川端 康夫(アクティブビジョン株式会社 代表取締役)

アクティブビジョン(株) 代表取締役。大手企業とスタートアップ双方の事業創造・成長のサ…

川端 康夫(アクティブビジョン株式会社 代表取締役)

アクティブビジョン(株) 代表取締役。大手企業とスタートアップ双方の事業創造・成長のサポートを手がけ、短期的な戦略コンサルティングの後に必要となる、地味な伴走型の戦術コンサルティングを手がける。 http://www.aktivevision.com  tw:@yasuok10

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    日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

最近の記事

最近のニュースから、日本のイノベーションにまつわる状況を考えてみる

東海道新幹線で保守用の車両が衝突し脱線したために、東京・新大阪間を結ぶ新幹線が終日不通になるというアクシデントがあった。 記事にもあるとおり、新幹線の保守点検に関する問題はここしばらく散発的に続いている。それ以前にはこうしたことはさほど多くはなかったのではないかと思う。 根本的な原因についてはまだ不明だが、一般的に人手不足や熟練技術者が後継者を育てられないまま引退していることに懸念を示す論者もおり、今回もそれが遠因になっている可能性はあるかもしれない。また、こうした点を克

    • 映画「関心領域」を観て思う、現代の企業組織と私たちの課題

      遅ればせながら、映画「関心領域」を見てきた。この作品については過去の歴史に絡めて語られることが大変多いと思うが、私が観ながら感じたことは、現代の日本、特に企業のあり方とそこに属する人々との共通性といったもので、落ち着かない気持ちになった。 この映画は収容所の所長である人物、ルドルフ・ヘスが主人公となっているが、ナチスないし国のトップであるヒトラーの名前は出てくるものの、ヒトラー本人については全く触れられないし、収容所の中でどのようなことが行われているかということについても直

      • 資産運用スキルのレベルが、キャリア選択の幅を大きく変えてしまう時代に

        高卒の求人が増えているという。 背景には、人手不足も手伝って、高卒に対する企業の採用意欲が高まっていることがある。一方で、若年人口が減少しているため、大学にも行きやすくなっているということもあるのだろうか、高卒で就職を希望する人は減っているのだという。 こうして高卒者の採用が人材の取り合いになっていることとも関連し、人手不足という背景もあって、大卒・高卒を問わず、待遇の改善も進んでいる。この待遇改善は課題として認識され、今後対応が進んでいくことになるのだろう。 それにし

        • 会社は広義の顧客のもの。議論はまずそこから。

          会社は誰のものか。この問いは、一般的には、従業員のものなのか、それとも所有者・株主のものなのか、という文脈で問われることが多い。 ただ、私自身は営業経験が長いからかもしれないが、昔から、会社は顧客のためにあるものだ、顧客のものだという意識がある。その後、自分が起業してみて、ますますそう思っている。 そもそも、会社が何らかのサービス(商品を含む)を提供し、それによってリターンを得る仕組みであると考えるのであれば、提供するサービスを求めてくれる人、つまり顧客がいないことには会

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        • 「人生後半戦」の泳ぎ方
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          「人生後半戦」の泳ぎ方 5周年を迎えて

          ”「人生後半戦」の泳ぎ方”のFacebookグループを始めて、今日6月25日で丸5年が経ちました。スタートは2019年ですから、コロナの約1年前ということになります。 グループにご参加されていない方で、ご関心のある方については、ぜひ Facebook のアカウントからグループに参加登録をしていただければと思います。公開グループですので、基本的にどなたでも参加できます。 もともとこのグループを始めたきっかけは、私自身が早期退職し独立をすることで、改めて働き方について、特にミ

          「人生後半戦」の泳ぎ方 5周年を迎えて

          AIがシンギュラリティを迎える時代に人間は何をするのか

          ちょうど、自分の人生を振り返る節目に差し掛かったこともあり、この先、自分はどんなことをしていこうかと改めて考えていた。 特に昨今、AIが人間の仕事の多くを肩代わりするのではないかと言われる、そんな時代に、果たしてこの先は自分は何をやったら良いのだろうか。記事でいう「AIプルーフ(耐AI性)」のある仕事とは何か。これはすでに手あかがついたテーマではあるが、改めて考えてみる。 単に自分の得意なことやこれまでやってきたことをベースに考えても、それがAIでもできることであるならば

          AIがシンギュラリティを迎える時代に人間は何をするのか

          構造改革待ったなしの地域公共交通機関 ~自治体・住民・周辺産業の意識は追いついているか~

          熊本県の公共交通機関が運賃収受機器の更新にあたり、交通系 IC カードの対応を止める決断を下した。一度交通系ICカードに対応した後でそれをやめるのは全国初ということだ。 せっかく普及した交通系 IC カードでもあり、地元の人からは不便になるという不満をもらす声もSNS などで見かけた。 これにはやむを得ない事情もあるだろうと思う。1つには 交通系 IC カードは 日本独自の規格であり、一方でクレジットカードのタッチ決済の対応が進み、これは国際的な共通化が図られている。最

          構造改革待ったなしの地域公共交通機関 ~自治体・住民・周辺産業の意識は追いついているか~

          働いて稼ぐ(だけ)の時代の終焉〜起業にしか経済的価値と社会的価値の両立する働き方が残されないのかも〜

          やや旧聞に属するが、静岡県の川勝(元)知事が 職業差別的な発言をしたということで問題になり辞任した。 彼の発言の不適切さは明らかだと筆者は考えるが、好意的に補足して解釈するならば「世の中には様々な仕事があり、牛を飼うような仕事や物を作る仕事もある一方で、県庁職員のようにそうした仕事がうまくいくように頭を使う仕事もある。」ということだろう。様々な役割を果たす無数の職業をそれぞれの人が担うことによってこの社会全体が成り立っているのであって、どの職業が(それが法や道徳に反するよう

