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押韻論

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日本語の押韻の基礎的な考察や研究
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2021年7月の記事一覧

「押韻価」を定義する意義 [押韻論]

 こんばんは。Sagishiです。  今回は、私がこれまで記事に何度も書いている「押韻価」という用語の定義と、用語を定義する意義を記事にします。 ・押韻価  押韻を評価するために使う、ある範囲を持つ文章/音の連続体  「押韻価」を定義する意義は、下記です。 ①「単語」以上の音数を持ったり文節を跨いだりする文章/音の連続体を定義することが可能になる。 ②特定の範囲を示す音数の連続体同士の押韻を、より直感的かつ簡易的に分析することが可能になる。  これによって、下記のよ

粘性と響きの押韻論、子母音の効果 [押韻論]

本記事は、2019/02/02にniconicoのブロマガに投稿した記事です。サービス終了に伴い、noteへ記事を移管しました。過去に書いた記事なので、現在の私の押韻論から変更がある箇所もあります。ご了承ください。 序文 国内において、画期的で優れた押韻論を展開するひとは数名しかいない。多くは、母音での押韻についての論や、どう韻を踏むかという一義的なものに終始しており、その効果についてまで深く検証していない。  押韻論は、先行文献の数が少なく、文学論として確立することが難

2021年前半の押韻論のまとめと今後の展望

 こんばんは。Sagishiです。  今回はちょっとラフな感じで、2021年前半を振り返っていきます。  2021年前半だけでも、色々な押韻や言葉の響きに関する記事を書いてきました。代表的な仕事は下記ですね。 ①リズム単位に関する考え方の提示 https://note.com/yasumisha/n/nf32d9e3249cc?magazine_key=m3cf6c1dcbf88 ②多音節韻(Multisyllabic Rhymes)の紹介 https://note.