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絵を描くことの快感 往復書簡#15

画家・タシロサトミさんとの往復書簡15回目です。
往復書簡として書いているとお手紙の返事を書くように、次を書かなくてはと思うのでいいですね。自分1人だと文章は絶対に書きつつづけられないな。文章化できるようになるのが今年の課題なので勉強になっています。

前回のタシロさんの変形パネルについてお伺いして、パネルの輪郭さえも描画するような意識や、物質感が大切と言うことなど、なるほどな〜と思いました。
私の場合は規定のキャンバスを使って側面まで描いているのですが、これはキャンバスの縁がなくなって、もっと外まで広がってほしい。物質を超えて空間に広がり溶け混んでほしいと言う意識から描いています。それは私が演劇をやっていたこととも通じていて、見ている人も取り込んですべての空間を作りたいと言う欲望があるんですよね。なので、個展の時はまずはギャラリーの図面を見てどのような大きさの作品を描いて配置するか、全体感から決めていきます。展示のしかたなどはすごく普通なのですが、自分自身はインスタレーション的な意識で会場を作っています。
でも私がやっているのは基本が絵画なので、どんなに描いても絵の終わり「縁」はある。それを超えて見ている方の心の中で広がり空間を感じてもらえたら、私としては成功かなと思っています。

さてさて今回のお題

多くの画家にとって絵画制作は、苦しくもありますが、それと同等もしくは勝る快感をもたらすものだと思うのですよ。だから小河さんも描き続けてるわけですよね。

特にこの工程が好きなんだよね、というものをぜひ熱く語ってください。

愛用している画材道具のお話とかでもいいです。
往復書簡#14より

絵画制作は快感以外の何ものでもないです。
まず、色を見る快感。画材、紙やキャンバスの質感。筆や鉛筆で描くときの触感、もう全てが気持ちいい。
特に快感なのは描き出しです。真っ白なキャンバスに絵の具をおいてゆくのは緊張感もありますが、心躍る冒険の始まりのようで最高に楽しいです。
その後に紆余曲折で道に迷ったり苦しんだりもするのですが、それさえも快感。
そして自分でも納得できる作品ができたときは、本当に嬉しいしずっとみていたい。見飽きない。最高の遊びだと思います。

下記の動画は2018年のものでちょっと昔のものですが、描き出しの動きは今と変わらないです。水と共に流れてゆく絵の具の広がりは見てるだけでも面白いです。

ブランク後復帰して13年目。毎日絵のことを考え続け、制作し続けられてるのは描くことが快感で楽しいからだなと思います。

反対にプロとして発表してゆく上での事務仕事、連絡、作品発送梱包などは苦手で面倒って思いますけど、やり続けてゆくためには仕方ない。。というか仕事と思ったら当たり前のことなので、ヨロヨロしながらもやっています。

事務仕事、多くの人が苦手だと思うんですよね。でも発表してゆくなら避けることはできない。タシロさんはどうですか?作品やタシロさん自身からの印象ですとちゃんとしてそうな気がするのですが。。。

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