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【徹底解説】健康経営エキスパートアドバイザーとは?

こんにちは!やすまさ(@yasumasa1995)です。先日、健康経営アドバイザーの次のステップとしてより専門な企業への健康課題の改善提案力を養う「健康経営エキスパートアドバイザー」の知識確認テストと実技研修を受けてきました。
新しい資格で情報が少ないので、この資格の概要や申込み方法、実際に認定取得した際の体験談とともに徹底解説していきます。

健康経営エキスパートアドバイザーとは?

健康経営エキスパートアドバイザーとは、東京商工会議所が運営している認定資格です。健康経営アドバイザーの次のステップとして健康経営エキスパートアドバイザーという資格があります。

東京商工会議所は、「健康経営専門家派遣制度」という中小企業に健康経営のアドバイスをする専門家を無料で派遣する事業を提供しています。この事業に関連して、健康経営の専門人材を養成する「健康経営エキスパートアドバイザー」研修を実施しています。2020年度は5回目の募集でした。

僕は前職の株式会社エムステージでも、現職の株式会社iCAREでも、東京商工会議所の健康経営専門家派遣制度を利用してアドバイスを受ける側を経験しています。そのため、どういうフレームワークで課題特定をするのかは何となくイメージできていました。

健康経営アドバイザーと健康経営エキスパートアドバイザーの違い

「健康経営アドバイザー」と「健康経営エキスパートアドバイザー」の違いをまとめると以下の表のとおりです。

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「健康経営アドバイザー」は、8,800円(税込)さえ払えば誰でも認定取得できる非常に簡単な試験です。3時間あれば「健康経営アドバイザー」という肩書きを手に入れられるおいしい資格です。

それに対して、「健康経営エキスパートアドバイザー」はハードルが少し高いものになっています。そもそも受験資格として専門資格か実務経験が必要です。また、CBT試験での知識確認テストも50問なので不合格になる人も少なくありません。さらに、ワークショップでの実技研修を経て課題を提出して審査されます。ワークショップや課題の審査があるため受験費用も27,500円(税込)と高めです。

とはいえ、まじめにやれば認定取得は問題なくできる資格です。

健康経営エキスパートアドバイザーの受験資格

健康経営エキスパートアドバイザーを受験するには、2つの条件を満たす必要あります。

1つは、健康経営アドバイザーの認定を受けていることです。こちらは、動画での2〜3時間のeラーニング研修を見て10問の知識確認テストを回答すればすぐに取得できます。費用も8,800円(税込)です。

(※情報が2017なんの古いものですが、上記の記事に健康経営アドバイザーの情報はまとめてあります。)

2つめの条件は、産業保健に関わる「専門資格の有資格者」か、「実務経験者」であることです。以下の通り資格と実務の要件が決められています。

<受験資格>
【所定の有資格者】

・中小企業診断士
・社会保険労務士
・医師
・保健師、看護師
・労働衛生コンサルタント
・管理栄養士
・健康運動指導士

【所定の実務経験者】
(1)「健康」「医療」「保健」に関する実務
医療保険者・医療機関・健診機関等での勤務経験など
(2)「経営」に関する実務
経営者本人または、経営企画など企業経営に従事していた経験など
(3)「人事労務」に関する実務
人事担当者、労務管理担当者として従事していた経験など
(4)「健康経営」に関する実務
健康経営の普及や支援に携わっていた、企業などで実践に関わっていたなど

※申告フォームの「実務経験」欄に記入した内容によって受験の可否を判断されます。

僕は「所定の実務経験者」として申込をした結果、無事受験資格を満たしていると判断されたようで受験ができました。前職では産業医紹介事業を中心とした産業保健サービスの営業企画、現職では企業の産業保健業務を一元管理するクラウドサービスの提供をしていて、実務経験は3年ほどになるので、「健康経営」に関する実務に当てはまり問題なくクリアできたようです。

そこまで厳しく実務の内容はチェックされていないように思いますが詳細は不明です。

認定取得する3つのメリット

先日受講し、産業保健に関わる仕事をされている方には、ぜひお勧めしたいなと感じました。健康経営エキスパートアドバイザーの認定を取得するメリットを3つご紹介します。

【1】健康経営の課題特定から改善提案までのフレームワークが身につく

1つめが、健康経営のフレームワークを学べることです。座学の知識確認テストで基礎的な知識は習得した上で、ワークショップにて課題特定のフレームワークを使って改善提案をすることになります。健康経営優良法人の認定基準をベースとした、課題特定、改善提案の流れを徹底的に身につけることができる点がいいなと思います。

