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【NPO書評】日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く (講談社現代新書)

松岡正剛さんの本をオーディオブックで初めて読みました(聴きました)。
松岡正剛さんといえば、山田が編集術や読書術を学んだイシス編集学校の校長です。
なので、松岡正剛さんの肉声で何度もお話をお聞きしたことがあります。
紙の本で読んでいる場合、脳内で松岡さんの声が再生される感じです。
でも、今回はオーディオブックなので、脳内では松岡さんの声が聞こえつつ、別の声の朗読というのが、ざらざらした違和感がありましたが、それが逆に刺激になります。
イシス編集学校つながりのみなさん、ぜひチャレンジしてみてください。

さて、本書の内容は、松岡さんが読み解く日本文化です。
日本に関連するいろいろな話題、事象、トピックスが出てきます。
松岡さんのフィルターを通してみると、分類され、紐づけられて、かけあわされて、統合されて、神代の時代から現代まで、様々な日本の文化が浮き彫りになってきます。

日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く (講談社現代新書)
2020/3/18
松岡 正剛 (著)

松岡正剛さんの文章で度々目にする話題もありますが、あらためて、まとめて、体系だって解説をしてもらうと、日本文化の授業として、ほんと面白いですね。
古代日本から続いている文化(神話)に、その時代その時代に海外から来た思想や技術がそこに加わって、さらに独自に発展し、あるいは小さな小さな萌芽から大きく花咲く独自の文化があり、などなど。
日本の文化の面白さと多様さと同一性を感じさせるものです。
本書で取り上げられているトピックスそれぞれが面白いので、ちょっとした合間に読んでみても楽しく学べます。

山田としては、先日、町田康さんの口訳古事記を読んだばかりだったので、神話の時代の話がより深くわかりみがありました。
あらためて考えると、日本の文化はいろいろな軸がありますね。
このバラエティに富んだ軸(例えば「伊達」や「数寄」など)の思想を知っているだけで、より深く日本の文化を知ることができますね。
これは、一家に一冊、手元に置いておきたい本ですね。
例えば、若者支援をしているNPOの拠点にも一冊あると、よいかも。
今のマンガはほんと、すごく多様になっているので、日本文化に由来している作品も数多くあります。そのマンガで描かれているテーマの根本をちょっと調べて興味を持ってもらうのに、よさげです。
新書で読みやすいので、若者にもお勧めできます。

NPO関係者のみなさんも、押さえておくべき日本文化論として、ぜひどうぞ。


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