見出し画像

成功に近道はないのだろうか

マイナビジャパンビーチバレーボールツアー第1戦立川立飛大会が開催され、いよいよビーチバレーボールもシーズン開幕です。

第1戦は男子が庄司・池田ペア、女子は長谷川・坂口ペアが優勝しました🥇
おめでとうございます。
この大会は第19回杭州アジア大会の代表決定戦でもあったので、優勝したチームはアジア大会への出場が内定しました。
(大会終了後、アジア大会の来年への延期が発表されてしまいましたが)

僕がコーチとして指導させてもらっている
長谷川・倉坂は準優勝🥈
坪内・藪見は5位タイでした。
良いパフォーマンスもあり、課題もあり、まだまだこれからチームとして伸びていくなと感じた大会でした。

次の大会に向けて今ある技術、フィジカルをさらに向上させる為に、大会で出た課題を因数分解して日々の練習、トレーニングに落とし込んでいけるように色々頭の中を整理する必要があります。
今回はそんな日々の取り組みについて語る回になりそうです。

『クオリティは細部宿る』と言う言葉が好きです。同じパス、セット、スパイクどのプレーでもいいのですが、上手い下手がある、本人の持って生まれたセンスもあるでしょう。
個人的にはセンスという言葉は嫌いです。笑
僕は自分にセンスがあるとは思わなかったし、その人の見えない努力をセンスの一言で片付けるのは抵抗があります。

ただ、上手い下手の技術の差には絶対に何か理由があります。
足の運びなのか、身体の向きなのか、腕の使い方なのか、指先の感覚なのか、角度なのか、目なのか、イメージなのか。
そこを掘り下げ、プレーの解像度を上げ、精度を上げる作業を日々継続して取り組み、自分と向き合うことが大切だと思います。

そんなこんなで本題です。

photo by JVA

特効薬や魔法はない

タイトルに書いてるのでもうネタバレてますが、練習における特効薬や魔法はありません。
ここでいう特効薬や魔法というのは、練習でこれをやれば絶対上手くなる、このスペシャルな練習をすれば絶対勝てるといったもので、そんなものはありません。

2017年からコーチとして活動をしていますが、人の成長というのはスピードも違うし、伸び方も人それぞれだなと感じています。

技術的に成長したと感じる瞬間はあって、その瞬間までは大きな変化は正直分からないことが多いです。
植物に喩えると、種を蒔いて、芽が出て🌱その芽が出る瞬間までは変化を捉えることが難しい(根は伸びてるんだけどね)、そんな感じです。

技術には段階があるなと思っていて。

技術を言葉やイメージで理解している→体現できるようになる→再現性が高くなる→いつでもできる(どんな環境でも使いこなせる)

すごくザックリですがこんな風に捉えていて、次のステージに進んだ時に上手くなったなぁと感じることが多いのかなと思っています。

この各ステージで選手もコーチももがくわけですが、このもがく時間が本当に大事だなと思います。
最近はそこ(もがく時間)に対しての効率が求められることが多いのですが、果たして効率は求められるのかどうかは僕の中では疑問です。

結果、効率良くできることはあるとは思いますが、人間が学習するパターンってなんとなくあると思っていて、やはり失敗していく中で学び、修正し、技術を磨き上げていく時間が必要だと思います。
同じ失敗はできるだけしたくはありませんが、根本の原因が何か分からないうちは同じ失敗を繰り返すこともあるだろうし、やはりある程度の量、時間を投資しないと本当の意味での上達は期待できないでしょう。

まずは量→そこから質→質よく更に量

みたいなイメージです。

この量をこなすことに対して時代錯誤だと、古いと言われ効率が求められることが多くなりましたね。
時代が進むことで色々なものが進化し効率は良くなったものもありますが、人間自体の学習するスピード感てあまり変わらなくないですか。

文明の利器を使いこなすことで暮らしは豊かになりましたが、人間って何か改良されたり、OSがアップデートされたりしてませんねよ。

なんでもかんでも量だと言ってるのではなく、データや研究結果や科学的な機器を使用して最大限に効率は求めますが、人間が頭を使って身体を使って学習することに関してはシンプルでやはり時間がかかると思っています。

さっきの植物の喩えでいうと種を蒔いて次の日に果実は収穫できないということです。
花が咲かなくても下に下に根を伸ばす、その時間が大切だよねと思います。

1万時間の法則

1万時間の法則ってご存知ですか?
ある分野のエキスパートになるには1万時間の練習、努力、勉強が必要で、1万時間の努力がなければ一流にはなれないとする理論です。

この理論は否定されたりもしていて、1万時間もいらない20時間で十分だみたい理論もあって、色々あって面白いなとは思うのですが、コツを掴む程度ではなくエキスパートになるにはそれじゃ足りないのかなと個人的には思います。
ビーチバレーボールが20時間で上手くなれるわけがない。笑

だからと言ってひたすら1万時間取り組めとかそんな話では全くなくて、そもそも1万時間を取り組むことが目的でもありません。

質を求め、回り道もしながら日々取り組んだ結果、量が担保され、成長するのに必要な時間はやはりかかって、そこに近道はないんじゃないかなと思うという話です。

1万時間は毎日3.5時間練習したとして10年かかるそうなのですが、20代前半でオリンピックに出たりワールドツアーのトップにいる選手は意外とこの時間をクリアしてたりするのかなと思います。

またどこかのタイミングでこの話もしたいのですが、カタールのシェリフ選手はアフリカのセネガル出身です。
カタールに18歳の時に帰化したと言っていました。
ビーチバレーボールはいつから始めたのと聞いたら8歳と言っていました。
驚きですよね。
カタールに帰化した時には10年キャリアがあったわけです。
ちょっと信憑性がでてきましたよね。笑
1万時間の法則。

何が言いたいかというと、選手もコーチも強化に携わる人も短期間での強化はお勧めできませんということです。
ペアをコロコロ変えたり、数ヶ月で大きな大会に向けて準備したり、本当の意味での強化にはならないことが多いのかなと思います。

勿論、色々な事情があるので与えられた時間と環境で最善を尽くすしかないのですが、長期的な視野は持っておかないと結果に対して一喜一憂することになり、自分達が本当に大切にしている取り組みへの精査が正しくおこなえなくなる可能性があります。

結果を早く出せるにこしたことはないし、焦る気持ちも分かります。
正解などありませんが、正しい取り組みをしていたとしても最低限かかる時間があります。
そこをどうか焦らないでください。

日々課題に取り組み、修正しながら、技術、身体を磨き上げるそんな時間が皆さんにとってどうか素敵な時間になりますように。

僕も頑張りますというお話でした。
まとまりなくてすみません。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
また次回もビーチバレーボール研究所をよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?