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【NPO書評】#ハッシュタグストーリー

「麻布競馬場」のアカウント名は、X(旧Twitter)で見かけたことがあります。
その時は、地方から上京して、都会に疲れて、地元に戻った若者の悲哀を綴った物語をXに投稿していたのを読んでいた記憶があります。
「麻布競馬場」の人が小説家になっているんだあと思い、読んでみました。
今回もオーディオブックのAudibleです。

そして「#ハッシュタグストーリー」というのも気になりました。
「新時代の小説家が贈る全編新作アンソロジー」ということで、4名の作家の短編集です。

#ハッシュタグストーリー
2024/2/21
麻布競馬場 (著), 柿原 朋哉 (著), カツセ マサヒコ (著), & 1 その他

高校の時に文学作品をよく読むようになりました。
近代文学から現代小説まで、雑多に読んでいました。
その時に、夏目漱石や島崎藤村を読んで、明治時代の青年の心情とはこんな感じなのかあと感心をしていました。
本書を読んで、まさにその時の感覚を味わうことができました。

ブログを含むSNSが始まった、平成後期から令和初期の現代の若者の心情を垣間見ることができました。
主人公や登場人物はごくごく普通の人たちです。
そんな人物像を丁寧に描写しています。
Xのつぶやきの積み重ねのように、少しずつ人物像が見えてきます。
Xの連続投稿を読んでいるような気分で、先が気になってしまいます。
物語の構成がうまいですね。
坪内逍遥の「当世書生気質」のように、現代版の「当世若者気質」という感じでしょうか。

現代若者事情の内面を垣間見たい方にはお勧めです。
特に、山田のように中高年のNPO関係者は現代事情をキャッチアップするツールとしてぜひどうぞ。


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