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中根金作によるもう一つの庭園へ

大心院を後にして、妙心寺の境内をぐるりとめぐり、
中根金作が手掛けたもう一つの庭園へ。それは妙心寺
に多数ある塔頭のひとつの退蔵院の中にある。退蔵院
は越前の豪族、波多野重道により1395年に創建され、
後に再建され、今の方丈は1596年に建築されたもの。

門の向こうに続く景色の前に
退蔵院についての知識もおさえつつ
緑に包まれたアプローチを進む
受付をすませて、角を曲がり
まずは方丈へ。日帰りの旅はまだ続くことを思うと
広縁に座ってのんびりとする間もなく
黒と白は陰と陽。気になるものに目を止めつつ
鶴も黒と白で描かれる
瓢鯰図。退蔵院は国宝も所蔵している
方丈の前に広がる庭園を眺めつつ
気持ちよさそうな広縁を後にして
廊下の片隅に気になるものが

いつかまた時間をとって楽しみにこよう

天井からは明かりが一つ
廊下はここまで。杉戸絵に、これは杉の絵かな
今度は天井から二つの灯り。他にもいろいろ見所が
床の間には瓢鯰図。絵には瓢箪で鯰を

抑えとることができるかとの問いへの答え

書院の先に見えるのは
複雑に石組と植え込みが混じり合う
枯山水庭園が広がっている。白砂は水を、緑は不変を
庭園に込められた意味を味わって
この庭の作者は絵師の狩野元信

狩野派についても少しずつ学んでいこう

方丈の奥に広がる中庭を通り
今度は三つの灯り
気になるものに目を止めて
小さなものから
大きなものまで
漆喰壁に落ちる影
うねるように伸びる枝は
折れ曲がる屋根や
続いていく漆喰の壁にを落とす
石畳と生垣に導かれ
中根金作の出かけた庭園へ。鯰の欄間をくぐると
立派なしだれ桜。咲き誇る様子を思い浮かべつつ
枯山水の庭園を眺めて進む

黒い砂は隠の庭といい

白い砂の陽の庭と合わせて

陰陽の世界を表す

奥行きのある庭園を見通して
途中の多角形にも立ち止まる
庭園を彩る色も楽しんで
奥の建物の通路の先には
瓢鯰図にちなんだ楽しい意匠
抹茶や和菓子を頂ける茶屋は
眺めるだけにして、先へと進み
余香園という名の庭園に広がる風景と

手掛けた中根金作の思いを感じて

冬の水辺の風景に
立体感のある庭園の構成や
枯山水が表す世界感を楽しんで
退蔵院を後にする
見どころをしっかり満喫した
退蔵院の風景を振り返りつつ
ぐるりとめぐった妙心寺を後にする

広大な境内を持つ妙心寺に初めて訪れた。広がる風景
に圧倒されつつ、スケ―ル感を体で味わう。全体から
細部を、一つ一つ見れば限りないことになりそうで、
通りすぎるように楽しんで。それでも、いろんなものに
出会い新たな知識を得る。九州の2年半を思えば、関西
の旅は始まった所だ。旅での新たな出会いを楽しもう。

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