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社内勉強会コミュニティを始めてそろそろ3年経つのでいろいろまとめてみる

私はTDCソフトという会社で全社員だれでも参加できるオンライン勉強会コミュニティ「tech campus オープン勉強会」を運営しています。そのコミュニティの運営を始めてからそろそろ3年経つので、ここいらでいろいろ振り返ってみたいと思います。
この記事をお読みの方が、勉強会を運営される際の参考になれば幸いです。

なお、この記事の画像はTDCソフトの社内ポータルサイトで使っているサムネイル画像と同じもので、一部画像生成AIを使っています。

全社的な勉強会コミュニティの始まり

TDCソフトはソフトウェア開発系の企業ですので、技術研鑽はマストであり、その手段の一つとして勉強会が昔から開催されていました。
ただ、勉強会の開催は不定期であり、どこでどんな勉強会が開催されているのかよく分からないという状況で、部署をまたぐととたんに勉強会の情報が手に入らないという状況であり、個人的には結構もったいないなぁという思いがありました。
2021年頃にはコロナ禍真っ只中であり、ますます会社のどこで何が行われているのか分からない状況になりそうだったので、社内で使われていたグループウェアである Microsoft Teams を使い、全社員が勉強会という緩い枠組みで集まれる仮想的な場を作ってしまおうというのが始まりです。
一応企画書のようなものは作ったと思いますが、運用の際の実費はさほどかからず、特に懸念することがある類のものではないため、企画はすんなりと通っています。

勉強会コミュニティへの参加はいつでもOK

tech campus オープン勉強会のポータルサイトを社内に公開していまして、そこに貼られているコミュニティ参加のリンクを押せばいつでも参加することができます。なお、このリンクはMicrosoft Teams のチームに参加するためのショートカットになっています。
また、参加した当日からすぐに勉強会をオンラインで開催することができ、開催時刻や開催ジャンルも完全に自由です。
ただし参加者がたくさん集まるかどうかは、開催者本人の宣伝と開催テーマの魅力にかかっています。一応、参加者が少なそうだなと思ったら運営がチーム内メンションで宣伝するようにしています。

全社に広げると長続きするかも?

私はTDCソフトのとある部門に所属しているわけですが、部門内に閉じるのではなくいきなり全社に開放しました。これは、変に縮こまって尻すぼみになるよりは、全社員に開放して開催者と参加者をなるべく増やしたほうが長続きしそうだよね、くらいの理由です。
現にそろそろ3年になるくらいには続いていますし、コミュニティの運営が特に何も言わずとも勉強会を開催してくれるという状況になっています。ちなみに現在の社員数は約2,000人とのことで、この人たち全員が勉強会を開催してくれる可能性のある人たちになります。

開催も参加も強制しないポリシー

なお、いきなり全社員にメールを送って強制的に参加させるやりかたではなく、全社員が参加できる状態にしておいて、あとは勉強会に興味のある社員が他の社員におすすめしていってもらう形式で広げています。なので、実際にコミュニティに登録してもらっている社員は約700人になっています。
ただ、全社に広げると問題点もありまして、オンラインといえども全社員が見るかもしれない場で勉強会を開くのはどうにも気後れするという社員がある程度います。これはごもっともな感情だと思いますので、コミュニティ運営からは参加も開催も軽いお願いはするが強制はしないというポリシーで運用しています。

ジャンルは自由でハイブリッド開催もたまに

tech campus オープン勉強会では、会社のビジネスの役に立てばジャンルはなんでもオーケーというルールで回しています。結果的には技術的な勉強会がほとんどを占めるのですが、中には管理本部の方が業務に関するマニアックな勉強会を開催してくれたケースもあります。
個人的には飲み会会場の幹事の上手いやり方とか、いいお店の選び方とかそういう勉強会が全然あってもいいと思うんですが、残念ながらそういった勉強会は今のところ開催されていないので今後に期待です。

