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押韻論

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日本語の押韻の基礎的な考察や研究
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#詩論

詩型論:日本語の押韻詩の詩型に関する考察

 こんばんは。Sagishiです。  いよいよ押韻詩の詩型に関する考察をしていきたいと思います。 1 詩行の音数 最初から残念なお知らせですが、現在のわたしは、現代日本語東京方言を使った詩歌で、詩の一行の音数を決めることは事実上不可能だと考えています。理由を以下に列挙します。 1-1 韻律単位の問題  現代日本語東京方言は、モーラリズムの言語ですが、話中では軽音節(1モーラ音節)と重音節(2モーラ音節)が任意のタイミングで出現します。  現代日本語東京方言の自然な日

押韻詩論のための覚え書き①:英語のRhythmed verseを知る

 英語の押韻定型詩(Rhythmed verse)は、連(Stanza)、対句(Caplet)、行(Line)、フット(Foot)といった集合から成ります。  フットは「音節(Syllable)」を最小の韻律単位にし、1つのフットにはほとんどの場合に「強勢(Stress)」と「押韻(Rhyme)」が含まれます。フットに強勢がない場合は押韻も意味を成しません。  英語の押韻定型詩で最も一般的なタイプは、「ソネット(Sonnet)」と「普通律(C. M.)」だと言えるでしょう