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カタールワールド杯R16編


『てぃき・たか・たいむ』12月4日

さて、カタールワールドカップはラウンド16初日が終わりました。 『オランダ対USA』は 3対1でオランダが勝ちました。 USAのバーホルター監督はかつてオランダリーグで選手としてプレーし、憧れ、多くを学んでUSAチームに取り入れてきた指導者です。 ムサ、マッケニー、アダムスという若くて魅力的な中盤で、オランダを苦しめようと準備してきましたが、ファンハール監督はそこをマンツーマンで消して、ダンフリースの大活躍でオランダ超えを目指したUSAを破りました。 それでもUSAは未来が楽しみです。 次回、共同開催で行うワールドカップでは躍進が期待できます。なんてったって「USA!」コールはかなりのパワーをもたらすからです。オランダもバルサのチャビの名前をもらった19歳のチャビ・シモンズがデビュー。メンフィスも調子を戻してきて初優勝を狙っています。 『アルゼンチン対オーストラリア』 こちらは2対1でアルゼンチンの勝ち。メッシは1000試合を達成、すでに789ゴールって凄すぎ。 バルサがそうであったように、代表チームもメッシがスイッチを入れる瞬間を待っています。 こきざみに走りながら相手を観察する時間があって、そして仲間にシグナルを送ります。 ベヒッチを興奮させ、そのあとベヒッチがファウルで与えたFKから、閃光のような一撃で先制点を奪いました。 2点目も直前に耳打ちしていたフリアン・アルバレスがゴール。 前回は若手に助けられたメッシが、今回は若手をリードします。 開幕の頃は全く調子があがらなかったメッシの相棒 デ・パウルも今日は努力賞をあげたいくらいの働き者。 あとは決定機を続けて外したラウタロが乗ってくるかどうか? 苦しんで勝つのが好きなアルゼンチン。最後はオージーの頑張りにひやっとさせられましたが、ここから中5日休めます。さて、オランダのファンハール監督はまだW杯で負け知らずですがPK負けはあります。 その相手がアルゼンチン。 2014年ブラジル大会の準決勝でした。リベンジなるか、歴史は繰り返すのか? とっても楽しみですが、どちらも好きなチームなので困ってしまいます。 2022年12月4日




『てぃき・たか・たいむ』12月5日


『THE FIRST SLAM DUNK』 観てきました。 いやあ〜日本代表戦を前に素晴らしいエネルギーをもらいまし。 最高!「来いや山王!!!(クロアチア!!!)」って言いたいです。 劇場内の同好の士(もちろん女性も)は、原作者の井上雄彦先生から贈られた新しいエピソードと解釈と視点を、全身を耳にして、また全身を目にして、ひと言も、ひとカットも見逃すまいと真摯な姿勢で鑑賞していました(もちろん、僕も)。 上映中は 咳一つ聞こえません。 こんなに観客が集中して見る映画は滅多にないでしょう。 原作を何度も何度も読み込んだファンにとっては井上先生の判断で省かれた名台詞を心の中で埋めるためのスペースも用意された演出でした。勝手に脳内再生して泣けちゃいました。メガネくんとゴリに泣けちゃうんだよね。連載時のクライマックスの頃にはペンでの作画で頂点を極めた作品と思いましたが、その後、井上先生はペンを筆に持ち替えました。 CGとの相性はどうか?と思っていましたが、とてもいいと思いました。 手描きの質感を伴った絵でやりたい、と 判断し、監督されたのだと思います。 漫画とアニメは、それぞれに時間をストップし、止まっていられる心の余白と、先に進まざるを得ないジレンマがあります。されど音やエフェクトを加えられる迫力の魅力など、異なる良さがあるものですが、この劇場版は良いとこ取りができていました。 シャープな線画が原作の魅力なら、この方法が良いように感じました。 武部聡志さんの音楽も良かったです。 何度読んでも感動のスラムダン。原作を読み込んでいる方は感動が増す分、得しちゃう劇場版です。さて、今日はクロアチアとの決戦ですが、感想は明日、書きますね。では昨日のおさらいだけ、さらっと。『フランス対ポーランド』 。攻撃力もそれを実践するアイデアも豊富なフランスに対し、アルゼンチン戦よりは攻撃的に臨んだポーランドですが、タレントの差が次第に出ます。 重心が低いポーランドですが、もともとカウンターが得意ではなく、フランスはレヴィだけ消してしまえば、それでおしまいという力の差がありました。エムバペもジルーも素晴らしい出来、 グリーズマンも好調を維持しています。 フランスはラ・リーガ勢が多いので、観ていて楽しいのです。『イングランド対セネガル』 。カタールではいつものようにビールが飲めないイングランドサポですが、ピッチ上では乾いていない代表に満足したことでしょう。セネガルはクリバリにもメンディにも本来のきれがなく、エース=マネの不在は大きかったですね。シセ監督も体調不良で2日ほど現場を離れたそうですから、この負けはむべなるかなです。 イングランドはベリンガム良し、フォーデンも好調、ついにケインもゴール、と言うことなし。 次のフランスとのゲームは決戦ですね。 では、明日はドキドキの日本戦について 書こうと思います。
2022年12月5日