なお、最初は勉強会の管理を楽にするためにジャンルごとに会場(≒Teamsのチャネル)を切ったほうがいいかも、と提案したのですが最終的には一つにまとめています。会場は一つにして正解だったと思っていまして、管理が困るほど勉強会が溢れかえることは無かったということと、下手にジャンルで区切るとむしろジャンル外の開催が行われなかったのではないかと思っています。

ハイブリッド開催

最近はハイブリッド開催がたまに開催されています。基本的にはオンライン開催なのですが、ハンズオンタイプの開催の場合は会議室等を借りてハイブリッド開催も行われています。
なお、TDCソフトは2023年10月にオフィスを移転しまして、ハイブリッド開催の環境が充実しました。

ほとんどの勉強会は録画視聴可能

基本的にMicrosoft Teamsのオンライン会議で勉強会を開催しており、勉強会の様子はTeamsの録画機能で動画に残しています。そのため、いつでも誰でも勉強会を見直すことができるようになっています。
また、後で動画を(主に私が)探しやすいようにサムネイル画像を付けるようにしています。最近はこの記事のトップの画像のように画像生成AIを駆使しつつサムネイルを作っていたりします。

開催実績

開催回数:200回以上
累計参加人数:2,000人以上(平均10人以上参加した想定)

開催された勉強会のジャンルの例

  • クリーンアーキテクチャ

  • CX/UXデザイン

  • 画像生成AI

  • Webテクノロジ

  • スクラム開発

  • クラウドネイティブ

一旦Noteでお見せできそうな実績はこんなところです。
個人的には結構いいペースで開催できているんじゃないかと思っていますが、いくつかの課題感も持っていたりします。

現状の課題

開催側が特定の部署に偏っている

勉強会の開催というのはどうしても体力を使いますし、本人にとってメリットを見いだせないと、なかなか自発的にやろうとは思えない取り組みかと思います。

現に、勉強会を開催している人は私が所属している部署に偏っています。偏っている理由は、元々この部署が自己研鑽の成果を記事や勉強会などの形でアウトプットを行うことを運営方針として掲げていることが大きいように思います。

普段からオープンな場で勉強会を担当しているならまだしも、いきなり全社員が参加者候補になりうる場で勉強会を開催するための勇気は相当なものだと思います。
実際、部門内に閉じた勉強会というのはまだまだ行われています。

現状、この課題についてはまだまだ長く続けるしかないかなと思っています。
もちろん半強制的に勉強会を開催してもらうこともできると思いますが、強制感を持たせた瞬間にオープンで自由な空間というアイデンティティが崩れる気がするので、それをやろうとは思っていません。

勉強会の録画が検索に弱い

ため込んだ録画はいわゆるナレッジベースになっていくわけですが、現状は検索性がちょっと弱いです。
例えば過去に画像生成の勉強会を開催しましたが、例えば「画像生成 著作権」と検索して、動画の何分何秒の地点まで一発で引き当てる、といったことが現状はできていません。
また動画の要約もできていないため、過去の動画を見る場合は長々とした録画を延々と観ないといけないため結構非効率的な状態です。
こういった部分をRAGを用いてうまく解決したいのですが、まだできていないという状態です。

さいごに

勉強会運営は苦労話が多いという印象がありますが、私が運営している勉強会は事務作業を淡々とやっていたら自然と運用が回りはじめたので、苦労を感じることはあまりありませんでした。頑張ったことは、最初に勉強会を開催してくれそうな人にしっかり宣伝したくらいだと思います。運営が苦労せずに済んだのは、普段のアウトプット文化の醸成が結構生きていたことが大きいと思います。
なので、もし継続的な勉強会運営を楽にやりたいのであれば、どんな形でもいいのでアウトプットする習慣を身に着けてもらう施策を先にやっておくのがおすすめです。
この記事が皆さんの勉強会運営の参考になれば嬉しいです。

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