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君たちはどう生きるか?【100 Papageno Story】

自分が生きた証をなんらかの形で残したいと思う人は少なくないと思う。きっと宮崎駿さんは遺言に近い形で「君たちはどう生きるか」という作品を残したのかなと思う。

御多分に洩れず僕がパパゲーノを創業したのは、魂を込めた「人生の代表作を残したい」みたいなエゴがある。

人が死んでも、事業は死なない。
事業が死んでも、組織は死なない。
組織が死んでも、思想は死なない。

だから、思想を表現する魂や生き様が込められた「名言」とか「伝説」とか「作品」というものには、深い価値があるのだと思う。

人間が死ぬ合理的理由は、思想(ソフト)と遺伝子(ハード)をアップデートするためなんだと思う。

100 Papageno Story(ワンハンドレッド・パパゲーノ・ストーリー)という形で、パパゲーノでは100人100色のリカバリー、生き様を丁寧に魂込めて紡いでいくアートプロジェクトを運営している。絵本、音楽、動画、絵画、漫画、NFTと多様な表現手法に挑戦してきた。

当事者性やナラティブを大事にしたいから、制作物に細かく口は出さない。パパゲーノ効果/ウェルテル効果の研究に基づくガイドラインを参考に、自殺の具体的手段に関する情報などネガティブな影響を与えかねないものは修正をおいしたりするけど、逆に言うとそれ以外はなるべく個人が魂込めて表現したい何かを形にできるよう、「待つ」ということしかしてない。

介在価値はちっぽけかもだけど、世の中には意外と、自分の語りたい何かを語りたいタイミングで表現することを待ってもらえる機会ってなかったりもする。

「無謀過ぎるプロジェクトだ」と各方面から言われていた。僕は知財ビジネスの経営センスもないし、アートの専門性があるわけでもない。ただの素人で、ただの聞き手でしかない。

パパゲーノ効果の研究もまだまだ発展途上。一言目には「リスク」とか「スケーラビリティ」とかいう言葉でとにかく辞めた方がいいと言われ、二言目には「非営利組織でやりなさい」と諭される。

実際、苦戦しながらも、なんとかやり続ける方法を模索している。もし外部株主がいたら撤退してただろうけど、幸い融資で資金を繋ぐことが出来ているから、小さくても活動を持続できている。

ついに7月から、東京にオフィスを構えることができた。今は白くて何もない会議室だけど、ここを「100 Papageno Story」で溢れさせたい。

生きることの苦しみや孤独を感じていた人が、自分だけじゃないんだなと思える瞬間。忙しさで生きることの空虚さを穴埋めしていた人が、ふと立ち止まる瞬間。そんな瞬間をこの空間から、たった1人にでも、提供していきたい。それが、3時間後に消える蝋燭の灯だとしても。

ちなみに、100 Papageno Storyの100人目は、僕自身のリカバリーを語ろうと決めている。100 Papageno Storyという1つの物語を完成させるための紆余曲折、山あり谷ありのパパゲーノの物語の過程が、僕の生き様であり、リカバリーだから。

今のペースだと100人分の作品の完成には10年以上かかるから、一体いつになるのかはわからないけど、100人目の自分が何を語り、物語を終わらせるのかを楽しみに、もう少し頑張ってみようと思う。

【#君たちはどう生きるか?】【#100PapagenoStory】

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