『てぃき・たか・たいむ』12月6日


日本戦の終わった直後に、窓から見知らぬ世界は見えたけど、その扉は重く、開くことができなかった。あと、ちょっと。だけど、世界のベスト8に近づいた。 今こそ、その距離をあらためて確認しないといけない。とツイートしました。 もう少し試合を振り返りましょう。 『日本対クロアチア』 。スタメンを見て、クロアチアの先発にソサがいない。これはサイドからのクロスが激減すると予想。 代わりにサイドを崩されない選手をいれたのかな?と想像。 試合は、クロアチアはモドリッチ、コヴァチッチ、ブロゾヴィッチ、ペリシッチだけがずば抜けてうまい。 あとは普通だという印象。危ない時間を切り抜けて前田のゴールで先制。 堂安から吉田、そして前田(43分)。 前田のゴールは彼の頑張りが報われた感じがして嬉しかった。しかし、後半55分、 ヘディングかモドリッチのシュートしかないと思っていたのに、ペリシッチにヘディングを決められてしまった。新しい扉を開くのは難しい。ノックし続けなければ扉は開かないが、重い扉。 延長に入ってクロアチアはモドリッチ、コバチッチを下げ、 さらにペリシッチまで交代させた。 これはいけると思ったんですけどね。 僕らの代表は延長戦の間に勝負をつけてしまうべきでした。 前田が追いかけるところからボールを奪取していた時間を再現できない日本。浅野は別のタスクを負っていたのか? それはわかりませんでした。 技術の高いベテランを諦め、最初からPK戦というモードを浸透させて、目標に向かわせた監督の手腕に軍配が上がったように感じます。 それでもきっと4年後も、放映権が上がっても、またABAMAのように手を挙げてくれるところがあるかも?と 思わせてくれる今回の活躍だったと思うのです。 『韓国対ブラジル』。 共にきつい日程での一戦でしたが ローテーションを使え、かつネイマールやダニーロが怪我から復帰したブラジルが圧倒しました。 タフな韓国ですが、ギリギリでポルトガルを倒してからの回復はままならなかったようです。 一矢を報いただけでも立派でした。 これでアジアが打ち上げた花火は名残惜しいのですが、おしまいになりました。 何が足りなかったのでしょう? 僕は監督であれ、選手であれ、絶対に勝ちたいという強烈なリーダーシップかな、と今は思っています。 サッカーキングの動画では桜木花道って言いましたけど😁 2022年12月6日