また、教材のクオリティが非常に高いことも魅力的なポイントです。民間資格だと醜いスライドや読みにくいテキストの教材の残念な資格もあったりしますが、健康経営アドバイザー、健康経営エキスパートアドバイザーに関してはテキストや研修の内容は洗練されていてクオリティが高いです。

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【2】プロからフィードバックをもらえる

ワークショップ研修では、健康経営優良法人の認定基準の検討委員会の方や健康経営エキスパートアドバイザーとして実際に企業のコンサルティングをされている方がクライアント役となりロールプレイングを行います。自分のヒアリングスキルやプレゼンスキルについて、健康経営の最前線にいるプロから直接フィードバックをもらえるのは貴重な機会かと思います。

【3】多様な視点の専門家と議論できる

3つめが様々な専門家と議論できることです。大手企業から中小企業まで、人事部の方や保健師さん、ストレスチェック会社の方、カウンセラーの方、社労士さん、中小企業診断士など色んなバックグラウンドの人が参加しています。年齢もバラバラな各分野のプロと1つの企業の健康課題について真剣に議論してコンセンサスを取る経験はおもしろかったです。例えば、「そんな理想を押し付けるような提案はきいてもらえない」という意見が出たりもして。なかなか難易度高かったです。

また、改善提案のアイデア出しの時に、ベネフィット・ワンさんのポイントサービスの導入があがったりしていました。100名未満の中小企業ですと、費用感が合わずに導入できないことがほとんどかと思います。僕はその点がすごく気になって「もっと安くできないか?」「もっと手間なく最小工数でできないか?」と、ROIの視点を主張してばかりいました。笑

健康や健康経営に対する思想は人によって異なるので、議論を通してそのことを体感できたのはとてもよかったです。

 認定取得までの流れ

申し込み後の認定取得までの流れは以下の5ステップです。知識確認テストでも不合格者は落とされ、ワークショップ研修の事後課題でも不合格者は落とされるので、意外とまじめにやらないといけない道のりになります。

【STEP1】テストセンターで知識確認テスト

お近くのテストセンターにてCBT試験で受けることになります。MyPageより申し込みます。90分50問の4択です。

【STEP2】ZOOMでワークショップ研修

知識確認テストに合格すると、MyPageからワークショップ研修の予約ができるようになります。オンラインで6人のグループでワークショップを行います。健康に関する課題のヒアリングと改善提案のロールプレイングをします。

【STEP3】ワークショップ研修の事後課題提出

ワークショップ研修後に、学んだことを個人ワークで試してみる事後課題があります。サンプル企業の健康課題を3つ特定し、改善提案の資料を作ります。ワークショップ研修の実施日から2週間程度が期日となるため、それまでにメールで提出します。

【STEP4】提出課題の審査

課題提出からしばらくすると審査結果が出ます。こちらも合格基準は8割となっています。ワークショップ研修で学んだことを活かせば落ちることはあまりないかなと思います。

【STEP5】認定取得

課題が審査されて合格基準に達していたら、見事認定取得です。健康経営エキスパートアドバイザーとして名乗ることができるようになります。また、健康経営倶楽部の健康経営エキスパートアドバイザーの一覧ページ内に希望者は掲載してもらうことができます。

【体験談】知識確認テスト

2020年11月28日(土)16:30〜18:00で、渋谷テストセンターにて受験しました。

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パソコンが並んでいるテストセンターで受験。制限時間は余裕があったのですが1時間もしないうちに終わらせて退出しました。

実はこの翌週にTOEFLを受験する予定があったため、英語の勉強を中心にしていて、健康経営エキスパートアドバイザーの知識確認テストの事前勉強としては、予想問題集50問を前日にざっと1周解いた程度でした。正直、受験料をドブに捨てた気がしていたのですが、ギリギリで合格できていてホッとしました。社労士試験の勉強を3年間していたので、労働法令周りをきっちり得点できたのが大きかったと思います。

