではないでしょうか。  日経記事以外にも多くのメディアが取り挙げており、それぞれの記事のコメントにもご理解いただいている方が多く安堵したところです。 「グーグルが悪評を放置」医師ら60人が提訴へ…地図上の口コミ、「営業権の侵害」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース 医師ら約70人がGoogleを集団

      • 昨年に引き続き過熱する麻疹報道をどう解釈するか?

         COVIDが5類に移行した昨年5月に麻疹の散発例がみられたことから、大々的に報道されたのを覚えていますか? はしか感染、各地で相次ぐ 専門家「大人でも重い症状」 - 日本経済新聞 (nikkei.com)  この時もメディアの過剰反応から不安を抱いた方が少なくなかったかもしれません。私は正しい情報発信を心がけて2023年6月10日に以下の記事を投稿しました。改めて読み直してみましたが、やはり今年も同じことを考え記事にしようと思いました。 麻しん報道に思うことー歴史的背景から

        • 新型コロナ治療薬は今後使われるのか?

           今年度をもって新型コロナ(COVID)医療費の公費支援がすべて廃止されます。これまで多額の公費が使われてきたことや、感染症法上の5類移行への流れを鑑みるのであれば妥当な判断なのでしょう。その一方で100床未満の病院で特例として加算することが可能であった特定疾患療養管理料である147点(1,470円・3割負担で440円)も見直されることから、患者さん側としては診療費の負担が軽減され一般的な診療とほぼ同等の扱いになる訳です。  内服として処方される抗ウイルス薬はニルマトレルビ

        これからの新型コロナとの付き合い方ー罹患後症状(コロナ後遺症)の知見ー

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          新型コロナよりも知って欲しい高齢者へのワクチン

           「ワクチンは感染症予防のための最も簡単で確実なツールである」とワクチンに係わる医療者の間では理解されていると思いますが、新型コロナワクチンによる様々な副反応の影響からかワクチン接種への不安を抱く人たちが大いに増えたように感じます。私は小児科医として子どもたちの定期予防接種ならびに渡航医学を専門としていることからトラベラーズワクチンの接種および関連した研究を20年以上行ってきましたが、被接種者の方に対してはいつも「メリット・デメリットを天秤にかけた上でその差が大きければ大きい

          新型コロナよりも知って欲しい高齢者へのワクチン

          保険診療・診療報酬の仕組みを理解する

           診療報酬という言葉はご存じの方が多いと思いますが、その仕組みについてはよくわからないのではないでしょうか。私も勤務医の時にはあまり(というよりほとんど)気にしないで診療を行っていましたが、いざ事業をするとなるときわめて重要な案件になります。2年ごとの診療報酬改定時期になると関係省庁や医師会との間で議論がなされるところではありますが、具体的な保険診療の仕組みや人件費などの維持管理費などを含めて医療機関や診療科によって大きな差があることから一概に上げ下げのどちらが妥当かを決める

          保険診療・診療報酬の仕組みを理解する

          最近の感染症流行状況から「とりあえず」は控えていただきたい

           11月に入っても夏日を記録するなど、いつまでも気温が高い日が続いていましたが、週末あたりから気温が低くなり平年通りの季節感となるようです。冬になると懸念されるのが呼吸器感染症の増加であり、今年は特に季節性インフルエンザがすでに流行期に入っている状況ですので注意が必要です。これは煽りでもなく診療を行っていても高熱で受診する人の検査を行うと半数くらいがインフルエンザ陽性であることからです。一方でCOVIDの方はほとんどおらず、当院では先月トータルで2名、先日勤務した休日診療所で

          最近の感染症流行状況から「とりあえず」は控えていただきたい

          感染症は見つけにいかなければ正しい診断には至らないが先入観に惑わされてはいけない

           新型コロナウイルス感染症(COVID)が5月から感染症法上の5類移行となり、COVIDに関連する過剰報道もようやく落ち着き、日常的な診療に戻りつつあると実感していたところではありましたが、9月に入ってから季節外れのインフルエンザの発生が目立つようになり、再び報道が過熱しているように思う今日この頃です。投稿の継続について考えていたところ、この過剰報道に対して物申したいことが蓄積したことと、継続のご要望をいただいたこともあり、2か月ぶりの投稿となります。  真夏に国内でインフル

          感染症は見つけにいかなければ正しい診断には至らないが先入観に惑わされてはいけない

          新型コロナとともに過ごした4年間の夏を振り返る

           連日の猛暑が続く今日この頃ですが、夏休みに入り各地で4年ぶりの大規模イベントが開催されています。4年ぶり隅田川花火大会、夜空に大輪 - 日本経済新聞 (nikkei.com)  背景にはCOVID-19の5類移行に伴う社会的な制約が解除されたことが大きいのでしょう。昨年の同時期の記事を見直しましたが、外来診療はかなり忙しかったのを思い出しました。  COVIDはやはり室内で換気のしにくい暑い時期に拡散しやすくなるようで、猛暑日が続くようになってから診断する患者さんも増え

          新型コロナとともに過ごした4年間の夏を振り返る

          仮面舞踏会はもうやめませんか?

