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【NPO書評】行基 菩薩とよばれた僧

少し前に、重源上人推しをお伝えしたところですが、やはり、行基上人も推したいですね。
ということで、今回は行基上人の本です。
Facebookで藤村さんが紹介されていたので、早速読んでみました。
(藤村さん、ありがとうございます。)
行基上人の小説があったなんて、まったく知りませんでした。

行基上人と言えば、東大寺・大仏の勧進の責任者。
日本のファンドレイザーの元祖だと思っています。
他にも、国土交通省のHPでは「土木の父」とも呼ばれています。
奈良時代、仏教集団を構成し、近畿地方各地で、橋や寺院、湯屋などの建設、ため池やかんがい施設などの造成を行っていました。
ちなみに、行基上人は日本全国各地を訪問したという伝説があり、関東や九州でも行基上人由来の寺院やインフラなどがあります。

そんな行基上人の小説です。
ジャンルは歴史小説です。
行基上人の幼い時から東大寺・大仏を造立し、大往生するまでのお話しです。
歴史小説ですが、行基上人が霊能力のようなものを身に着けて、というファンタジーの様相もあります。

行基 菩薩とよばれた僧

2019/4/26
岳 真也 (著)

これまで行基上人に関する本は何冊か読んできましたが、行基上人の一生を知るにはよい本です。ただ、行基上人のエピソードはどこまでが史実なのかはちょっと判別しづらいですが、この時代の社会背景や、仏教界の状況、天皇を取り巻く貴族政治などについて、いろいろ知ることができ、勉強になります。
そういった背景を知ると、行基上人が取り組まれてきたことがよく理解できます。
ただ、山田的にメインである大仏造立の勧進については、あまり詳しく書かれていないのが残念です。でも、なぜ、行基上人が大仏造立の大勧進に任命されたのか、その背景となる、その当時の政治の状況などは詳しくわかることができて、面白かったです。

行基上人ファンのみなさんに、ぜひお勧めします。


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