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労働法令や健康経営について知識に不安のある方は、予想問題集50問を解いてテキストを復習した上で、経済産業省の健康経営優良法人に関する各種資料を読み込んだり、法改正の情報をおさえておくと良いかと思います。

僕のチームメンバーで受験して不合格だった方もいたので、8割を得点するのは意外と難しいです。しっかり勉強して臨んでみてください。

ちなみに、こちらは推測での話ですが、実際の合格基準は「実務経験+知識確認テスト」をもとにワークショップ研修に参加可能な上限人数に対して相対評価で落としているのではないかと思います。僕の参加した回については、他社の方と情報共有したところ、「知識確認テストで8割も取れなかった」という声が多かったので、絶対評価ではなく、定員に達する分を合格させる相対評価なのではないかと。

【体験談】ZOOMでのワークショップ研修

知識確認テストが合格した通知メールにワークショップ研修の案内があります。ワークショップ研修の申込み受付期間は2020年12月18日(金)~2021年1月8日(金)でした。危うく申込みを忘れるところだったので気をつけてください。

MyPageから開催日を選択して、僕は2021年1月24日(日)9:30〜を予約しました。期限ギリギリに予約したせいか、それ以外の回は空きがあまりなかったです。

自己紹介

参加したワークショップ研修の回は、合計18人が参加していて、3グループに6名ずつわかれていました。9:10からZoomで会場が開かれて参加者が集まります。9:30になると、すぐにグループごとの部屋(ブレイクアウトセッション)に移動して、初対面の参加者同士で自己紹介をしました。

株式会社iCAREというスタートアップで働いている田中康雅と申します。企業の健康診断、ストレスチェック、長時間労働管理、産業医面談などの健康管理業務を一元化するCarelyというクラウドサービスを提供しています。

というテンプレの自己紹介をしたところ、iCAREのことを認知していただいている方がいて嬉しかったです。

ヒアリングのロールプレイング

講師の中村稔さんは、健康経営優良法人の認定基準の検討委員会にも参加されている方でした。
中村稔さんに加えて、健康経営エキスパートアドバイザー檜山さん、事務局、がクライアント役として参加。事前にヒアリング項目についてグループ内で戦略を練った上で、2人がヒアリング担当としてクライアントにヒアリングするロールプレイングを3セット実施しました。ファシリテーター役、ヒアリング役、タイムキーパー役をそれぞれれ3回のロープレで実践するので、議論進行していく力も身につけられるかと思います。

事務局の方は基本的に何もしてくれないので、参加者たちが主体的に議論を作っていく必要があります。

健康課題の特定と改善提案

最後にヒアリング結果を踏まえて健康課題を3つ特定し、改善提案の内容をまとめて5分間のプレゼンテーションをしました。特に課題の優先度TOP3をどう意思決定するかの議論が面白かったです。バックグラウンドの異なる6名で話しているので、各々気になるポイントが違うんですね。法令や実務に対する理解度も異なる。必ず意見は割れるので、その中で優先度を決める観点をどうするか議論を通して合意形成を進めていきました。

僕は発表者として、健康課題に対する改善提案のプレゼンをしたのですが、健康経営優良法人の認定基準を作った方から直接フィードバックをもらえるというのがありがたかったです。講師陣からのフィードバックが的確で、なるほどなぁと思いました。ヒアリング→課題特定→改善提案の一連のプロセスをロールプレイングで練習できてよかったです。

ワークショップ研修で郵送される資料一覧

ワークショップ研修前に、以下の11点の資料が郵送されてきます。僕は職場に郵送していただきました。

郵送されてくる資料
【資料1-1】健康経営エキスパートアドバイザー研修 タイムテーブル
【資料1-2】健康経営エキスパートアドバイザー研修 資料一覧
【資料1-3】健康経営の具体的取り組み一覧
【資料2-1】健康経営エキスパアートアドバイザー研修 研修用スライド①(前半)
【資料3-1】健康経営エキスパアートアドバイザー研修 研修用スライド②(後半)
【資料4-1】健康経営ヒアリングシート(企業記入版)※事前必読
【資料5-1】健康経営ヒアリングシート※開封厳禁
【資料5-2】ワークシート(個人用)
【資料5-3】ワークシート(グループ用)
【資料6-1】効果測定【提出課題】
【資料6-2】効果測定 提出用シート