           前回の「いつまで数えるのでしょうか? | 記事編集 | note」でTwitterに投稿した(*日常的にTwitterはしないのですがCOMEMO記事は都度投稿しています)ところ、何人かの方からの反応があり、その中で「これは同意できる方向です。 水野氏にお願いしたいのは、そのようにお考えなのであれば、今後も折に触れてこの旨を情報発信して頂きたいのです」とご要望をいただきましたので、私の著書の主旨でもある「コロナ禍が生み出した社会のゆがみへの提言」の一つをしたいと思います。

          仮面舞踏会はもうやめませんか?

          いつまで数えるのでしょうか?

            感染症法5類になってもこういう記事が出てくるのですね。コメントせずにはいられなくなりました。増加しているのはわかりますが、今後も1年に2-3回の増加傾向を繰り返す度にいちいち数えていたら5年後には「第24波?」とでもいうのでしょうか?私的には特別視することがなくなったはずですので「流行の兆し」とでも言うべきではないかと考えるところです。   これまでもエアコンを使用する機会が増加して換気が難しくなる夏に向かう時期には増加傾向であった訳であり、現状はそれほど大きく変化はし

          いつまで数えるのでしょうか?

          麻しん報道に思うことー歴史的背景から紐解く冷静な判断ー

           先月報道された「はしか」関連の報道がまだくすぶっているようなので、過剰な不安を抱くことのないように流行状況やワクチンの歴史的な背景などを踏まえて概説したいと思います。  一般的には「はしか」と呼ばれることが多いですが、病名は「麻しん」です(「疹」が常用漢字ではないので平仮名を用いているようです)。麻しんの最初の流行地は紀元前3000年頃の中近東地域であったと考えられています。日本では平安時代以降文献に登場する疫病の一つである「あかもがさ(赤斑瘡・赤瘡)」が現代の「麻しん」

          麻しん報道に思うことー歴史的背景から紐解く冷静な判断ー

          新型コロナ・感染症法5類移行後の現況

           新型コロナウイルス感染症(COVID)が感染症法5類に移行してほぼ2週間以上が経過しました。前回の記事「新型コロナ・感染症法5類移行の前に思うこと|水野泰孝 Global Healthcare Clinic (nikkei.com)」では「5月8日以降、医療現場の変化があるのかどうか、流行状況の変化があるのかどうか、患者さんの意識変化がみられるのかどうか、来週以降でまとめてみる」とお伝えしていましたが実際には現場はどのようになっているのでしょうか?  まず5月19日に5類

          新型コロナ・感染症法5類移行後の現況

          新型コロナ・感染症法5類移行の前に思うこと

           新型コロナ(COVID-19)の感染症法の位置づけが5月8日から5類に移行されますが、このタイミングに合わせるかのようにWHOはCOVID-19に関する緊急事態宣言を解除することを表明しました。  2020年3月に宣言されて以来3年3か月もの期間が妥当であったかどうかは何とも言えませんが、多くの国々が規制緩和の動きがある中でも深刻な感染拡大やその原因となるべく変異株の出現が大きな問題となっていないことからの結論だったと考えますし、日本での5類移行がほぼ同時期となったのも

          新型コロナ・感染症法5類移行の前に思うこと

          何のためにマスクをしていますか?

           脱マスク記念日とも言うべき「3月13日」からほぼ1カ月が経過しましたが、当初の予測通りの記事が掲載されました。先月の記事でも明記したことですが今回も「マスクをし続けることに疑義を唱える」ということではなく、「マスクは要らない」ということでもなく、さらには「声掛けする」までのことでもなく、コロナ前と同じような位置づけに戻しませんかということが前提のオピニオンですのでご了承のうえお読みください。  繰り返しますがマスクをする主たる意義は「咳エチケット」です。自分が体調の悪いと

          何のためにマスクをしていますか?

          コロナ前の日常に戻りたくないのか??私は早く戻ってほしい

           3月13日からマスク着用は場所を問わず個人の自由となり(といってもこれまでに義務化されたことは一度もなく任意にしてくださいと指針がでただけですが)、4月からは学校での感染対策も大きく変わろうとしています。3月13日は多くの人たちがマスクを着用していたままであまり変化は感じませんでした(やはり「脱マスク記念日」だったが周囲はほとんど変わっていなかった|水野泰孝 Global Healthcare Clinic (nikkei.com))が、4月に入ってからはだいぶマスクを外し

          コロナ前の日常に戻りたくないのか??私は早く戻ってほしい