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【NPO書評】「好き」で仕事をつくる ナリワイ起業;地域が変わるスモールビジネス

助成金マニアが高じると、助成実績から読む本を選ぶようになります。

こちらは、トヨタ財団の助成先ということで、気になっていた「鶴岡ナリワイプロジェクト」。
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好きなことで身近な困りごとを解決する小さなビジネスを”ナリワイ”と呼んでいます。
ナリワイづくりを通して、自分が暮らすまちを自分たちで変えていこう!
自分から動く人を増やすプロジェクトです。
『月3万円ビジネス』(藤村靖之氏著)の考え方をベースにした起業講座を、毎年開催。8年77名が卒業し、みんなが動き出しました。
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http://tsuruoka-nariwai.com/

「ナリワイ」という言葉が印象的で記憶に残ります。
その鶴岡ナリワイプロジェクトの代表の井東敬子さんの本が出版されたということで、早速読んでみました。
井東さんのお名前は、NPO関係、起業支援、地域活性化などの文脈のイベントの登壇者としてよくお見かけしていました。まだ、お会いしたことはありませんが、いつかお話しをお聞きしたいと思っていましたが、その前に書籍で取り組みのことをじっくり知ることが出来ました。

「好き」で仕事をつくる ナリワイ起業;地域が変わるスモールビジネス
2023/8/28
井東 敬子 (著)

本書は、著者が移住した山形・鶴岡で始めた起業支援の取り組みの歴史(+自伝)と実践(+講座内容)を詳しくまとめたものです。
起業支援といっても、通常の会社を立ち上げるというものではなく、先に紹介した「ナリワイプロジェクト」の紹介のように、「好きなことで誰かのささいな困りごとを解決する小さな起業」の支援です。
この取り組みは2005年から始めているんですね。

書籍の中では、鶴岡で行われているナリワイ起業の講座内容をそのまま解説してくれています。ワークシートも記入例を含めて掲載されています。実際のナリワイ起業の事例も豊富に紹介してくれています。
ほんと、そのまま講座を受けているような感じで、本書を読み進めることができます。これはお得ですね。

あと、前半は著者の半生をまとめたものです。なぜ、ナリワイ起業に辿り着いたのかの軌跡がわかりやすく描かれています。これも、社会起業家のロールモデルの一つとして参考になりますね。

これからNPOを立ち上げて活動をしたいという方には、事業を考えて、スモールスタートで実践するためのガイドブックとして、お勧めできます。
あるいは、すでにあるNPOでも新しい事業を考える際のヒントにもなります。
また、ソーシャル系の講座の書籍化の事例としても、参考になります。


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