上記のうち、【資料4-1】健康経営ヒアリングシート(企業記入版)は事前の読み込みが必須となります。僕は開始直前の5分間で読み込んでなんとかなったので、そんなに気を張る必要はないかなと思います。

また、【資料5-1】健康経営ヒアリングシートについては開封厳禁となっています。封筒に大きく「開封厳禁」とシールが貼られた状態で届きます。

オンライン研修だから開封しちゃってもバレない環境の中で、開けたい衝動をおさえられるかを試されている気分でした。結論としては、この封筒の中に入っていた資料は研修でほぼ使わなかったです。笑

開封したいけど、開封しちゃいけないドキドキを楽しむためだけの遊び心だったようです。(実際のところはオフラインでの研修を想定してだと思います)

【体験談】事後課題

ワークショップ研修の事後課題は、サンプルの企業の情報をもとに、健康課題の特定と改善提案を行う提案書を作ることです。adctr-s@tokyo-cci.or.jp宛にメールで「資料6-2 効果測定解答用紙」というWordファイルを提出します。

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オンラインでのワークショップ研修ではこれらのファイルがZoomのチャットにて送付されてダウンロードできます。

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事後課題はそこまで難しいものではありません。ワークショップ研修を受けていれば、サクッと1時間もかからずに終わる内容です。具体的な改善策については、テキストや資料を見れば参考になる情報がたくさんあるので、特に悩むことなく書き進めて提出できました。

課題提出のスケジュール
ワークショップ研修:2021年1月24日(日)
提出期限:2021年2月7日(日)24:00
合否通知:2021年2月19日(金)17:00
認定期限:2年間
有効期限:2023年2月28日

※2021年1月24日に健康経営エキスパートアドバイザーのオンライン研修を受けました。上記はその際の課題提出、認定の期日となります。あくまで参考程度としてください。

課題の審査基準としては以下のポイントが見られます。

【提出課題の審査基準】
・現状の良い取り組みを具体的に記載できているか?
・優先度の高い課題を的確に3つ抽出できているか?
・課題抽出の根拠となる現状を具体的に記載できているか?
・提案内容が具体的に記載できているか?
・提案に対して有効な公的支援・活用ツールを剪定し名称と内容を記載できているか?
・提案内容に一貫性があるか?
・誤字脱字がないか?

クライアントに提出する書類としてふさわしい内容かどうか審査されるため、誤字脱字も審査の基準に入るようです。上記の審査基準を参考に、Wordファイルを見返してから提出しましょう。

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メールで提出したところ、すぐに受領確認のメールが返ってきました。合否は2月19日(金)17:00にメールで配信されるようです。結果が楽しみです!

その後、無事合格して健康経営エキスパートアドバイザーとして認定を受けることができました。罤5回は合計282名が認定されたようです。

健康経営エキスパートアドバイザーの申込み方法

東京商工会議所のホームページにて、募集開始期間になると案内が表示されます。それまでは昨年の案内ページになっています。募集開始の情報は、メルマガに登録しておくとすぐに把握できるのでおすすめです。第5回の知識確認テストの申し込み受付期間は2020年10月14日(水)〜2020年11月13日(金)でした。

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募集期間中になったら、CBTSのページにログインして申し込みます。

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受験者My Pageの「健康経営EXアドバイザー知識確認テスト申込」メニューをクリックします。

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申込期間中の健康経営エキスパートアドバイザーの知識確認テストを探してこちらから申し込みができます。

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「テキスト発送有」か「テキスト発送無」かを選択し、テストセンターを決めて予約します。受験資格が「専門資格」の場合は資格番号を入力します。「所定の実務経験」の場合は「実務分野」「名称」「期間」「具体的な内容」を入力します。

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僕はiCAREでの実務経験を記入しました。

支払い方法はクレジットカードまたはコンビニ/銀行ATM(Pay-easy)でのお支払いができます。クレジットカードは、VISA、JCB、MasterCard、AmericanExpress、DinersClubが利用可能です。お支払い回数は、一括払いのみとなります。

