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静謐な森の石段の向こうに

高千穂を存分に満喫した。神楽や雲海はまたの
機会とし、宮崎から熊本へ。次に訪れたのは
上色見熊野座(かみしきみくまのいます)神社。
ここ高森町は、南阿蘇の中で「奥座敷」と呼ばれ
静かで自然のやすらぎのある地域だという。

静謐な森の中には、石灯篭と杉の木が続く。
上りながら、しんとした空気を体で感じる。

石段の先にある拝殿でお参りをし、さらに
上を目指す。ゆるやかに曲がりくねった坂道
の先に、大きな岩に開いた穴が見えてくる。

穿戸岩(うげといわ)には、巨大な岩に風穴
が開いていることから、困難な目標でも達成
ができる象徴としてのご利益があるという。
自然が生み出す造形。その迫力を体感する。


木々の重なる葉により、光はやわらかに注ぐ。
一段一段ゆっくりと上る。石の鳥居をくぐる。
森の音が聞こえてくる。しんとしたざわめき。
幻想の世界が広がる。影はじんわりと落ちる。


日々の喧騒からは、切り離された空間がある。
考えることをやめ、その場所に身をゆだねる。
耳を澄ます。体全体で感じることに集中する。
美しい場所。この場所にしかない空気がある。
旅で世界は広がる。これからも旅を続けよう。

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