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カタールワールド杯SFと3決と決勝


てぃき・たか・たいむ12月14日


アンデルセンの童話『雪の女王』は、雪の女王に連れ去られた、悪魔の作った鏡の破片が眼と心臓に刺さったカイを、ゲルダが春を待って探しに行くというお話ですが、今日の東京は冷たい北風もまるで体の芯に幾度も刺さる冷たい破片のような寒い1日でした。 日が暮れる前に屋外での作業を終わらせたくて、つい薄着のままでいたのは失敗でした。ちょっと悪寒がしますが、しっかりケアをしたので多分大丈夫でしょう。今は膝掛けを乗せながらこのテキストを書いています。東京のように中途半端な寒さでも油断大敵。 みなさんも寒いな、と感じたら、しっかりアフターケアしてくださいね。早く寝た方が良いと思いながらも僕はまた夜更かしが続きます。 未明には『フランス対モロッコ』戦があるので、フットボールからまた元気を貰うつもりです。では、まず昨夜から未明の試合の振り返りから。 SF『アルゼンチン対クロアチア』は3対0でアルゼンチンが勝ちました。フリアン・アルバレスが素晴らしかったですね。 メッシはついにこの大会でのベストパートナーを見つけた様子です。全ての得点に絡みました。ボールがいつも自分の前に跳ね返ってくる。それを胸や膝や脛でコントロールしながら前進してシュートを放つ。 これって懐かしいサビオラを彷彿とさせるアルゼンチン伝統のスタイルです。メッシの相棒といえばデ・パウル (現地ではデ・ポルと呼んでいるように聞こえます)。試合中にスカローニ監督からアドバイスを受けていましたが、おそらくメッシの傍でサポートをしろ、と言われたのではないか?と想像しながら見ていました。 スカローニ監督はサイドバックの選手が出場停止だったこともありますが、クロアチアにボールを敢えて持たせたプランが好采配でした。ボールハンティングからのポゼッションに強さを見せるクロアチアですが、しっかり持たされてしまうとパサーであるモドリッチ、ペリシッチをずっと見られてしまいますし、頼りになるゴールハンターがいない弱点があらわになったのではないでしょうか?この試合のメッシのPKには気持ちの強さを感じました。サウジ戦は劇薬でしたし、オランダ戦も苦労しました。同じ過ちをすればまた悔し涙を流すことになる、それはもう嫌なんだ、という振り切り方だったと思います。コントロールだけ気をつけて、あとはフルパワーで撃つ。そんなゴールでした。試合後のメッシのコメントです。「いろいろなことを感じる、とても刺激的な毎日です。 ワールドカップを通して人々や家族の姿を見ることができたのは、 とても素晴らしいことでした。 そして最後の試合を目指す、それが私たちの望みでした。 私たちは、厳しい状況も、とても良い状況も経験してきました。今日も私たちは壮大な体験をしました。ここにいる人たちと、そして国にいるアルゼンチン人たちと一緒に楽しんでいます。 ちょっとクレイジーな感じですよね。自分たちが優勝の最有力候補ではないということは分かっていました。でも、私たちは誰にも何も渡さないつもりでした。それを一戦一戦証明しているのです」 決勝、頑張って欲しいです。モドリッチは試合後に、あのPKはPKではなかった、と主審の判定に不満を持っていて残念そうでした。 それでも、すぐに銅メダルを狙うために準備をする。メッシは素晴らしかった、と相手を讃えました。ブラジルを破った時にはロドリゴを抱きしめていました。モドリッチは素晴らしい選手です。銅メダル、獲って欲しいな。そしてお疲れ様でした。 燃えたよ… まっ白に… 2022年12月14日




