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自分たちの生活圏のリスクをきちんと評価しよう

4/8から5/6の間、日本でも東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、そして大阪府、兵庫県、福岡県に緊急事態宣言が発令されました。それだけこれらの都府県では感染拡大の加速が警戒され、医療機関の切迫度が上がっている、ということでしょう。これらの地域にお住まいの方は、ぜひ可能ながぎり外出を控えて人との物理的な接点を減らすことで、ウイルスの伝播を食い止める作戦に参加して頂けるよう、どうかよろしくお願いします!

緊急事態宣言で指定された以外の道府県はどうなっている?

さて、今回指定された1都1府5県以外でも愛知県が独自に緊急事態を宣言しようとしているなど、都道府県単位での対応が焦点になってきています。

そこで、具体的に各都道府県でどの程度感染が広がっているのかを知るために、厚労省が発表している各都道府県単位の感染者数を人口比でプロットしてみました。

都道府県別

緊急事態宣言で指定された府県より人口比で感染者数が多い県

人口比でみると、福井県、石川県、京都府、高知県など、全国ニュースでは見落としがちな府県で感染が広がっていることがわかります。ではなぜ今回これらの県では緊急事態宣言が発令されなかったのでしょうか?

一つには、人口そのものが多くない県のため、感染者数そのものはまだ多くないことが挙げられます。(福井県 感染者数57名、石川県51名、京都府139名、高知県36名 4/7時点(以下同様))

また、孤発例(感染の繋がりが追えない感染者)が多くないため、全体での外出自粛をせずともクラスター対策での封じ込めに期待が持てると判断されていると思われます。
以下の厚労省サイトに「リンクが不明な患者数(都道府県別・各週)」というPDF資料があり、3月末時点のデータですが孤発例の各都道府県状況がわかる様になっています。(早く最新版に更新されないかしら…)

とはいえ、人口比での感染者数はそのまま医療機関の切迫度と相関すると考えられますので、総数がまだ少なくリンクが追えているとはいえ、福井県、石川県、京都府、高知県にお住まいの方は強い危機感を持って可能な限り外出を控え、感染拡大を留めることが大切になりそうです。

感染者増加の加速が始まっている可能性のある県

次に気になるのが山梨県(19名)、沖縄県(27名)、山形県(19名)、そして愛媛県(23名)です。これらの県もまだ総数としては少ないですが、ここ数日の増え方が他県と比べ勢いがついているように見えます。

愛知県(258名)や北海道(198名)より感染者数が少ない福岡県(136名)が緊急事態宣言の対象県になったのは感染者数そのものも大切ですが、感染者数増加の割合や孤発例の割合が高いことが理由とされています。その考え方を適用すると、これらの県もこのまま増え続けると近いうちに危険な領域に突入するかもしれません。

東海地方、そして三重県の状況は

愛知県(258名)、岐阜県(51名)も、クラスターは追えている事例がまだ多いですが一定のペースで増え続けており、強い警戒が必要です。

私の住む三重県(13名)は愛知県、岐阜県と生活圏が重なる桑名市や四日市市など北勢地方は隣県と同じ危機意識を持って対処した方が良いと感じられます。
また、関西圏と交流人口が多い伊賀・名張地方も通勤・通学者によるウイルスの伝播に細心の注意が必要と思われます。

しかし、三重県内では県内で感染した可能性がある孤発例は今のところありません。つまり、県内で補足されていないクラスターが生じている可能性は"2週間前の時点では”高くないということです。
(正確には四日市の感染者の方がどこで感染したのかの情報が公開されていないので確定はできませんが、濃厚接触者への拡大はなかったので、リスクはそれ程高まっていないと思えます)

よって、北勢地方、伊賀・名張地方の方については可能な限り愛知県や岐阜県、大阪府などへの外出を自粛して頂くか、可能な限り感染防護の対応を取っていただくとして、他の地域については、一般的な備えをしつつ、事業や学校を継続をするのは可能と感じます。

そして、今の間に医療機関の受入能力を高め、軽症者を受け入れる施設を準備しておくことが大切ではないでしょうか。

日本式「クラスター対策」+「協調的外出自粛」Combo作戦の成否は…

世界の様々な国が行っているような、『一斉』『強制的』外出規制ではなく、【経済を回しながらのクラスター対策】+【孤発例増えた地域での外出自粛】という『適地適所』『協調的』対策によってウイルスと戦う『日本式』の戦い方を選んだ日本の成否は、個人、地域、事業者、医療従事者、市町村自治体、都道府県自治体、国、専門家など、それぞれの協調がいかにできるかにかかっています。

協調的な取り組みで成果をあげるためには、一方的に指示する、従う、という形ではなく
「それぞれが全力を出していること」
「それを相互に信じ合えること」
という相互信頼が鍵になります。私は地域の隣人や企業、地元市行政、県行政、医療機関の人達を信頼して、市民としてできる最大限の取り組みをしたいと思っています。

(4/9 16:30追記)三重県明和町で2例の感染者が…

このnoteを公開した裏で、生活圏内での感染者発覚の報道が流れていました…

まずはご本人たちの快復を心からお祈りします。
そして、濃厚接触者の確認などにつながる情報提供へのご協力をお願いします!

入院する医療機関のみなさん、2次感染のリスクの中の治療、大変と思いますがよろしくお願いします! 頼りにしてます!!

三重県内の保健所やクラスター対策に関わる関係者のみなさん、この事例からの拡散防止のためのご尽力、ぜひよろしくお願いします!!

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