鳴尾熊野神社大杉・逆境から這い上がる力をいただける


神域で精なる気に育まれてきたご神木の中には、独特の容姿をほこる巨木も多い。天に向かってまっすぐ、すくすくと伸び、周囲にハツラツとした気を放つご神木がある。厳しい自然環境に耐えながら長い年月を重ね、幹の途中から大枝が地面に向かって垂れ、象が鼻を上げるがごとく、奮迅の力をふりしぼり、這い上がるように、再び天に向かって伸びる姿をしているご神木もある。

群馬県嬬恋村、鳴尾の熊野神社に聳え立ち、弘法大師の杖から生えたといわれる大杉も、そんなご神木の一本。

このご神木のある嬬恋村周辺は、江戸時代・天明の浅間山噴火で多大な被害が出たといわれ、このご神木も九死に一生を得て、今、わたしたちにその勇姿を見せてくれているのかもしれない。

人の一生も山あり 谷あり。紆余曲折の歩みを進める中、寒風や積雪に耐え、長い年月を重ねてきた大杉と向き合うと、逆境から這い上がる粘り強さを与えてくれる気がする。


群馬・鳴尾熊野神社 大杉

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