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         抗う

電車のシルバーシートのとなり、年恰好は同年輩かと思われる人は、膝の上のバックに手を置いていた、その手がとても美しく、私の色黒く、しみだらけで、血管の浮き出た手を思わず引っ込めてしまった。

 私八十になった時この先は歳をとらないと年齢に抗ってきたが、一年、一年音もなくやってくる老化を自然に受け止めなければいけないらしい。

 膝の違和感、脚腰の関節の衰えを自分で感じ、やっぱり年齢には勝てない事を感じるようになった。

膝にはヒヤルロンサン、コンドロイチン、グルコサミンがいいとかこんな広告も数多く、目についたり、身内からはもう歳、だから、杖をつくほうがいいとか、医者の診断も加齢ですねの一言。
 フレイル予防のための、運動、とか食事の勧めのパンフィレットが区から送られて来る。

やっぱり自分の年齢に対する老いの現実を見つめなくてはいけないようである。

 夜ホワイトニングのハンドクリームを念入りにつけ、マッサージしてみるが、もう遅いよとどこからか聞こえそうである。

 でも、精神的にはいつまでも歳に抗っていたいと思う。
よるTVで上原ひとみさんのジャズピアノを聞いて、何年か前コンサートで聴いて、元気を貰ったことを思い出す。


# 抗う  # 年齢  # 老化