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申込完了のメールが届きます。メールに記載の通り、事前に受験票などが郵送されることはありません。こちらのメールを保存しておいて、テストセンターで当日見せることになります。当日は、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認証と感染症対策でマスクも必要だったので忘れないよう注意してください。

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テストセンターで受験した結果が合格だった場合は以下のようなメールが届きます。MyPageにアクセスして、候補日の中からワークショップの申込を行います。僕の場合はメールに気付いたのが遅かったためか、1月24日(日)しか空いている日がありませんでした。

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なお、このタイミングでワークショップの受講料22,00円を支払います。

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ワークショップの申込が完了すると以下のようなメールが届きます。ZOOMのURLは直前に改めてメールで連絡がきます。

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ワークショップの数日前に以下のようなメールでZOOMのURLとパスワードの案内が届きます。

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健康経営エキスパートアドバイザー認定取得の費用

受講料は知識確認テストとワークショップで分かれています。また、テキストの発送有無でも料金が2,200円違います。地味にテキスト代は高いですね。

受講料
・知識確認テスト(テキスト発送有):7,700円(税込)
・知識確認テスト(テキスト発送無):5,500円(税込)
・ワークショップ:22,000円(税込)

知識確認テストだけ合格し、ワークショップの事後課題に不合格だった場合に翌年度の健康経営エキスパートアドバイザー試験にて知識確認テストが免除されます。そのため、昨年度に知識確認テストのみ合格していた方は、ワークショップのみ(22,000円)の申込となります。

健康経営アドバイザーに申し込んでいれば、テキストは既に持っている方も多いかと思います。その場合は、テキスト発送無し(5,500円)の方を選択します。知識確認テストとワークショップの料金と合計で27,500円となります。

健康経営エキスパートアドバイザーのよかったところ

健康経営エキスパートアドバイザーを2020年度に受験して僕が感じたよかった3つのことをご紹介します。

【1】今後の事業方針を考える上で役立った

iCAREでは「Carely Place」というプラットフォームビジネスを立ち上げることに挑んでいます。Carelyに一元管理されている膨大な健康情報を分析して、組織の健康課題を特定し、最も投資対効果の高いハイリスクアプローチを提案して、ヘルスケアサービスとマッチングするというものです。

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ここでやろうとしていることは、まさに健康課題の特定と改善提案です。健康経営優良法人の認定基準をベースとしたコンサルティングのフレームワークを学ぶことで、この事業を展開していくイメージを具体的に掴むことができました。

【2】教材のクオリティが非常に高かった

教材やワークショップのクオリティが非常に高い点も好印象でした。テキストについては、仕事でも使えるので辞書的によく見返る本の1つになっています。しっかりと製本されていて読みやすくまとまっています。

ワークショップについては、オンラインでの開催のためトラブルや時間の無駄があるかなと思ったのですが、とても効率的に運営されていて感心しました。昼休み中に個人ワークは終わらせておいて、午後はグループワークから始まる、みたいなスケジュールの組み方も秀逸でした。機材トラブルなどもなく、安心して終日のワークショップを受けることができました。

【3】業界の市場動向をキャッチアップできた

健康経営エキスパートアドバイザーの研修を通して学べた内容としては、健康経営優良法人関連の最近の動向をキャッチアップできたことが何よりよかったです。近い業界の専門家と議論することになるので、業界内で相対化した時に自分がどの程度バリューを出せる人材なのかを測る機会としてもよかったなと思いました。

健康経営エキスパートアドバイザーの残念なところ

この資格の残念だなと感じたポイントも3つご紹介します。

【1】料金が高く、認定の有効期限もある

1つめが費用面です。僕自身は36,300円と30時間を投資しただけの価値があったなと感じています。ワークショップ研修もついているため、費用がかかるのは仕方のないことかと思います。

しかし、認定の有効期限があって、更新の度に費用がかかるのは少し残念だなと思いました。認定期間は2年間で、更新料が16,500円かかります。

【2】認定取得してもお金にならない?

