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ブンデスリーガとラマダン

宗教に対して敬虔であるために
イスラム教のアスリートがラマダン期間中に
コンディションを維持するのが難しいのは悩ましいことなのだろうな、
と感じていました。

昨年のことですが
2022年4月11日、DFB(ドイツサッカー連盟)は
ラマダン期間中の選手のために給水タイムを取った
審判の判断を支持すると発表しました。

4月10日に行われた21/22シーズン第29節
『ライプツィヒ対ホッフェンハイム』戦(現地時間19時30分KO)で
バスティアン・ダンカート主審は前半30分に試合を中断し
ラマダン期間中であるライプツィヒのDFシマカンのために
給水タイムを取りました。

19時58分に日没になったのです。
シマカンは水分補給に加えてゼリーやプロテインバーで
エネルギーチャージができたそうです。

DFBの審判委員会の責任者であるルッツ・ミヒャエル・フレーリッヒ氏は、
「基本的な指示はないが、ラマダン期間中に選手たちの要望で
 審判が給水タイムを許可する場合はもちろん支持するし、
 今後も歓迎する」
とコメントしています。

これに対してシマカン選手はホッフェンハイム戦の試合後に自身のTwitterで
「給水の時間を数分与えてくれたレフェリーと選手たちに感謝する」
とツイートしていました。

また、これに対して当時ライプツィヒの監督で
現在はベルギー代表で指揮を執るドメニコ・テデスコ監督は
「キックオフ時間によって、彼が試合前に何かを食べられるのか、
 試合後にしか食べられないのかには、常にメリットとデメリットがある。
 我々はそれを尊重するし、もちろんトレーニングでもそれを考慮している」
と語りました。

2023年のラマダンは3月22日に始まり、4月21日で終わりました。

断食月であるラマダンの間、敬虔なイスラム教徒は
日の出から日没まで何も飲んだり食べたりすることが許されていません。

敬虔なイスラム教徒の選手たちはトレーニング中に何度かある
給水タイムですら省略し
暑い気候の中でも彼らは水分を一切摂らないのだそうです。

なお、病人、高齢者、妊婦、子供は断食を免除されます。
肉体的な負担が大きすぎる場合、イスラム教徒のプロ選手は
断食を免除することが認められており、
逃した日を後から補うこともできるのだそうです。

理解すべきことがらを増やしていくことで
サポートし協力し合っていく人々の姿も見えてきます。

お互いに助け合う姿はさまざまな機会に学べるものですね。

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