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国立アーカイブ「羅生門展」

国立映画アーカイブという場所に行ってきました。

あまり知られていないかもしれませんが、日本で唯一の国立映画専門機関で、映画の保存・研究・公開を通して映画文化の振興をはかる目的で設立された施設になります。

とある作品で古い時代のフィルムを使用させてもらいたく打ち合わせで行ったのですが、「常設展」と併設して「羅生門展」というものがやっていてみてきたのですがすごく良かったです。

「常設展」では映画の歴史が学べるのですが、映画の歴史はなんかそれだけロマンがあって、それだけ楽しいですし、個人的には昭和の映画のポスターとかがすごい好きで、あのデザインセンスは本当にすごいなあと思ったりしました。

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「羅生門展」もいろんな切り口で展示されていて見応えがあったのですが、一番衣装に残っているのが、黒澤明の直筆で書かれた制作意図。

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「人間の心の底に潜むエゴイズムは醜悪無残である。しかも猶、人間は、人間の善意を信じないでは生きて行く事は出来ない。
 その心の闘いを、この映画は描かんとするものである。」

文章の内容もそうですが、シナリオの最初にこういう文章が書かれていることに感銘を受けました。

こうやって書かれていること自体はそんなに驚くべきことではなく、本来は当たり前とも思えることなのですが、ただ自分が何かの作品に関わる時に、そのような初心をしたため、その志を首尾一貫出来ているか、あるいはその言葉がこのように端的に、また人の心を打つほどの力を持っているか、とても考えさせられたのです。

プロデューサーの仕事は「問うこと」。どんな問いを世の中に投げるべきかを指し示す(ディレクションする)こと。

それはつまり「テーマ」ということですが、強い「背骨」を作るために、そこは誰よりも考えて、ブレてはいけない。そんな思いを強くしました。

とにかく国立映画アーカイブ、お薦めです。

追伸
同じ方向性で東京駅近くにある「インターメディアテク」もかなりお薦めです。行ったことない人はぜひ!

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