健康経営アドバイザー派遣制度にて派遣される専門家になれるというわけではありません。(※2021年1月に東京商工会議所に問い合わせたところ、現在は募集していないとのことでした。)

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キャリアアップにつなげるために資格を取りたいという方もいるかと思います。しかしながら、あまりにも新しい資格のため資格手当の制度設計が追いついておらず対応できないケースも多いだろあと思います。すぐにお金に繋げにくいのが少し残念なポイントです。

【3】コミュニティ機能が弱い

最後に残念だったところはコミュニティとしての機能の弱さです。研修参加者のFacebookグループを作成したりTwitterなどで繋がるためのネットワーキングの時間があるだけでもとても助かるのですが、次の機会に繋がる人脈を広げることはあまりできませんでした。気になる人はたくさんいたので、もっとグイグイ自分から連絡先交換のお願いすればよかったなぁと研修終了後にちょっと思いました。

健康経営エキスパートアドバイザーの更新手続き

健康経営エキスパートアドバイザーの認定期限は2年間です。認定期限を完了する前に、以下の3ステップをすべて終わらせて更新手続きをする必要があります。

【1】WEBで動画視聴

WEBで公開される動画を視聴して、簡易のテストを3講座以上修了すると、更新申請ができるようになります。動画の視聴は無料です。

【2】更新申請

認定期限の3ヶ月前になると、更新申請ができるようになります。更新料は16,500円(税込)です。

【3】更新WEBテストへの合格

最後に更新WEBテストに合格すると更新完了です。更新WEBテストは8割が合格基準ですが、合格するまで何度も受けることができるので、不合格で更新できないということはあまり起こらないかと思います。

更新について、東京商工会議所のHPには以下の記載があります。ルールは変わるかもしれないので、最新の情報を各自ご確認ください。

更新申請は認定期限の3ヶ月前より可能となります。いずれも、対象者にはあらためて個別にご案内を差し上げますので、お待ちいただきますようお願いいたします。

産業保健関連資格との受験料金比較

【各資格の受験料】
・健康経営アドバイザー:8,800円(税込)
・健康経営エキスパートアドバイザー:27,500円(税込)
・第一種衛生管理者:6,800円(非課税)
・第二種衛生管理者:6,800円(非課税)
・メンタルヘルス・マネジメント検定(1種):11,000円(税込)
・メンタルヘルス・マネジメント検定(2種):6,600円(税込)
・メンタルヘルス・マネジメント検定(3種):4,400円(税込)
・社会保険労務士:15,000円(税込)※令和3年から9,000円より値上げされています
・社会保険労務士(事務指定講習):77,000円(税込)

健康経営エキスパートアドバイザーはこんな人におすすめ!

この資格は産業保健・健康経営の実務に関わっている人におすすめです。

【健康経営エキスパートアドバイザーはこんな人におすすめ!】
・産業保健関係のサービスの営業やカスタマーサポートをしている方
・自社で健康経営優良法人の認定取得に関わっている方
・toCのヘルスケアサービスをtoBに展開していくことを考えている方
・健康経営について最新の動向をキャッチアップしたい方
・健康経営専門家派遣事業で派遣される専門家になりたい方(詳細不明)

料金が健康経営アドバイザー8,800円、健康経営エキスパートアドバイザー27,500円で、合計「36,300円」、時間は「20時間〜30時間」ほどかかります。ですが、上記に当てはまる方は積極的に受験を検討されることをお勧めします!教材やワークショップのクオリティは非常に高くて勉強になるのでぜひご検討ください!

この記事が少しでも参考になれば幸いです。いいな、と思ったら、ハートマークをクリックして、TwitterやFacebookに投稿いただけると嬉しいです。

気になる点やご質問がある方は、お気軽にTwitterなどでDMください〜。

2021年6月末まで、クラウドファンディングを実施しています!上記ページを見ていただけたら嬉しいです。自殺予防やメンタルヘルスに関心のある方はTwitterなどで気軽にご連絡ください。

産業保健分野で働くひとに役立つ「インプット大全」を上記のnoteにまとめているので、こちらも参考になれば幸いです。

産業保健のおすすめ資格リスト
・健康経営アドバイザー
・健康経営エキスパートアドバイザー
・メンタルヘルス・マネジメント検定(1種/2種/3種)
・第一種衛生管理者/第二種衛生管理者
・社会保険労務士

iCAREでは一緒に働くひとと組織の健康創りに挑戦する仲間を募集しています。興味のある方はぜひ一度お話しましょ〜。


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