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通販マーケティングの話_定期コースの回数縛り

通販では常套手段とされている、定期コースの回数縛りは、結果的に有効か?

今回は新規顧客獲得の事例になります。

通販会社では、サンプル商品を販売する広告を出稿します。

例えば、新聞やフリーペーパーなど紙広告ですが、サンプル注文でかかってきた電話に対して、サンプルではなく本商品の定期コースにしませんか?
という、トークをします。

ネットで販売する場合は、一旦、サンプルを申し込みした後で、「ちょっと待って」というページに切り替えて、定期コースを勧めます。

定期コースは少し安くなりますし、サンプルもプレゼントします。
という内容です。

でも、安くする代わり、定期コースを3回は続けてください。という「回数縛り」を条件とします。

定期コースになっても、1回、2回で辞めてしまったら、利益が取れないために、最初から継続回数を約束させてしまうのです。

これは近年の通販では常套手段となっています。

しかしこれは、社会問題となっていて、回数縛りをする場合、必要回数分で支払う、全額と期間を顧客に説明しなければならないと改正特定商取引法で定められました。

それでも、回数縛りでの販売が多く見られます。

私のコンサルティングしている通販会社でも回数縛りをテストする事になりました。

私の意見としては、回数縛りは反対です。
理由は、顧客にとってメリットがないからです。

安くなるのは、良いけれど、使ってもいない商品を何回も使い続けることになってしまいます。

顧客との関係性も構築されていないのに。
下手すると顧客から信頼性を失いかねません。

やはり、顧客から関係性を築くことで信頼性が生まれるし、お互いに良い関係性の中で、リピートすることで、ロイヤルカスタマー化が進むのです。

とはいうものの、強い希望でしたので、回数縛りのテストをしました。

その結果は・・・
回数を縛っても、やはり、辞めたい人はいます。
お客様の中には「3回続ける条件など聞いていない!」と言われる方もいます。
強引に辞めさせない会社もありますが、これこそ、顧客からの信頼性を失墜させることになります。

そして、サンプル注文をした顧客に定期コースを回数縛りですすめると、定期になる顧客が減ります。

つまり、回数縛りの条件があるなら、商品はいらない。
ということです。

結果的に回数縛りをしない方が、売り上げ的にも、ロイヤルカスタマー戦略にも良いことが実証されました。

実際には回数縛りをすることで飛躍的に売上を増やした会社もあります。
しかし、それは短期的なビジネスであり、会社の将来性を考えると、得策とは言えないでしょう。


CRMを中小企業にも無理なく、導入、運用でき、かつ効果的な「関係性マーケティングDX」のコンサルティングをしています。
(現在、関係性マーケティングは関係性マーケティングDXとして中小企業のデジタルトランスフォーメンションの推進を後押ししています。)

詳しくは下記まで。
https://www.miyakeyasuo.com

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