変わらなくていい犬
ジャスへ
ジャスと私は双子であり、姉妹であり、母娘でもある二人だったよね。
私はあなたが世間でいう「犬」だってこと忘れがちだった。
だって何でも一緒だった。
ごはんを食べるのもイスに座って隣同士で。
寒い日の朝の支度はストーブのドまん前を二人で陣取ってた。
夜寝るのだって同じベッドで、同じ枕でくっついて寝てた。
ジャスも私もひとりぼっちになることなんて1回もなかった。
でも世の中にはね、さみしい子もいるみたいよ。
TVや雑誌、新聞で目にする命の問題が悲しすぎるの。
You tubeやFacebookで流れてくる殺処分ニュース。
そんな悲しいニュースをみると何だか人間であることが恥ずかしくなる。
どうして人間っていう生き物は
「自分がされると嫌なこと」を平気で相手にするんだろう。
どうして「自分がしてほしいこと」を相手にできないんだろう。
ジャスはいっつも私がされると嫌なことは絶対にしないし
私もジャスが嫌がることは絶対しない。…ようにしている。
たまにジャスが嫌だって言ってもいっぱいチューするのは…許して。
ジャスはいっつも自分がしてほしいことを私にしてくれるよね。
私もジャスがしてほしいだろうな、って思うことをするようにしてる。
悲しい目をした子を見ると思うの。
変わらなきゃいけないのは人間だ!
変わらなきゃいけないのは私。
ジャスはそのままでいいの。だって完璧だもの。
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