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非常事態宣言に答えてみんなで頑張れば結構未来変わることを予測してみた件(とはいえ、これから2週間は、かなり覚悟が必要です)(4/11一部追記)

三重県でもウイルスが身近に近づいてきました

4/1のnoteに「あと10日~2週間ほどで日本のどこに居ても身近に感染者がいる、という環境になる」と書きました。

いやはや、甘かったですね…
10日経たないうちの今日4/9、私の住む伊勢市の生活圏内、明和町で2名の感染者が見つかり、一気に自分たちの身近なところにやってきました。

感染者の推移はこのnoteで書いた「4/10〜20頃に10,000人」という予測を裏付けるペースで感染拡大が進行しているようです。

非常事態宣言の柱は「人と人の接触機会の80%削減!!」

ダイヤモンド・プリンセス号での感染者を除いて、4/9の段階で日本国内での感染者数は5,000人を超えました。報道では毎日過去最高の感染者数を更新しつづけ、自分たちの生活圏の中から感染者が出てくるようになりました。こうした一人ひとりの危機感の高まりを受けて遂に4/8から非常事態が宣言され、7都府県では平常時に比べ人と人の接触を80%削減する、という大目標を立てて国民に協力を呼びかけています。しかも、80%削減といわれても具体的にどのくらい達成できているのか分かりにくいため、個人情報を含まないスマートフォンの情報などから東京の人の流れがどれだけ減ったかの『見える化』するサイトまで立ち上がりました。

このサイトの情報を参考にしつつ、一人ひとりがもうこれ以上はどうにも無理!となるまで人との接触機会を減らすことが求められています。

非常事態宣言の効果が現れるのは2週間後

80%の人-人接触機会の削減という高い目標を、強制的な外出制限ではなく国民一人ひとりや事業者、行政などの協調による行動削減と自粛により達成しようというチャレンジングな日本の取り組みですが、この効果が目に見え始めるには約2週間(14日間)の時間が必要です。

<14日の内訳・なぜ対策の効果が目に見えるのに14日程度必要か?>
0日目 感染
 ↓
5日目 発症(潜伏期間おおむね5日程度)
 ↓
6ー9日目 自宅で健康観察(軽症の場合は4日経過を確認)
 ↓
10日目 受診・PCR検査
 ↓
12〜13日目 PCR検査結果判明
 ↓
13〜14日目 感染公表(←この段階でやっと「感染者数」に数えられる

ということは、4/8の非常事態宣言を受けて始める様々な対策の効果が公表される感染者数の数字に表れるのは4/22頃からとなります。これを逆にいうと、4/22までに起こることはすでに昨日までのわたし達の行動で定められた、変えられない近未来、と言えます。では、4/22までに日本がどういう状況に突入するか、今ある情報から予測してみましょう。

4/22頃、感染者数は今の4倍(20,000人)に達する可能性が高い

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私のnoteに毎度登場する片対数グラフを最新版(4/7まで)に更新したものです。

3/26以降、感染者数は傾きをほぼ変えず直線的に伸びていることが見て取れます。いわゆるオーバーシュート(感染者数の傾きが急激に上昇する状態)にはなっていませんが、収束に向けた気配はなく指数関数的、具体的には『7日間で2倍というペース(R0=2.0)』で増えている(3/30:1,953人→4/6:3,906人)ことが分かります。

もし同じペースで感染が広がっていたと仮定するならば、今から2週間後の感染者は 5,000人 × 2倍 × 2倍 = 20,000人に到達すると予測されます。

予測を下振れしてくれるかも?と期待できる取り組み

この状況にブレーキを掛けてくれるかもしれない取り組みが一つ、今から2週間前の3/25に東京で始まっていました。東京都民に向けた『休日と夜間の外出自粛要請』です。この要請が成果を出しているなら、4/8以降の東京都の感染者数の伸びが抑制され、日本国内における感染ペースを若干遅くできるはずです。少しでも傾きが緩やかになる事を、明日以降発表される数値で期待したいです。

悲観的な近未来を覚悟して心の準備をしておこう

ただ、東京の取り組みには期待していますが、あくまで東京都内のみ、休日・夜間のみという限定的な呼びかけであったので、大きな効果は見込みにくいでしょう。ここは悲観的視点で未来を予測しておく方がよさそうです。つまり感染者の増加は現状のまま推移すると考えると…

4/22頃の日本では『感染者数が20,000人を突破』し、日々報道される『新規感染者数が3,000人/日を超える』

という状況が訪れるということです。ここまではほぼ変えられない近未来です。
4/8から始まった緊急事態宣言を反映した取り組みは4/22以降の未来を変えるためのものです。わたし達はこれから、4/22以降の日本から不幸を減らすために頑張るのです。

頑張ればどのくらい成果が出せるか?を試算してみた

では、頑張ったら具体的にどのくらい成果を出せるでしょうか? その試算もこの片対数グラフから想定できます。4/22以降の未来について、緊急事態宣言の期限である5/6に日本がどうなっているのか? 2つのパターンを想定してみましょう。

