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海岸沿いを走って帰ろう

下関からの関門海峡をぐるりと巡るサイクリングも
そろそろ終わりが近づいてきている。日はどんどん
傾いていく。日没までに小倉につくように、太陽に
照らされた水面を眺めながら、海岸沿いをひた走る。


小倉までは1時間程度の道程で、日没には
あと小一時間はある。ちょうど良いくらい
になりそうだ。海岸の風景を楽しんで走る。



海岸沿いを走っていると、煉瓦造り建物群が見えてくる。
門司赤煉瓦プレイスである。1913年に帝国麦酒によって
九州で最初の工場施設として建てられた。これらの建物は
後に合併されたサッポロビールの九州工場の施設として
2000年まで使用されていたが、サッポロビールの日田市
移転に伴い、歴史的建造物として4棟を保存しながらも
活用し、今も資料館や飲食店施設として利用されている。


ここは門司駅のすぐそばである。なんならここから、
電車で帰ってもよい。疲れた体にビールが美味しく
ないはずがないと思ったが、しばらくして人気のない
ことに気づく。まだ自粛期間中のようである。当時
の面影を残す建物だけでも味わうべく散策してみる。



そうこうしている内に、気がつけば日没が迫っている。
太陽はだんだんと茜色を帯び、影は長く伸びてきている。
残す道のりのことを忘れ、ビールの風景を楽しんでいた。
せっかく立てた予定である。小倉まではあともう少しだ。



やっぱり海と夕焼けは美しい。行き交う船に、
工場のシルエットがぼんやりと遠くに見える。
けれど水面に映る夕焼けをゆったりと見つめて
いる暇はない。目指す小倉はもう少し先にある。



ともあれ無事に小倉に到着。気づけば、なんや
かんやと財布が軽くなっている。ATMでお金を
補充して、さてここからは電車に乗って帰ろう。



思いかえせば、朝一番で下関駅を降りてから、
いろいろと盛り沢山の一日であった。興味の
幅が広がっていくほど、寄り道は増えていく。
でも一応予定通り、小倉駅までたどり着けた。
目に入ってくるものは仕方ない。気になる所
はまた来よう。やはり旅は楽しいものである。

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