感染者数が微増に転じたので、近未来予測をしてみた(21/3/19版)

ちょうど1週間前の3/12にこのタイトルでnoteを書いたのですが、1週間経ったのでその答え合わせをしてみました。

予想は……悪い方向にハズレ

先に結論から言うと、「予測は【悪い方向で】外れました」
2月末頃から微増傾向（R：一週間での変化率＝1.05程度）になった7日間平均の陽性判明者数について、私は3/21の緊急事態宣言解除後から更に増加するかも? と予測していました。
ところが、実際はその予想をした3/12の前、具体的には3/8,9頃から既にR=1.1程度に増加速度が増していたことが分かりました。

(2/1以降の部分を拡大したのが↓）

3/8,9の数値はその10日～2週間ほど前の状態、つまり2月22～26日頃の社会の状況を反映しています。つまり、2/22に記録した「感染者数739人」が、大きく安堵感を拡げた結果に見えます。さらに、2月後半からは年度の転勤や卒業などに伴う別れの季節。「今回だけは」という気持ちが出るのも分かるなぁ、という季節の傾向が出ているとみて良いのかな？ と感じます。

たったR=0.05の差ですが、この差が何を生むか？ というと1，2か月先には日々の新規陽性者数に大きな差を生んでしまいます。

5/31まで想定線を延ばしてみると、R=1.05だったら1,883人/日なのが、R=1.0だと3,248人/日に増加しています。たったR=0.05の差が、これほど大きな違いを生んでしまうことが分かると思います。

このまま進めばどうなるか？

先日、現在の1都3県における緊急事態宣言は1/21に解除されることが正式決定されました。
ひとの接触機会が増える方向への変化ですので、Rは増加する方向に変わると考えるのが妥当です。（しかも、同じ日に陽性者数が急増している宮城県は県独自の緊急事態宣言を発出するほどにリスクが増している）

3/21の宣言解除の影響が見える化するのもまた10日～2週間後になります。国民一人ひとりの努力により、仮に4/1からR＝1.1→1.2と、R=0.1だけの増加に留まる場合を予想してみました。

4/1までR=1.1が続くと、陽性者の7日間平均は1,448人前後になると見込まれます。その地点からR=1.2の想定線を延ばしてみると……
なんと、5/31には6,910人/日と、第３波における７日間平均の最大値を上まわってしまうことが分かりました。

頼みの綱はワクチンだけ？

3/21の緊急事態宣言解除にあたり、政府は５つの柱を掲げています。

１．飲食店の対策継続
２．変異ウイルス抽出検査の拡大
３．PCRによるスクリーニング検査
４．ワクチン接種の推進
５．医療提供体制の充実

ただ、これらの柱はいずれも、現状のRを直接的に下げる効果はないものが大半です。
（１．飲食店の対策は緊急事態宣言解除でむしろ緩和方向　２．変異ウイルスの割合が分かってもRは下がらない　３．無症状者を見つけるといっても、全国民ではなく極々一部での抽出調査なので感染の傾向を知る効果しか望めない　5．医療キャパが増せば感染者が多くても破綻しにくくなるが、感染そのものを減らす効果はない）

唯一、Rを下げる効果が見込めるのは「4．ワクチン接種の推進」のみ。ただこれも、高齢者への接種がやっと4月半ばから開始する、というスケジュールのため、かなり楽観的な予測であるR=1.2でも起こってしまう第4波には到底間にあわない対策です。

年度末年度始めの飲食を伴う歓送迎会は是非とも中止し、おひとり飯または家族のみで

国の対策では5月後半に想定される第4波を無くせる見込は無さそうです。となれば、やはり私たち一人ひとりが協力して波を起こさない、波の高さを低く保つなど、国民一人ひとりの連携による取り組みが第4波を幻に終わらせる希望の灯火になります。

具体的には、飲食の場が感染拡大のトリガーになっているのは確かなので、このリスクをいかに下げるか？　に掛かっています。一方で、飲食業に従事しているひと達の生活も守らなければなりません。私としては、以下を提案します。

1．年度末・年度始めの歓送迎会は飲食を伴わない形で実施する
2．食事は、おひとり飯、または、同居者(家族)に限定する
3．デリバリー、お持ち帰りメニューを更に推進する

これらを多くの国民で実施できれば、Rの上昇を確実に抑えることができるはずです。

実はコレ、今まで言われていることと変わらないんですよね……
でも、改めてこのポイントをみんなで頑張れば、きっと活路(ワクチン接種の広がり)が見えてくると感じます。

頑張りましょう！