続々玉城徹の歌

じっくり玉城徹を読もうと思いつつなかなか思うように行かない。
忘れないようにちょこちょこ書くにはnoteは便利だ。

乙女椿を撮影。事務所近くで。

『枇杷の花』に

花終るかあるいはいまだ残れるか行きつつ思ふカメリア・サザンクワ

とある。
はじめは・で2つの植物を並べていると解釈。

カメリアは椿の英名。ゆえに、椿&山茶花。
どうもしっくりこないと思い、学名をひくと、

山茶花の学名が Camellia sasanqua とある。

旧仮名のサザンクワが、sasanquaに妙に合っている。

こんな風に学名で詠み込む歌は玉城徹に多いのだろうか?

学名にすることにより花の出自に思いが行き奥行きが出る。

椿はぽとりと花首が落ち、山茶花は花びらが散る。山茶花だとすると、上句のまだ少しでも花が残ってるのではと期待を持つ感じがあてはまるのではないか。

以前撮った銀閣寺道の山茶花。

しかし、そんなことどっちでもいいよ、と作者は言っているようでもある。カメリア・サザンクワの響きを置いてみたかったのではとも思う。

花一つツルニチニチにほのかなり妻なしにしてわれ春に逢ふ

やさしく寂しく韻律にも魅力がある。同歌集より。

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