てぃき・たか・たいむ12月15日


ついに出揃いましたね。 強豪国によるファイナルは、ブラジル以来の連覇を達成するというストーリーなのか?それとも、ついにメッシが遥かなマラドーナと喜びを分かち合うストーリーなのか?そしてエムバペとメッシという両国のスター選手を擁するのが、カタールの観光PRのために巨額の資金が投じられたフランスのPSG。 この決勝、話題にはこと欠きません。では、昨夜から未明にかけて行われたもう一つのSFを振り返ってみます。『フランス対モロッコ』は2対0でフランスの勝利。 連覇を狙うレ・ブルー。攻撃陣は絶好調、ただウパメカノとラビオはインフルエンザ。ポルトガル戦の後、モロッコのレグラギ監督が 「私たちはロッキー・バルボアのようだ」 とコメントしていたので、フランスのエイドリアンである Adrien Rabiotがどんな活躍をするか、と楽しみにしていたのに結局ベンチ入りもできませんでした。彼がいないとやっぱり中盤は物足りないですね。グリーズマンが仲間に呼吸を整える時間を再三作っていたのが印象的でした。モロッコはできることを全部やったと思います。 彼らのレシピはフランス戦でも変わらず。わずか1失点、それもオウンゴールという相手の良さを消す守備と、一歩でも前へという攻撃力。 ただ、開始5分の失点が大きくプランに影響を 与えました。この大会で初めて追いかける展開。経験していないシチェエーション。これはエネルギー管理にも影響しますし、怪我を押して出場した選手はゆっくりプレーすることもできなくなり、さすがにこれまでと比べると2割引くらいのパフォーマンスでした。それでも凄いんですけどね。このフランス対モロッコ戦には地政学的、歴史的、政治的な情熱も渦巻いていました。世界を学ぶきっかけにするも良し、良質なフットボールの試合として楽しむも良し、というゲームでしたが、試合後にレ・ブルーがグッドルーザーを讃えていたことで、エピローグは優しい文字で綴られそうです。 両チームの負傷者は日曜日に間に合うかな? 決勝がすごく楽しみです。 2022年12月15日



てぃき・たか・たいむ12月17日


TBSラジオ 『井上貴博 土曜日の『あ』』にゲストで呼んでいただきました。 井上さんもアシスタントの田中さんも、間の取り方や雰囲気作りが本当にお上手で、TBSにお邪魔するたびに、幾つになっても勉強だなあと感じます。『ラジオ・クラッキー』も頑張ります。 ワクチン接種の副反応も大したことなく、熱がでなくて助かりました。TBS局舎前の赤坂サカスではSASUKEのイベントをやっていて、そり立つ壁&サーモンラダー&クリフハンガーの実物セットを目撃。あんな壁、どうやって登るのかな?と頼まれもしないのに、どうやって実況するかな?なんてしばらく考えちゃいました。さて、今日は3位決定戦ですね。アフリカ勢として史上初めて準決勝に進出したアトラス・ライオンズ。そして、クロアチア史上最高の選手の一人、ルカ・モドリッチに敬意を表することになる一戦です。 ちっぽけな感傷を携えて観ることをお薦めします。2022年12月17日



てぃき・たか・たいむ12月18日


18日深夜の決勝、アルゼンチンにとっては3度勝たなければならないゲーム。そのたびの緊張と苦しみ、これだけ苦しまないと勝ち取れないワールドカップって、今更ですが、凄い。滅多に見られない凄い試合。エムバペも本当に凄い。前半はなにもないフランス、後半以降は最高のフランス。両監督の采配が素晴らしかったです。スカローニ監督が遅いリズムを作り出し、完璧な前半を作れば、デシャン監督は体調不良なエリートを外して、コンディションのいいセカンドチョイスの選手たちに託し、見事に主導権を取り返しました。メッシかエムバペか、どちらも輝いていて美しかった。メッシ、おめでとう!最後はディエゴが勝たせてくれたのかなぁ、 と思いました。ディブは大会を通じてずーっと当たっていたのでPK戦になったら勝つと思いましたが、終了直前のコロ・ムアニのシュートをストップしたのが まず素晴らしかった。いろいろ思いますが、またお話ししたいと思います。 ああ、それにしても凄い試合。フットボールファンで良かった。2022年12月18日


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