唐津の風景を一望できる天守閣
七ツ釜からの上り道で体力を消耗するも、平坦な道を
元気に進む。海沿いでは気持ちのよい風が待っている。
まずは旧高取邸へ。炭鉱主として成功した高取伊好の
旧宅で唐津城の程近くに建っていて、平成10年に国の
重要文化財の指定を受けている。敷地に入ると正面に
和風の建物に接続された石貼の洋間が見える。大胆な
配置である。この時点でただならぬ建物であることが、
ひしひしと伝わってくる。内部空間には2階の大広間、
広さを調整できる能舞台、杉戸絵、欄間など至る所に
工夫と、その美学が散りばめられている驚きの建物。
パンフレットには「石炭王の美学に迷い込んでみる」
との記載。中庭を中心に据えた回遊性のある空間を
ぐるりと巡るほどに、当時の息遣いが伝わってくる。
唐津のシンボルでもある唐津城に到着する。その姿を
見上げ、やはりお城は高台に建っていることを実感し、
天守閣までの道のりに思い至る。大丈夫まだ元気だ。
階段を見上げ少し迷ったが、ここまで来て上らない訳
にはいかない。天守閣から見下ろす風景が待っている。
唐津城は豊臣秀吉の家臣、寺沢広高が1602年から7年の
歳月を費やして完成させた。現在の天守は慶長期の様式
で建築されていたと想定し、昭和41年に建てられている。
天守閣からは唐津の町並みや風景が一望できる。気持ち
のよい場所である。ここまで登ってきてよかった。3枚目
の写真は、天守から東を眺めたもの。遠くの虹の松原の
先には、てっぺんの平たい鏡山が見えている。これから
虹の松原を走り抜け、鏡山の中腹の健太郎窯を目指す。
楽しい唐津巡りの旅も、終わりが近づいてきている。
唐津城では人懐こい猫たちが、気ままに暮らしている。
天守への階段の途中にいた猫は、帰る時には、電話
ボックスの中で、さもいつもの場所であるかのように
ゆったりと毛づくろいをしていた。出入りは大丈夫
なのだろう。猫たちに出会うと旅の疲れも癒やされる。
さて、次の目的を目指して進むことにしよう。
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