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【NPO書評】活の入れ方 (幻冬舎新書)

ビジネス書、もしくはスポーツの指導者向けの本として出版されたものですが、山田としては、あのプロ野球選手、あの力士のエッセイ集的な感じで読んでしまいました。
とても興味深いエピソードがいろいろ詰まっていました。

プロ野球で選手・監督して活躍した工藤公康さんと、相撲の九重親方(元大関・千代大海関)と、「心身統一合氣道」の継承者の藤平信一さんの鼎談の内容をまとめたものです。
ちなみに、九重親方というと、先代の九重親方である元横綱の千代の富士をイメージしてしまうところですが、今は千代大海が九重親方なんですね。

鼎談をそのまま本にしたものではなく、鼎談で話されたことを藤平さんがとりまとめています。なので、工藤さん、九重親方が話されたことを藤平さんが最後に解説を加えて説明をしてくれるようになっています。
本の作りとしては面白いですね。

本書もオーディオブックのAudibleで読みました。

活の入れ方 (幻冬舎新書)
2024/2/21
工藤 公康 (著), 九重 龍二 (著), 藤平 信一 (著)

本書はスポーツをもとにした内容ですが、職場の部下育成などにも活用できるように仕立てられています。
ただ、山田としては、工藤さんや千代大海関の選手時代の話しがなるほどと、大変興味深く、読んでいました。特に、工藤さんでいえば、西武時代の広岡監督の指導、ホークス時代の王監督の関係性、千代大海関については、先代の九重親方(千代の富士)の指導などの話しは、現役時代を知る二人の偉大なスポーツ選手の思い出話ですので、胸アツです。
お二人とも、よき指導者に出会って、その経験を活かしながら、よき指導者になっているという印象でした。

さて、現役時代の思い出話も面白いのですが、一流選手が指導者になっての変化という点も本書の面白さ、ためになる点です。
お二人とも、自分の現役時代の指導をそのまま流用するのではなく、そこから自分なりに租借し、今の時代に必要なもの、そうでないものをよりわけて、試行錯誤をしながら指導法を積み上げていくというものでした。
前例踏襲ではなく、取捨選択、時代への対応をしながらの方法論です。
ただし、やはりスポーツがテーマの話になるので、そのままビジネスの世界で通用するというものではない気がしました。この内容をいかに自分事に置き換えて、転用できるかを考える必要がありますね。

NPO活動でも、スポーツ系の団体が多いと思いますので、そういった団体の方にはとても参考になると思います。
あるいは、工藤公康さん、九重親方のファンのNPO関係者に絶賛お勧めします!


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