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【NPO書評】行動経済学の逆襲 上 (ハヤカワ文庫NF)

オーディオブックで途中で挫折して、あらためて最初から読み直し(聴き直し)をしてみた本です。初めての体験です。
途中から続けようと思いましたが、2,3か月のブランクが出来てしまったので、最初から読み直したわけです。

さらに、ノーベル経済学賞を受賞した人の本を読むのも、きっと初めてです。

そして、SF小説で有名なハヤカワ文庫で経済学の本というのも珍しいですね。
ただ、従来の経済学にとっては、SFのように別世界の話しという意味では正しいものです。経済学の説で想定される「合理的な人」と、実際の社会に生きている「不合理な人」は違うということが行動経済学のポイントですから、同じ経済学でも扱っている人は「異世界の人々」という感じでした。

途中で挫折してしまいましたが、読み直してみると、やっぱり面白いですね。
行動経済学とは何かということが、経済分野をまったく通ってこなかった自分でも垣間見ることができました。

行動経済学の逆襲 上 (ハヤカワ文庫NF) 
2019/10/17
リチャード・セイラ― (著),

行動経済学の解説書というよりは、行動経済学以前の経済学から、どのように行動経済学が誕生したのか、それがどう発展していったのかという、経済学の歴史書のような内容です。
なので、経済学のことを知らなくても、有名な理論などはちょっとした解説付きで、それらの内容と行動経済学の違いなどの視点から解説されています。さらに、大学教授である著者がどのように行動経済学を生み出していったのか、半生を振り返るようなもので、大学教授を主人公にした物語のような構成にもなっています。ある意味、ワクワクする展開です。

まだ、上巻を読んだだけなので、行動経済学の萌芽を感じるものです。
これからどのように発展していくのか、ドキドキと楽しみがありますね。
上巻は1970年から94年の物語です。

ちなみに、行動経済学に関する実験の中で、たまにチャリティに関する話題も出てくることがあります。あるお店で、プレミアもののフィギュアが発見された時に、それをオークションで高く売ろうとすると店主に対して反感を持つお客さんがいる(つまり金儲けのためと思われる)が、その売り上げをチャリティに寄付するというとお客さんが共感するという実験の話題がありました。
チャリティの効能ですね。


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