          働いて稼ぐ(だけ)の時代の終焉〜起業にしか経済的価値と社会的価値の両立する働き方が残されないのかも〜

          政治資金問題と半世紀前の出来事

          自民党の政治資金問題が、昨年末頃から毎日ニュースに取り上げられている。 先にお断りしておくと、当然のことながら、私はこうした不透明な政治資金の流れは、その党派を問わず、良しとする立場ではない。 ただ、報道の内容や、国会での野党による与党自民党への追求には、本質をついていない違和感を感じざるを得ない。その理由は、政治資金が何に使われ、誰が手にしているのか、なぜそういう事態が起こるのか、という点について、誰も触れようとしていない、と感じるからだ。 これに関して思い出されるの

          日本人相手のビジネスの、終わりの始まり

          少し前であるが イトーヨーカドーが一部の地域から 店舗を撤退するということが ニュースになっていた。 イトーヨーカドーにとっては経営的に見て、北海道・東北・信越は採算が合わない地域になっている、ということになる。もちろん、イオンは違う戦略を取って店舗網を維持しているので、一般論として採算が合わないとは言えない。ただ、それも今後はどうなるのか、という点は気にかかる。 日本の人口が減り続けているのであるから、こうした判断は経営的に見れば 妥当なものであると言えるだろうし、今

          日本人相手のビジネスの、終わりの始まり

          新NISAが促すかもしれない起業文化の醸成

          1月からいよいよ新NISA 制度が始まる。 資産運用立国という掛け声のものと、個人の資産形成を促すことによって年金に依存する傾向を軽減したいという国の意向もあると思うが、実は起業や スタートアップの育成環境整備という観点でも、この新しいNISA制度の拡充は大きな効用を持つのではないかと期待している。 新NISAに期待する効用1:起業に踏切りやすくなるお金の裏付けを作る 1つは新NISAなどを活用して資産形成をすることによって、一定の資産の裏付けができることにより、起業に

          新NISAが促すかもしれない起業文化の醸成

          「安いことが価値」であるビジネスの終焉

          格安航空会社のジェットスタージャパンの労働組合がストライキに入っている。 もともと、報道されている限りでもこの夏頃から会社と労働組合側で時間外賃金の支払いなどをめぐり 労使交渉が続いていたことが報じられているが、その進展がなかったために予定外勤務の拒否に続いて、とうとう指名ストライキに入っているということだ。 年末年始という航空業界にとって繁忙期にストライキに入ることに結果的になってしまったが、突然この時期にストライキが起きたというよりは、これまで長く労使交渉が続いて

          「安いことが価値」であるビジネスの終焉

          お金の話と人手不足の話はつながっている

          お金の話は難しい。 なぜ難しいのだろうかと考えると、過去の高度成長期であれば、日本経済は右肩上がりに伸びており、家を買っても地価が上がっていた背景があって、しばらく住んでも買った以上の値段で売れた。また定期預金の利率が5%を超えるなど、現在の株式投資の一般的なリターンと同じかそれ以上の預金金利だったため、リスクをとって投資しなくても銀行に預けておけば安全かつ確実に資産は増えていった。 しかし、現在はそうではない。 日本は人口が減り始めており、それに伴って 経済の規模は縮小す

          お金の話と人手不足の話はつながっている

          変化する上場の意義は、日本にユニコーンを生み出すか

          このところ日本の有名企業を筆頭に上場廃止に向けてMBOを目指す動きが目立ち始めている。大正製薬などはその典型と言えるだろう。この他にも ベネッセなどがMBO を目指すことを発表している。 こうした背景には東証が上場の基準についての見解を厳しくし、PBR1倍割れの企業に対してはその是正を促すといった、 本来、上場企業としてあるべき姿を強く求めるようになってきていることがあるのだろう。 これに伴って生まれてきたのが、この MBO という流れだと考えられる。つまり、公開企業であ

          変化する上場の意義は、日本にユニコーンを生み出すか

          ニューではなくなりつつある「ニューノーマル」

          「ニューノーマル」という言葉(日本では「新常態」という訳が充てられている)は、一般的にはコロナ後の様々な社会の変化について言われることが多いように感じるが、実はさほど新しい言葉ではない。 私自身も、この言葉を明確に意識したのはニューノーマルをテーマにした2015年の講演会にスピーカーとしてお呼び頂いた頃からであると記憶しているので、もう8年前のことだ。コロナだけでなく、コロナの前から世の中は大きく変化しつつあり、それを 「ニューノーマル」 という言葉でくくることはもうずいぶん

          ニューではなくなりつつある「ニューノーマル」

          ライドシェアをめぐる2つの懸念~地方も海外も知らない人たちが議論していないか~

          ここに来てにわかに日本国内でライドシェアを巡る議論が活発になってきた。 岸田首相がライドシェアの導入に対して前向きな発言をしており、これを巡って様々な議論が(ようやくと言って良いかもしれないが)日本でも起きつつある。 私自身は2013年に英国発のライセンス(正規)タクシーの配車サービスHailo(現在のFreenowの前身)の日本法人の COO を務めた経緯がある。このため、少なくても当時の日本のタクシー業界の状況についてはある程度知っている立場である。こうした経験も踏ま

          ライドシェアをめぐる2つの懸念~地方も海外も知らない人たちが議論していないか~