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絵本・雨ふらしのレニー

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3分間の物語り
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彼の名前は、レニー

雨ふらしの、レニー

レニーは

すっかり落ち込んでしまいました。

『僕、もうイヤだよ、、、。』

見かねたサンが、話かけました。

『レニー、どうしてそんなに、落ち込んでいるの?』

『サン、聞いておくれよ

僕、もう、雨を降らすのはイヤなんだ。』

レニーは、座りこんでしまいました。

『ねえレニー、雨を降らすのは、君の仕事だろう?

どうしてそんなに、イヤになってしまったんだい??』

サンが訪ねました。

『だって、

雨を降らすと

皆が、僕の事を怒るんだ!』

『折角、お出掛けだったのに』

『今日は、運動会だったのに』

『雨のせいで、気分が落ち込む』

『雨なんて

降らなきゃいいのに』

『そんな風に言われて

僕、とっても悲しいよ!』

レニーは、悲しそうに、サンに話しました。

『レニー、それは辛かったね。』

『だけどね、レニー

君がやっている事は

とても、立派な仕事なんだよ。』

サンは、レニーの隣に座りました。

『君が降らせた、雨はね

森を育てて

虫や、動物達を育ているんだ』

サンは、森にいる、虫や動物達を指差しました。

『もし、ずっと雨が降らなかったら

野菜も、動物も、魚もいなくなって

人間の皆だって

困ってしまうんだ。』

うつむくレニーに、サンは言いました。

『レニー

雨が降った時

思わず怒ったり

悲しんだりする人も

いるかもしれない。』

『だけどね

雨が降ることで

喜んでくれる人も

沢山いるんだよ。』

サンは、持っていた手紙を渡しました。

『今日は、レニーに、これを渡しにきたんだ。』

レニーは、手紙を開きました。

『雨のお陰で、野菜がとても元気に育っています。恵みの雨、本当にありがとうございます。農家のトーマス』

『先日、街に沢山の雨が降りました。外が涼しくなって、体の弱いこの子にも、外の空気を吸わせてあげる事が出来ました。本当にありがとうございました。ヘレンのママ』

『仕事、仕事の毎日でしたが、雨のおかげで、珍しく休みになりました。子供達と一緒に過ごせて、本当に良かった。感謝しています。大工のダンテ』

『水たま遊び、だいすき!マイク』

『雨が降った後は、道がキラキラしてて、とってもキレイ!マリー』

『また今度

雨が降りますように!!』

サンは

ポロポロと、涙を流すレニーに

最後に一つだけ、言いました

『レニー、君が良かったら

今度、雨を降らす時は、

僕を呼んでくれないか!

その時

僕は、お日さまを

準備しておくから!』

次の日

町には、雨が降りました。

森にも、沢山、降りました。

畑にも、沢山、降りました。

しばらくしたら

雨は止みました。

その後すぐに

お日さまが

ピカーッと、光りました。

『ねぇママ、見て!』

小さな女の子が

空を指差し、言いました。

『とってもキレイだよ!』

町では、沢山の人が

空を見上げていました。

空には大きな、虹が掛かっていました。

七色の、キレイな橋の様でした。

『ママ!あれは、なあに??』

『あれはね、虹って言うのよ。』

『ニジ??いつもお空にあるの??』

『虹はね、雨が降った後にだけ、出来るのよ。』

『ヘレン、あなたの大好きな、雨さんのお陰ね。』

ヘレンは、にっこり笑いました。

『雨さん、ありがとう!』

ヘレンが、見上げた空の向こうに

恥ずかしそうに笑う

小さな天使がいました。

彼の名前は、レニー

雨ふらしの、レニー

高い高い、空の上から

今日も、雨を降らせます。

おしまい
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原作 やすひろしげのぶ

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