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【NPO書評】沈黙/遠藤 周作 (著)

遠藤周作は、祖母が好きだったので、たぶん小学生高学年くらいから読んでいました。
といっても、狐狸庵先生ものでしたが。
そして、遠藤周作の影響、もしくは潜在意識があり、慶応大学仏文を専攻していました。

確か、高校生の時に遠藤周作の「沈黙」を読みました。
なので、約30年ぶりに「沈黙」を再読しました。
正しくは、オーディオブックなので、聴きました。

「沈黙」といえば、踏絵です。
ただ、今の日本史の授業では、踏絵ではなく、絵踏らしいですね。
ネットで調べると、進研ゼミがこう教えてくれました。
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「絵踏(えぶみ)」は,キリスト教の信者を発見するために用いた方法で,
「踏絵(ふみえ)」は,そのときに使われた絵や像のことです。
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そんな違いを感じながら、30年ぶりの再読です。

沈黙
1981/10/19
遠藤 周作 (著)

江戸時代初期、キリシタン禁制となった日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴの物語です。彼から見た、日本人のキリシタンの信仰や、それを取り締まる幕府の役人や、キリシタン禁制の状況などから、信仰や神の沈黙について、心ざわつかせる小説です。

30年前はたぶん、神の存在や宗教について考えながら読んでいた記憶があります。
でも、社会人になってから読むと、宣教師という宗教家の側面とあわせて、職業人という面を大いに感じながら読んでしまいました。
仕事をしていく中で様々な決断を迫られますね。
自分の信仰と宣教師としてのミッション、目の前で迫害されている日本人キリシタンの様子、そういった要素が絡み合って、決断をしていく司祭ロドリゴの心中を考えると、胸のあたりがキリキリしてしまいます。仕事をしていく上で、何を大事にしていくか。
いろいろと考えさせる内容です。
この辺が、10代後半で読むのと、50代で読むのとの違いですね。

NPO活動でも、何を大事にすべきか、いろいろな決断があると思います。
そんな決断をしてきたみなさんにとっても、共感できる内容です。
機会があれば、ぜひ読んでほしい一冊です。


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