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NFTのビジネス活用時にどのチェーンを選ぶべきか?

ブロックチェーンをベースにした事業展開。成功事例がたくさん登場する中、リリースの内容に決まって載っている「どのチェーンを採用したか」という情報がありますよね。

使ったチェーンより施策の中身、そもそもの基盤になるアセットが成功要因に大きく関わっているのでは?とはよく言われていますが、この視点は一部正しく、一部間違っていると我々は考えています。実はこのチェーン選定一つで施策の結果が大きく変わる可能性があるのです。

今回は事業者目線からのチェーン選定方法について解説します。またここで話す内容はトレンドや、チェーン運営の戦略によって今後変わる可能性もあるので、どこを選ぶべきか、ではなくそのチェーンのどこに注目するべきかという点を中心に話していきます。

チェーンの種類

まず個々のチェーンを分析する前に、大きく分けたブロックチェーンの種類を知る必要があります。ここはどういう構造で管理されているチェーンかによって分類が可能です。

  • パーミッションレス型: ブロックチェーンの利用に一切許可が必要ないルールのブロックチェーン

    • パブリックチェーン: パーミッションレス型ブロックチェーンの全般を指す言葉で、現在存在するブロックチェーンのほとんどはパブリックチェーンとして運営、管理されています。EthereumやPolygonなどが代表例ですね。

  • パーミッション型: ブロックチェーンの利用や特定の機能の使用に許可が必要なルールのブロックチェーン

    • プライベートチェーン: 特定の許可されたウォレットやノードからしかブロックチェーン上のデータを閲覧できなかったり、ブロックチェーン上の操作を行うことができないブロックチェーン。ノードの運営も特定の企業のみで行っているケースが多く、社内システムのなどの閉鎖された空間でブロックチェーンの良さを活用する際に利用されます。

    • コンソーシアムチェーン: 予め決められた運営者で運営を行うことで、管理コストを下げたブロックチェーン。やや分散性は劣るため、セキュリティは低下するものの、運営者を開示し、仮に改ざんを行ったときのリスクが大きい環境を作り出すことで、負担を押さえた設計といえます。日本国内でも銀行や金融機関が共同運営するコンソーシアムチェーンの構想があります。

選定のための重要なポイント

ブロックチェーンを選定するうえで、いくつかの重要な項目が存在しています。まずはこれを見てみましょう。

  • どれだけそのチェーンを利用している人がいるか

  • チェーンがどれだけ認知を獲得できているか

  • 高いセキュリティを求めるかどうか

  • 大量配布などのスケーラビリティに耐えられるかどうか

  • チェーン側がプロモーションに協力してくれるかどうか

  • 技術的なサポートを受けられるかどうか

  • グラントの獲得ができるかどうか

  • 日本語の公式もしくは公認のアカウントがあるかどうか

  • 国内取引所上場もしくはチェーンの対応があるかどうか

これらの特徴の傾向として、昔からあるチェーンのほうが認知が高く、利用している人数も多いという傾向があります。
一方で、最近に誕生した新興チェーンのほうがプロモーションの協力などについてはかなり前向きに検討してくれる場合が多いです。

ビジネス利用時の選定方法

現在の日本ではブロックチェーンやWeb3技術の利活用というと、社内システムの構築や大規模な開発ではなく、ブロックチェーン上でのNFTの販売や配布、その他のプロモーションなどが大半です。なので先ほどのチェーンの種類を踏まえ、どのようなユーザーに届いてほしいのか等の施策の目的を達成できるチェーンを選定する必要があります。

一施策のために独自でプライベートチェーンを作ったり、コンソーシアムチェーンの構築を行うのはあまりにもやり過ぎでコストもかかるので、パブリックチェーン内で用途別に比較しましょう。

  • Web3業界への参入をアピールしたい

    • Polygon、Avalanche、Astar、Flow

日本のコミュニティが一定数拡大していることが非常に重要で、ここにはチェーンの認知、ウォレット数、日本語アカウントがある、国内上場を完了しているなどの内容が含まれます。あまり認知度が高くないチェーンを採用しても、日本のクリプト勢に効率よくアプローチできません。そして公式アカウントがプロモーションに協力してくれるかどうかも非常に重要です。アクティブな公認の日本コミュニティのアカウントか、日本語の公式のアカウントがXに存在しており、チェーンの利用事例を紹介しているかを確認しましょう。

  • 資産性の高いものを取り扱う、アセットの販売を行う

    • Ethereum

チェーンの中でいちばんスタンダードなEthereumは、十分な分散構造により、セキュリティがいちばん高いチェーンです。改ざんが他のチェーンより難しいという特性を持っているので、資産性の高いものを取り扱うのに優れています。実際にDeFiエコシステムのかなりの割合がEthereumをベースに構築されているのを見るとわかるかと思います。一方で先ほどのプロモーションの部分はEthereumに当てはめるとやや弱く、技術的な革新にしか大きなプロモーションを行っていません。

  • ガス代を押さえたい

    • Arbitrum One、Optimism、Sui

ブロックチェーン上でゲームを構築してマイクロトランザクションがたくさん発生する環境や、大量のNFT配布プロモーションなどでガス代をなるべく押さえたい場合は、EthereumのLayer2チェーンか、Move言語系のSuiなどがおすすめです。特にEthereumのLayer2チェーンは、国内取引所での出金対応も加速し、日本コミュニティの形成も進んでいるので選択肢として有用です。一方で認知度の低さや非EVMチェーンを触るハードルの高さは一定ありますね。

まとめ

チェーン選定は冒頭で触れたようにプロジェクトの成功に大きく関わってきます。十分なトラクションを得るためにも、クリプト界隈への一定の認知の拡大は不可欠です。一見、チェーンの性能や知名度だけで選ばれがちですが、プロモーションへの協力体制や、エコシステム構築におけるWin-Winな関係作りは長期的に大きな差を生むでしょう。自らが行いたい施策は何を目的にしているか、何が重要なのかを起点にチェーンを選ぶのが良いでしょう。

さいごに

私が代表を務めるクリプトリエでは、企業によるNFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現する、NFTマーケティング・プラットフォーム「MintMonster」を提供しているほか、法人向けにweb3領域のコンサルティングや受託開発サービスを提供しています。Web3 / NFTのビジネス活用にご興味ある企業様はお気軽にお問い合わせください。

NFTマーケティング・プラットフォーム「MintMonster」公式サイト

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