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感染者数が急増に転じたので、近未来予測をしてみた(21/4/4版)

3/12,19,27とほぼ1週間単位で近未来予測と評価を繰りかえしてきたので、今日もまたやってみます

この1週間(3/27→4/3)は予測通りに推移

1週間単位での陽性者数の変化R=1.4程度(1週間で陽性判明者数が1.4倍になる)が続いた場合、4/3頃は2,800人/日と予測していましたが、実際の人数は2,774人と、ほぼ想定通りの人数で推移しました。陽性者数に関してはさらなる悪化の兆候が見えていません。

3/21の首都圏における緊急事態宣言解除による悪い影響が4/1頃から見え始めると考えていたので、その兆候が今のところは現れておらず、ホッとしています。

首都圏では人流が目に見えて増えたそうですが、メリハリのきいた対策をきちんと取っている人が大半だったということでしょう。本当にありとうございます。

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とはいえ、このR=1.4という状況が続くとゴールデンウィーク開始前には日々の陽性判明者数が8,000人を超える状況であることは変わりません。今はまさに危機的状況です。

医療現場の切迫は第3波より早く訪れる可能性が出てきた

さらに、懸念すべき傾向が見えてきました。

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このグラフは、日々の陽性判明者数とその過去10〜12日分の合計の推移、そこに実際の入院療養者数を加えたものです。入院療養者数が概ね10〜12日分の陽性者数の和とほぼ一致することが見て取れます。

過去の第2,3波では、増加期には過去10日間の和のラインに近づき(入院調整などで時間が掛かることなどにより入院療養者数が後追いで増えていくためと思われる)、収束期は過去12日間の和のラインに近づく(軽症の方が優先的に退院していくので、収束期は重症化した人が残るためと思われる)という傾向がありました。

それが今回(第4波)の増加期は、増加期に入った現在においてすでに11日〜12日間の間を推移しています。つまり、第2,3波に比べ、入院期間が延びているのです

入院期間が延びる ⇒ 病床が空きにくい ⇒ 医療逼迫しやすい

第4波は、今までよりも医療逼迫が起こりやすい状況が見え始めています。そして、その原因の一つには、変異株に対する退院基準の厳格化があるようです。

変異株の感染性が増えているという判断で、厚労省から、現状よりも安全側(PCR検査で陰性確認2回)で対処するような指示が出ているため、通常株なら10日経過後に健康状況を医師がOKと判断したら退院できたものが、医師の判断に関係なくPCR検査陰性になるまで退院できないのです。これは、実は第1波の頃の退院基準になります。そして、その第1波の時、入院療養者数がどのように推移したかというと……

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左側の一つ目の波が第1波です。10〜12日分の陽性者数の和に対して倍程度まで、入院療養者数が増えてしまいました。

現在、特に関西を中心に変異株への移行が進んでいるため、このままでは第4波で第1波の二の舞を舞ってしまう可能性があります。

もちろん、感染性が無くなっていることを確認することは大前提ですが、退院基準を一律PCR検査に委ねる、という厚労省の指示は、医療現場に「人災」をもたらす可能性があり、早急に改善が必要ではないかと感じます。

第3波の教訓を活かすため、拡大初期に決断することが大切

改めて、日々の陽性者数の推移と緊急事態宣言などの発出時期をみてみましょう。

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緊急事態宣言が発出された1月頭は既にピークに達して、その後すぐに収束期に入っています。

感染減少は対策を実施してから10日〜2週間後に出てくることを考えると、実際に陽性者数を減らす動きは、緊急事態宣言を発出する2週間前(12/24前後)には始まっていた訳です。つまり、第3波における緊急事態宣言の発出が明らかに「遅きに失して」いました

この苦い経験を第4波に活かすことが大切です。

さらに、新たに運用される「まん延防止等重点措置」は「緊急事態宣言」とは異なり、ステージⅢがステージⅣにならない様に取り組む措置、と位置づけられています。ということは、更に早めの段階、つまり【感染拡大の初期兆候】が見えた段階で適用して行くことが想定されているはずです。

加えて、「まん延防止等重点措置」は緊急事態宣言のように都道府県単位ではなく、もう少し狭い範囲で適用できるように改善されています。例えば三重県の場合、愛知県や大阪府に通勤通学している人が多い北勢・伊賀名張地区と、中南勢、東紀州地域を分けて適用する事が可能になります。こういったきめ細かい対処をするためにも、都道府県単位での迅速な判断や対策実施が可能な体制を国は後押ししてほしいですね。

第4波を最後の大波にするために

さて、毎回恒例の近未来予想ですが、4/5から大阪府、兵庫県、宮城県に適用されるまん延防止等重点措置の効果が見えるのは4/16以降と思われるので、あと2週間程度は少なくともR=1.4程度での感染拡大は続くと考えて対処すべきと思われます。つまり、4/10頃は3,800人超/日、4/17頃は5,000人超/日という状況を想定して生活の予定を立てておく必要があります。

加えて、今回の感染拡大は関西圏や東北、沖縄など首都圏以外の延焼が拡大しているので、多くの地方では第3波以上の入院療養者に対処する必要がでてくる、という前提での体制つくりが求められると思います。

ただ、ワクチン接種が進めば、特に重症化しやすい高齢者やクラスターが発生しやすい医療機関における感染拡大はかなり押さえ込めるはずです。日本でのワクチン接種は遅れていると言われていますが、夏までには医療従事者と高齢者のワクチン接種は終わるはず。夏まで辛抱すればかなり状況が変わって来ると思えます。

感染の爆発的な拡大をこの第4波で最後にすることは可能です。そのためには、できるだけ多くの方がワクチンを接種することです。そして、「間合い」の確保お互いのマスク着用、都度の手洗い。そして、部屋の換気を愚直に続けること。

他にないのか? という苛立ちもありますが、この3つが確実にウイルスの感染拡大を抑止する効果を持っています。

夏まで、みんなで頑張りましょう。

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