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Dencunアップグレードが来ます! #Xスレッドアーカイブ

今年1月の後半からイーサリアムの開発者は、次期大型アップグレードDencunのテストネット実装を始めました。

今回はアップデートによって起きるハードフォーク、Dencunで何が変わるのか、今後のイーサリアムについてすこしおさらいしていきましょう。

イーサリアムをはじめとした多くのブロックチェーンは、UXの向上などを目的に定期的なアップグレードを実施しています。この数年で最も話題になったアップグレードはイーサリアムのThe Margeで、6年の準備を要した超大型のアップグレードでした。

こういった文脈の中でよく見かけるハードフォークを皆さんは説明できますか? ハードフォークとは、ブロックチェーンのノードに搭載するソフトウェアをアップグレードする際に生じるブロックチェーンの仕様変更「フォーク」のうち、前後で互換性がない大きなものを指します。

ハードフォークが起こると以前のバージョンとは互換性がなくなるため、ブロックチェーンがふたつに分裂します。この時にアップグレード前のノードを運営し続けるユーザーがいなければ以前のバージョンは自然消滅しますが、引き続き以前のバージョンのノードがある場合は分裂して存在し続けます。

実際に分裂して存在し続けている例もいくつかあります。ビットコインキャッシュやイーサリアムクラシックはその例で、それぞれビットコイン、イーサリアムから分裂して誕生しました。

https://bitflyer.com/ja-jp/s/glossary/hard-fork

また先ほど紹介したイーサリアムのアップグレードThe Mergeでもハードフォークののち分裂したイーサリアムPoWが誕生しています。

このような背景からアップグレードの文脈ではハードフォークに関する話題が注目されます。

ここからは今年イーサリアムで実装予定のDencunアップグレードについて、その内容と現状とこれからの計画についておさらいします。

DencunはイーサリアムのふたつのソフトウェアのアップグレードDenebとCancunを合わせた名称です。

イーサリアムでは現在手数料の削減及びスケーリングのため、イーサリアムを拡張した個別のブロックチェーンであるレイヤー2(L2)を利用することで負荷を分散させています。

DencunによってイーサリアムはこのL2を更に効率的にする機能を搭載します。

プロトダンクシャーディングはDencunにて実装される機能で、L2からイーサリアムにデータを転送する際に使用するトランザクションのコストを削減します。

これによってL2の取引手数料は現在より更に削減され、最大で100分の1にすることも可能になるとされています。

Dencunアップグレードは現在テストネットのGoerliとSepoliaに実装が完了しており、2月7日には最後のテストネット実装であるHoleskyでの実装が行われる予定です。このテストネット実装で問題がなければメインネットでの実装に向かいます。

なおこのアップデートが完了したのち、イーサリアムの開発チームは次の大型アップデートとなるPectraに向けた研究開発に入ることも決まっています。

Pectraでは大量に保存する必要があったデータを削減するVerkle Treesの実装を行うことで合意されています。

今回は少し難しい話になりました。今回のツイートが今後の話題の予習になれば幸いです。


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