(1)最悪の近未来:対策が何一つ効果を発揮せず、R0=2.0のまま推移した場合

この場合、4/22以降の2週間も再生算数(R0)が2.0、つまり、1週間で感染者数が2倍になり続けますので…

4/22 20,000人 →2倍→ 4/29 40,000人 →2倍→ 5/6 80,000人

ゴールデンウィークの終わり頃には80,000人以上もの感染者が日本中に溢れることとなります。これは『1,579人にひとり』感染者がいるという状況です。仮に医療崩壊が起こらなかったとしても1,424人の方が命を奪われる未来が待っています。(4/7現在の致命率(約1.78%)を適用した場合の想定)

ちなみに、このままのペースが続くと翌週5/13には16万人、5/20には32万人と倍々に増え続け、5月末には100万人、6月末には2,000万人近くになり得る、というとんでもない感染者数になります。
この人数になれば、話題の「集団免疫」も効き始めるはずなのでペースは落ちるでしょうから、実際にはここまでの状況にはならないでしょう。しかし、その過程で新型コロナウイルスによる直接死だけでなく、適切な医療を受けることができずに命を奪われる、いわば「関連死」が膨大な数になる事は想像に難くありません。

この恐ろしい未来は、今から効果的な取り組みが何一つ打てなければ起こりえる最悪の事態です。もちろんこんな未来にしないために、わたし達は可能な取り組みをすべて行っていく必要があるんです。

(2)最良の近未来:対策が功を奏して再生算数(R0)が1.0未満になった場合

ではもう一方の未来、つまり、様々な取り組みの結果、再生算数(R0)が0.9になった理想の未来を予想してみましょう。
4/22までは感染者は増え続けるので、その時点では20,000人に到達します。しかし、多くの国民が接触を減らすことでウイルス伝播のリンクが途絶え、この日以降、感染者の増加率に急ブレーキが掛かります。

4/15〜22の1週間では1万人以上増えた新規感染者数が4/22〜29の1週間では2,300人弱に減少します。その後も、毎週の感染者増が2,042人→1,837人→1,654人→・・・と減っていくことになります。

累計の感染者数は増え続けますが、
4/22 20,000人 → 4/29 22,269人 → 5/6 24,311人
と、拡大スピードが急減速します。
5月末でも約30,000人にとどまり、6月末でも34,600人程度。その頃には毎日の新規感染者数は100人/日程度まで減っているはずです。

頑張れば1ヶ月後の感染者数を5万6千人以上減らせる!

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仮定に仮定を重ねたものすごく大雑把な推論ではあるのですが、【まったく無策で手を打たなかった最悪の想定】と【様々な拡大抑止策の効果が100%発揮された場合】を比べると、1ヶ月先の感染者数に5万6千人以上の差がつく可能性があることが見えてきました。

「頑張ったところで感染の拡大をほんの少し先延ばしにできるだけだろ?」
そう思っているそこのあなた!!
そんな事はありません!
頑張れば1ヶ月先はまったくちがう世界が広がっています!!

(4/11追記)どのくらい違うか?実数グラフで実感してみよう

数字だけでみるとイマイチ伝わりにくいかな? と感じたので、片対数グラフを実数のグラフに戻してみました

グラフ

3月末までの一喜一憂が実は「単なる前哨戦」であったことがわかります。

青い道(R0=2.0)を進んで破滅的な未来に向かうのか、緑の点線の道に乗り換えてウイルス拡大にブレーキをかけることができるのか?
行政の政策・企業の対策・個人の努力、日本の総力が問われています。

人との物理的な接点は減らそう! 心の絆は深めよう!

もちろん、5/6でゴールテープを切れて新型コロナとの戦いが終わる訳ではありませんウイルスとの戦いはいわば退却戦のようなものです。相手が追撃をやめるその日まで、かなり長い期間、マラソンの様に戦いをつづけなければならないでしょう。

でも、ひたすら負け続けて何万人、何十万人もの感染者があふれた中を逃げ回るのと、一矢報いつつ支え合って退却しつづけるのでは、わたし達の気持ちが大きく変わってきます。

ウイルスとの戦いに勝利するため、ウイルスの弱点をしっかり理解しましょう。

新型コロナウイルスの感染を広げないもっとも有効な方法は「人と人が接触しない(2m以内に近づかない)」ことです。ウイルスは自身の足を持っていません。咳やくしゃみで体外に放出してもらい、手指に付着して運んでもらい、目や口に手を付けてもらって初めて他の人の体内に入り込むことができます。

運び屋は「わたしたち自身」です。

であれば、わたし達がお互いに距離を取れば、ウイルスは行き場を失って死滅していきます。新型コロナウイルスは押さえ込むことが可能なんです。

緊急事態宣言は、この人同士の距離を確保するために様々な呼びかけを行っています。呼びかけの意味をしっかり理解し、自分の生活に最大限あてはめていきましょう。

人同士の距離は、特に都会では、一人で保つことはできません。お互いに気遣い合って始めてお互いの距離が広がっていきます。

例えば、スーパーのレジに並ぶときアイコンタクトでお互いの距離を広く取りませんか?(目標はお互いに手の届かない距離)

例えば、対面の必要な受付などの窓口には、飛沫を遮る透明の板やシートを張って物理的距離を稼ぎませんか?

みんなが心を寄せ、知恵を出し合って物理的な接点を減らしていきましょう!!

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