見出し画像

8月16日 新都橋→康定

  翌日、宿を出るときにおっちゃんに宿泊料を払った。2人で960円。友人は多めに1,600円にしようと言ったけど、1.5倍はちょっと「上から目線」過ぎるような気がしてしまう。ぼくが貧乏性なだけか?1,280円にすることにして、おっちゃんに渡すと、いや、960円でいいと言って断る。だけど、昨日のお酒の代金だと言うと、受け取ってくれた。多くのチベット人はチップを受け取ろうとはしない。もちろん、ぼったくりもいるのだが・・・。おっちゃんに康定行きの白タクを捕まえてもらい、おっちゃんと別れた。
白タクは5人乗りの車なので、康定行きの客を4人見つけるまでは出発しない。距離は60kmほどだが、標高4,000m超の折多山峠を越える。料金は1人640円。安い。友人が乗った八美→塔公が30kmで640円、高低差も小さい。塔公→新都橋が35kmで4,000円。これは他の客がなく、車を貸し切ったので高かったみたいだけど、ちょっとぼったくられたかな。
30分経ったが、他の客は見つからない。1人640円なら、ぼくらが4人分出すからもう、出てくれと言って、出発してもらった。途中、赤ん坊を抱いた夫婦を乗せた。この夫婦はすぐ降りるのかと思ったら、最後まで乗っていた。ということは、この夫婦からもお金を取るんだろうから、ぼく達の払う料金は4人分2,560円よりは安くなるだろう。そう思って3,000円払うと、お釣りを440円しかくれなかった。そのときの運転手の目とお釣りを渡す手が、「これでいいかなぁ?」と遠慮がちというか、様子を見ているというか、控えめだったので、何も言わずお釣りを受け取った。
康定のバスターミナルは町の東の端にある。ここで車から降りたのだが、すぐに客引きが寄ってきた。うちに泊まれとか、新都橋に行くのか?とか、成都に行くのか?とか。客引きをかわしながら、自転車を組み立て、まずは明日の成都行きのバスチケットを買う。それから、友人と歩いて町の中心に向かい、本日の宿を探す。康定は新都橋よりも遥かに大きい町で、観光客も多く、かなり賑わっている。ちょっと高そうなホテルを見つけ、チェックインする。ツインルームで1人あたり1,440円。まだ10時前なのに、部屋に入れてもらえた。まだ、ベッドメイキング中にもかかわらず。
部屋に自転車と荷物を置いて、昼食に出た。まだ11時になってないけど、朝食がカロリーメイトだったので、おなかがすいていた。ラーメンと刀削面を頼んだ。刀削面は餃子の皮を5枚重ねたくらいの厚さのものを食べているようだし、スープも辛くて半分残した。いつか美味しい刀削面に出会いたい。ラーメンは美味しかった。昼食後、街を一回りして、タクシーで4kmほど離れた二道橋温泉に向かった。ここは非常に有名な温泉で、温泉プールもある。1室1時間640円。3m×3mの部屋が2つで、1つには1.5m×1.5mの湯船が、もう1つにはトイレと木のベッドが置いてある。で、許せないのが、トイレ部屋の床の方が40cmほど高くなっている。もちろん中国式トイレである。トイレの床を流れてきた水が、湯船に入ってしまう。かんべんしてくれよ~~~。トイレはもちろん使用せず、ただ、お湯に浸かった。身体を洗うと流したお湯が湯船の中に入ってくる。ちゃんと床に傾斜をつけてはいるが、排水口が高い方にある。??? ちゃんと低い所に排水口を付けてくれよ~~~。でも、温泉は非常にいいお湯で、温度も泉質もばっちしである。30分以上もお湯に浸かり、疲れを癒した。また、来年も走りたいなぁと思う。あんだけ、しんどいと思っていたのに・・・。温泉から上がって、ベンチに座り、1個32円のアイスを食べた。もちろん、冷たいビールの方が良かったのだが、ここには置いてない。まあ、今日の晩ご飯までガマンしよう。帰りは歩く覚悟だったけど、白タクが帰りの客を当てにして待っており、声をかけてきた。2人で240円だという。来るときが160円だったので、ちょっと高いけど、文句はない。
街にもどって、松茸市場に行った。テントが10張くらい並んでて、その下で松茸を山のようにして売っている。松茸のにおいが充満している。良さそうな店で40本くらい買った。3kgくらいかな。3,200円だった。ぶちぶち安い。この松茸を4本持って、夕食に出かける。松茸チャーハンをつくって欲しいといろんなお店で頼んでみるが、断られる。仕方ないので、炒飯店で野菜チャーハンとトマトスープを頼んだ。で、この店も冷たいビールを置いてない。ぼくが旅した四川チベットで冷たいビールを置いていたのは、標高1,900mの丹巴だけである。標高が2,000m以上の町で冷たいビールを置いてある店は見たことがない。

二道橋温泉
松茸

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?