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「愛とは個の喪失である」、、、というわけではないのでは?

美術手帖のイベント紹介を眺めていたら、こんなフレーズが目に飛び込んできました。

愛とは個の喪失である

展示風景より、河瀨直美《隠されたもう一人の私。ひまわり畑での問いかけ》

おおもとをたどると、このフレーズはノルウェイの画家、あの「叫び」で有名なムンクの言葉らしいです。

確かに、そう言われれば、言いたいことはまぁわかります。字義通りに読むと、愛の対象と同一化することによって個が失われるっていうことかなと。

でも、もう長いこと生きてくると、全体が一つの存在であることと、個々がそれぞれ独立した存在であるということは矛盾しないっていう感覚のほうが強くなってきます。

よくいわれるたとえとしてパズルのピースがあります。

© Ross Sneddon

パズルのピースは一つとして同じものがないけれど、それでも全体として一つの絵として構成されています。

このそれぞれが個としてしっかりとしながら、しかも全体としてのワンネスに貢献している状態。この状態が愛なのではないかっていうことです。

実際、現実的な感覚としても、愛によって個が喪失してしまうというのはなんかさみしすぎるという感じしませんかね?そういうような直感は案外正しいんだと考えると、世の中も捨てたもんじゃないなって思いますね。

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