『てぃき・たか・たいむ』12月7日


今日は試合なし、普通のミッドウイーク。 久しぶりに静かな夜です。 これで気温が快適なら言うことないのですが、夜はとっても寒いですね。 日中は暖かかったけどブルブルしちゃいます。 放射冷却は、温められた物体が熱を外に放射して冷える現象。 地熱が奪われて、気温が下がるわけです。 熱はどこへいくのか?というと 放射によって宇宙へ戻っていくのです。 そう考えると多少のロマンも感じますが、 冷たい空気は重く、地球の低い場所に溜まりやすいので、風が弱いほど放射冷却による冷え込みは厳しいのです。 う〜、今日は寒いなあ。 みなさん、風邪などひかれませんように。 さて、昨日のおさらいです。 『モロッコ対スペイン』0対0(PK3−0) 入場者の9割がアラブ系のモロッコを応援しているようだ、という報道もありましたが、確かにスペインにとってはアウェイのような雰囲気でした。 優勝を狙えるかどうかは別として、それなりに期待されていたラ・ロハですが、7得点から始まって次第に尻窄みになった印象は拭えません。 残念です。 ルイス・エンリケ監督も一所懸命にやったけど、だめだった、と悔しさを自身のインスタに滲ませていました。水色のシャツで臨んだ一戦に、イアゴ・アスパスがいたら (セルタカラーですね)と書いた記者もいましたが、 今回のメンバー選考はたしかにうまく機能しなかったようです。このチームは体力のあるチームや、しっかりブロックを作って守り切れるチームには特に苦戦します。 モロッコを崩し切れるほどのエネルギーには欠けていました。試合が膠着した時に救ってくれるタイプがいなかったので、個人的にはアスパス、ジェラール・モレノ、パンダ、RDTの中から2人くらいいたらな、と感じました。 ただ、バリエーションの不足は結果論で、セレクションした監督しか知らない事情があるかもしれないし、 ないかもしれません。PKの練習もしっかりしてきたようですが、スペインは実りませんでした。 モロッコのGKボノは昨季ラ・リーガのサモラ賞です。 今季のセビージャは調子を落としていますが彼のせいではないでしょう。 この日はとびきり素晴らしいセービングでした。モロッコはアムラバトも素晴らしく、フィオレンティーナにはもう長くいない気がします。 歴史を刻んだモロッコ、おめでとう。 羨ましいです。 スペインは監督が変わるでしょうから路線が変わる可能性もありそう。 違う選手にもチャンスが来るということですね。これってフットボール界の生態系です。『ポルトガル対スイス』。6対1 。もっとスイスは相手を苦しめるかと思いましたが、疲れていたのか、アンフォーストエラーが多く大敗しました。 GS最終戦で6人を入れ替えられたポルトガルとの差が出ましたね。ペペには変わらぬ存在感やロナウドへの愛情も感じましたが、やはり新星ゴンサロ・ラモスに注目が集まります。ノックアウトラウンドに入ってからのデータでは、英雄エウゼビオを抜き最年少でのゴール。 しかもハットトリック3ゴール1アシスト。日は沈み、日は登る。ロナウドのファンには少し寂しさも感じさせる若手の大暴れでした。 最後にSpotifyから 2022年の活動を評価するお知らせが届き、 思っていた以上の方々に『ラジオ・クラッキー』を 聴いていただけていることを実感しました。 番組を続けられているのは会員の皆さんのおかげでもあります。 ありがとうございます。感謝しています。 どうぞ、これからもよろしくお願いします🙇🏻🙇🏻🙇🏻🙇🏻🙇🏻 2022年12月7日




てぃき・たか・たいむ12月8日


今日はスカパー!で、オシムさんの”沁みる言葉”を振り返る特番を収録してきました。 お相手は通訳をなさっていた国際ジャーナリストの千田善さんです。 僕は善さんの視点やお話の仕方がとても好きです。 久しぶりにご一緒できて嬉しかった。 僕は小澤さんや中山さんといったジャーナリストとしての自覚がある人達と一緒の仕事で、不安を感じることはまずありません。 共有するテーマについて会話をするのであれば、自分の言葉で即時に回答するのがジャーナリストの作法だと思ってくれているからです。 善さんもそういう方です。進行の打ち合わせのみで、アドリブで会話を成り立たせていく快感と緊張感が楽しいのです。 もっともジャーナリストはライセンス制ではありません。自称です。8つのパートで成り立つこの特番には、 メディアについて、というお題もあって、ここでは同業者にかなり厳しい指摘もしています。まあ、長々と話してしまったので、どこまでオンエアされるかはわかりませんけど。それにしても12年前の南アフリカ大会前後の オシムさんの言葉は沁みますよ。2つだけ紹介します。「ミスをしてはいけないという恐怖からアイデアは生まれない。サッカーはミスのスポーツだ。その恐怖心を取り除く必要がある」。 監督としてすべきことは何か?と問われての回答です。 番組ではPK戦についてのオシムさんの考え方にも触れています。 森保さんはミーシャさんに学び、ミーシャさんはオシムさんに学んだのだから孫弟子ですね、と善さんは言っていました。もうひとつの言葉はこれ。 「今後のトレンドや方向性としてはグラウンドに立つ11人全員が、 フィジカル、テクニック、戦術理解のすべてに優れていること。 つまりパーフェクトな選手でスタメンを揃えるという方向を目指すようになっていくだろう」 。これ12年前のコメントです。 まさに目の前にあるのはこのフットボールではないですか。 オシムさんは「スピードのある選手がまだ日本にはいないが」とも話されていました。 きっと、ドイツとスペインに勝った僕らの代表を褒めてくれますね。凄い方でした。オシムさん。 もう一度、お会いしたかったです。 2022年12月8日






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