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どう使う?マーケターが知りたい行動経済学のあれこれ

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マーケティングの大家、コトラー教授は「行動経済学はマーケティングの別称である」と言ってます。専門用語が多くてとっつきにく印象のある行動経済学の理論を取り上げてマーケティング施策へ…
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#仕掛学

「実践 仕掛学」を読んで

大阪大学で仕掛学の教えている松村真宏先生の「仕掛学」の続編である「実践 仕掛学」を読みました。 実践編ということで、ページの半分以上を著者と教え子たちが実際に行った45の実例に割いています。成功例だけでなく予期しない結果となったものも紹介されていますので、仕掛を取り入れてみたいと思っている場合には多いに参考になると思います。 仕掛学とは、つい行動してしまうきっかけを作る仕掛けを体系的にまとめたものです。 行動経済学とのナッジと類似性が高いです。本書ではその違いも明確にさ

顧客が喜ぶインセンティブってどんなの?-行動経済学の理解と実践10

インセンティブは報酬のことで、選択することでなんらかの報酬を提示することで行動を促すものです。ナッジが無意識の行動を促すことを目指す一方で、インセンティブは自主的な行動を促すものとなります。 報酬といっても、金銭的なものだけでなく、社会性、道徳性、群衆心理的なところにも働きかけます。 社会性:他者からの承認欲求につながるものです。 道徳性:環境保護など社会の役に立てていると実感することです。 群集心理;みんながやっていることに遅れてはいけないと意識させることです。 金銭的

楽しい「仕掛け」で顧客を惹きつけろ!-行動経済学の理解と実践9

回転ずしチェーン「くら寿司」のビッくらぽんは、お皿5枚単位でガチャガチャができるサービスです。人気アニメのコラボの際には売上アップにも寄与しているそうです。 家族くら寿司を利用して、全員で18皿で満腹なのにガチャガチャのためにあと2皿頑張って食べたなんていう経験をしたことのある人もいるのではないでしょうか? ナッジ理論における「仕掛け」とは、「ユーザーがついついやってしまいたくなるひと工夫を加えて行動を促す方法のこと」をいいます。 「仕掛け」でもっとも有名な例は、男子ト