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【NPO書評】「国境なき医師団」の僕が世界一過酷な場所で見つけた命の次に大

これはだいぶ異色なNPO関係者本ですね。
本書のタイトルから「国境なき医師団」の活動に関する本だと思っていたら、キャリア論、ビジネス書のような内容でした。
これは珍しい!
今回もオーディオブックのAudibleで読みました。

著者の村田さんは、国境なし医師団の日本事務局長を務めている方です。
国境なき医師団として、シリアなどの紛争地に派遣され、派遣国の前プロジェクトを式する活動責任者に日本人で初めて任命された方だそうです。また、紛争地の活動をよりよいものにするためにハーバード大学ケネディスクールに留学もされています。
これだけを見ると、とてもすごい人のように思えますが、いろいろと紆余曲折をありながら、今の仕事でキャリアを積んでいるそうです。

「国境なき医師団」の僕が世界一過酷な場所で見つけた命の次に大事なこと
2023/10/17
村田慎二郎 (著)

本書では、国境なき医師団の紛争地での活動を通じて、限りある自分の命をいたずらに消費せずに、自らの使命を見つけて、そのために生きていくべきと語っています。
いわゆる、自分のキャリアや経験をもとに働き方を語るビジネス書に分類できるものだと思います。通常は、お金儲けのビジネスが舞台ですが、本訴は非営利活動を題材にしているというのが面白いですね。
国境なき医師団として、紛争地での活動をケーススタディとして紹介しています。そこに、ハーバードケネディスクールの学びをもとにした理論の実践も紹介しています。
紛争地の活動、アメリカ留学などの経験をもとにキャリア論や、働き方、あるいは人生訓のような内容となっています。

一般的にNPO関係者が書いた本は、団体の活動を紹介するための内容になっていますが、本書は国境なき医師団の活動を通じてキャリアを語るという構成になっています。あるいは、キャリア論の本として認知してもらい、そこから国境なき医師団の活動を知ってもらうという一面もあります。

とても珍しい構成なので、NPOのみなさんにもキャリア論、そして異色なNPO本として、参考になる一冊です。

そして、著者は1977年生まれなので、40代後半の年齢です。
50歳前後の就職氷河期世代にとっては、懐かしい話題も出てきます。
上記のように、著者は華々しいキャリアを持っていますが、大学では就職できずに、留年をしたり、転職後の国境なき医師団の入社試験にも2回落ちているそうです。そんなキャリアの中で転機になっているのが、あの「絶対内定」で有名な故・杉村太郎さんの我究館の出身だそうです。
絶対内定や我究館などの言葉は懐かしいですね~。
山田も就活の時には確か「絶対内定」は読んだ気がします。
ちなみに「絶対内定」は今でも毎年出版されているんですね。


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