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あなたは自分や自分の家族が無差別殺人を犯す可能性があると思いますか?  読書note48「歪んだ正義」大治朋子

現代のテロ、過激派組織が起こすものに加え、ローンウルフと呼ばれる一人が引き起こすものとが加わり、世界は危機にさらされている。「普通の人」が過激化する時代なのだ。

本書は、その普通の人が過激化するプロセスを丁寧に「見える化」しようとしている。

キーワードを並べると、「抑圧」「喪失感」が「被害者としての意識」を作り出し、「善悪二元論的な発想」を生む。それが社会的大義へと視座を広げる「ナラティブ(物語)」と外の敵に対する「正当な報復」という考えを作り出す。そして、「殉教者」として自己実現を図る「アイデンティの追求」が過激化へとつながると述べている。

読み進むうちに思い出した歌詞がある。ミスチルの「タガタメ」。

「子供らを被害者に 加害者にもせずに
この街で暮らすため まず何をすべきだろう?」

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